見出し画像

再び笑う

笑うことができなくなるなんて、
そんなことあるのかと思っていたけど、
ほんとうに、人は笑えなくなるんだね。

笑わない限り、復活できないと思った。


母親として、大切にしようと思ってたことがある。
それは笑うこと。

子供達が小さい頃、仕事と家事と子育てで、
気づけば怒ってばかり。
そんな時、ふと自分の母のことを思い出した。

もし、母がいつも怒っていたら、わたしはどう思うだろうか…
わたしだったら、どんな母であったら嬉しいか…
そんなことを思った。
わたしが望んだ母親像は、ニコニコ笑ってる母だった。

それからは、
どんなに疲れて苦しくても、
どんなにイライラして怒っても、
どんなに辛く泣きたくても、
一日数回は子供と一緒に笑おう…
そう決めた。


そう決めたのに…

突然
感情が無くなり、
大切な"笑う"ができなくなってしまった。

何を見ても、何を聞いても、
面白い、楽しいという感情が出てこない。
心が揺さぶられるのは不安だけ。

困った…。


何年か前に講談ブームが起こった時、
わたしもその波に、少しばかりのった。
講談を知り、落語も時々楽しむようになった。
演芸は、この世になくてはならないものだと思った

ふと、その時のことが蘇る。
好きな落語なら、笑えるかも…と。

毎週日曜の夕方、テレビの前で笑点を見た。
ポッドキャストで、落語家さんの噺を寝る前に聞いた。
YouTubeで、落語家さんのチャンネルを見た。

そんなことを繰り返しているうちに、
ふと笑っている自分に気づき始めた。

あっ…
今、わたし笑った…と。


"笑う"という感情は
心の栄養でもあり、幸せでもあり、
わたしにとっては、
どうしても必要なものだった。

再び笑えて、幸せな気持ち。
落語家さん、ありがとう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?