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菌、菌、菌〜キッチンでの食中毒予防〜

料理を楽しんでもらうのももちろんですが、お家でごはんを作る時間が多いであろう今、安全に料理を作れるようにと思いながらこの文を書いています。

昔はそうでもなかったのですが、料理を仕事にしてからぐっと私は綺麗好き(いやもはや潔癖の域にはいっている、、)になってしまいました。

元々は製薬会社に勤めていたため感染症や菌やウイルスについてはそれなりの知識は持っています、だからこそ料理の世界に入ったときに調理の際に食中毒のリスクとなるウイルスや感染症についてかなりの怖さを感じ、いつも細心の注意を払いながら調理しています。

今日はちょっとだけ、家で料理するときも気をつけてほしいことと注意してほしい身近な菌について書いてみました。全ては書ききれませんが・・・

【調理の際に気をつけるべき細菌/ウイルスと対策】

カンピロバクター:主に鶏肉に付着。対策=中心まで火を通すこと(中心が75度1分以上)。生肉を扱うときはまな板を替える。使用後、まな板やスポンジは次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)で除菌する。飛び散った生肉のついた液体などにも菌がいるためキッチンや冷蔵庫まわりもしっかり除菌をすることが大切。

トキソプラズマ:主に豚肉に付着。対策=中心まで火を通すこと。(中心67度になるまでの加熱*1)あるいは冷凍後調理する。特に妊婦さんはトキソプラズマが胎盤を通過して胎児に垂直感染する場合があるので要注意です*2

ウェルシュ菌:主に煮込み料理を常温放置した時に増殖。例)カレー・シチュー等。対策=65度以上での保温、あるいは調理後10度以下に急冷する。特に大きい鍋で作る時には底までかき混ぜながら急冷をしっかり行うことが大切。

黄色ブドウ球菌:主に人の皮膚に存在。対策=直接食品を触らない。傷口のある時は手袋を使う。調理の際はマスクをする。ほとんどの人の手に存在する菌なので調理の際の手洗いもこまめにすることが大切。

ノロウイルス:主に二枚貝に付着。特に牡蠣。対策=加熱調理(85〜90度で90秒以上)。調理の際に使用したものは次亜塩素酸ナトリウムを主成分にした除菌製剤(キッチンハイターなど)で除菌。またノロウイルスにかかっている人は調理をしない。
※次亜塩素酸ナトリウム製剤は製品によって濃度が異なりますので、製品情報に従って正しい使い方をしてください。

(引用文献)*1 *2 NIID国立感染症研究所 トキソプラズマ症とはhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3009-toxoplasma-intro.html

(参考文献)全国調理師養成施設協会 必修編3 「食品の安全と衛生」

安全に調理するにはもっともっと気をつけてほしいことや気をつけたいことはあるのですが、家庭で調理する場合に最低限気をつけてみてほしいなあという菌やウイルスたちを記載しました。もちろん、神経質になりすぎず料理は楽しんでください!でも頭の片隅にいつもこの菌たちのことや対策法を置いておいてくださいね。


いつも読んでいただきありがとうございます。 みなさんがふらっとこのnoteを見て、 あ、これ作ってみよう。と思ってもらえたら嬉しいなと思い、 いつもレシピを書き記しています。 ちょっと新しくて嬉しいごはんのために これからも料理人takiは作り続けます。