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『機能性野菜キクイモを柱に、農業の底上げと楽しい働き方を目指して』

ハイテク機器を使いこなし、作物の新たな可能性を発見する。

わくわくあぶくま夢ファーム
代表:佐藤 喬


2000年に会社を退社後、家業の農家を継承した佐藤さん。
いち早く機能性野菜に注目して、キクイモやヤーコン、ヘチマの栽培を始めます。さらには低温乾燥機を導入し、キクイモパウダーやヘチマ化粧水などの商品開発も実施しました。
職員からは「わくわくさん」の愛称で呼ばれる佐藤さん。今回はその人柄に触れます。


ーー いつもお世話になっております。滝根町商工会職員です。今回はインタビュー形式でお話しを聞きますので、ご協力お願いいたします。

佐藤「はい。よろしくお願いします。」(佐藤喬さん:以下、敬称略)

ーー さっそくですが、元々は家業の農家を継がずに、企業に就職していらっしゃったんですね。

佐藤「前はガラスレンズの眼鏡を製作する会社に勤めており、営業と生産管理で全国を回っていました。」

ーー それがなぜ、農家を継ぐことに?

佐藤「時代の流れですね。ガラスからプラスチックレンズに移行する中、製品の販売が行き詰まりました。役職としての重圧も強く、これを機に会社を辞めて農家を継ぐことに決めたわけです。」

ーー 農業を始めた当初は、順調だったんですか?

佐藤「いや、もう全然ダメ。トマトとかやってましたけど、効率が上がりません。耕地も狭いから、果菜、葉菜、根菜をローテーションで育てられないか調べてました。あぶくまの地(※1)に合った農業を目指して、とにかく模索していた時期でしたね。」

(※1) 滝根町はあぶくま山地に属する中山間地域で、耕地は標高250~600m程度の間に存在します。夏は高原をわたる風が気持ちよく、冬の降雪量も比較的に少ない穏やかな気候です。


ーー 調べていく中で、機能性野菜に着目したわけですね?
(機能性野菜とは、特化した成分を含んだ野菜のこと。)

佐藤「はい。機能性野菜の理論付けのため、茨城大学のヤーコン研究会に入っていました。そこで講演を聞き、これからキクイモが注目されるとのことだったので、本格的に生産しようと取り組みました。」


佐藤さんが取り扱うフランスキクイモには50%以上のイヌリンが含まれており、血糖値の抑制や、便秘の解消にも効果があります。その他にも血圧を下げたり、がんの増殖を抑制したりする成分も含まれます。

こちらの写真は、わくわくあぶくま夢ファームさんの主力商品「フランスキクイモパウダー」です。食前スプーン1杯をお湯でお召し上がりください。
こちらの写真は、わくわくあぶくま夢ファームさんの主力商品「フランスキクイモパウダー」です。食前スプーン1杯をお湯でお召し上がりください。

ーー キクイモを栽培するだけでなく、加工して販売もされていますが、商品開発に至った経緯をお聞かせください。

佐藤「加工と販売を手掛けることで付加価値が倍以上になり、さらに室内での作業が増えることで、天候に左右されない労働環境を作りたかったからです。それと高齢化が進んでいるため、効率良く機能成分を摂取できる商品の要望もありました。」

ーー その要望とは、どこから声が上がったんですか?

佐藤「茨城大学のヤーコン研究会の仲間からですね。情報を得て確認するため何度も尋ね、人付き合いを築いていきました。低温乾燥機なども、その研究会仲間からの紹介です。」

ーー 機械って非常に高額だと思うのですが、何か融資とか受けましたか?

佐藤「融資は受けませんでした。もし受ける場合、計画書の提出が承認されてからの購入となり、半年以上も事業開始が遅れてしまうからです。なので直接メーカーに行って『モデル事業として始めるから!』と説得し、50%OFFでの購入を認めてもらいました。」

ーー なんですかその交渉術!?

佐藤「交渉事は情熱と、ひたむきな態度が重要です。機械導入で粉末加工の受託もすることにしたら、全国から発注がかかるようになりました。」

こちらは低温乾燥機です。合わせて粉末加工機を導入することにより、規格外や収穫時期の重複などの理由で廃棄予定だった農作物の、ドライ化やパウダー化が可能です。 干し柿、干し芋、ドライ苺などにして、フードロス対策に活用できます。


ーー とてつもない営業力を発揮されてますが、経営について商工会がお手伝いできたことはありますか?

佐藤「商工会には記帳や決算の代行をお願いしてます。できるだけ営業と生産に集中したいから、会計処理を手伝ってくれて助かってます。」

ーー ありがとうございます。そうおっしゃっていただけて安心しました。最後に事業所名の「わくわくあぶくま夢ファーム」さんについて、この名前に決めた理由はなんでしょうか?

佐藤「あぶくま地域にある農場だから「あぶくまファーム」ではありますが、夢のある農業にと希望を込めて「わくわく」と「夢」を付け加えました。」

ーー 『わくわく』と『夢』には、どんな想いが込められていますか?

佐藤「今までの肉体労働からの解放と、作物の付加価値を見直すため、新しい働き方を見つけたかったのです。自分で生産して加工して販売して、営業もして注文を受託する。それを可能にしてくれた作物の新たな可能性にわくわくしますし、これから農家としての仕事が楽しくなってほしい夢が込められてます。」

ーー 質問は以上となります。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

佐藤「こちらこそ、ありがとうございます。」

「あぶくまわくわく夢ファーム」さんの商品は、主にあぶくま洞の売店などで購入できます。

商品についてのお問い合わせ、ご注文につきましては、下記の連絡先にてお願いいたします。

Tell: 0247-78-3488(平日9:00-18:00)
Fax: 0247-78-3488
URL: https://r.goope.jp/abukumayumefarm