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今週の、いちばん。2(2015年)

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その1週間で、僕がいちばん心が動かされたことをふりかえる、週刊連載的読み物です(収録してるのは2015年分です)
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今年の、いちばん。2015年/転がって、ぶつかって、それでも前に進んできた。

今年の、いちばん。2015年/転がって、ぶつかって、それでも前に進んできた。

2015年、最後の日。「今週の、いちばん」を1年分ざざっと見返し、「今年の、いちばん。」な話を書きたいと思います。

年末になると「今年の漢字」」なるものが発表されますが(今年は「安」だとか)、僕にとっては「転」の1年でした。
1年で2回の転職を経験。個人事業主としての活動もスタートした、転機の年。自分の運命が、まるで転がるようにどんどん変化していって。

3月に、最後の担当作を作って、日本実業出

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どうせやるなら、面白くやる。/今週の、いちばん。83

どうせやるなら、面白くやる。/今週の、いちばん。83

人間の記憶というものは、ときに曖昧で、自分に都合よくできているらしい。
「個人事業主としての活動も始めた今年は、例年以上に忙しくて、ろくに飲み会にも行けていない…」
久しぶりのnoteをそんな書き出しでスタートしようと思ったのだが、Googleカレンダーを見たら、今月すでに11回、飲み会の類に顔を出していた。
我ながらどう時間を工面したのか不明だが、むしろ、自分で自分をほめたくなる。

数多い忘年

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「仕入れ」をしないと、生き残れない。/今週の、いちばん。82

「仕入れ」をしないと、生き残れない。/今週の、いちばん。82

以前、「ビジネス書業界で長く生き残る著者」と「そうでない著者」の違いを、打ち合わせで聞かれたことがある。
両者を分ける要因は1つには絞れないだろうし、そもそも、僕にその問いに答える資格があるとも思えない。
だけど、少し考えて、「それは<仕入れ>をし続けるか、しないかの差」じゃないかとお答えした。

キツイ言い方をするが、ビジネス書の著者の中には、「新刊を出しても、中身が前の本とさほど変わらない」人

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見る、聞く、でも言わない。/今週の、いちばん。81

見る、聞く、でも言わない。/今週の、いちばん。81

先週、数年ぶりに、渋谷のタワレコに行った。
昔、渋谷にある大学に通っていたので、当時は学校帰りにタワレコに寄って、よくHIP HOPのCDを探していたものだ。
久しぶりに店内に入ると、どうしても視聴したくなる。
じつは、欲しかった日本語ラップのアルバムがあったのだけど、お店でtha BOSSの「IN THE NAME OF HIPHOP」を聴いて、思わず即買いしてしまった(オフィシャルの音源をいく

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「部外者」だから、できること?/今週の、いちばん。80

「部外者」だから、できること?/今週の、いちばん。80

文章にとって、「鮮度」って、どれだけ大事なんだろう?
たとえば、魚なら、釣った直後が一番おいしかったりする(もちろん他の調理法もあるけれど)。
文章はどうだろう。何かを見聞きし、感じて、いざ書こうと思ったとき、それでも、いくらか寝かせたほうがよくなったりするんじゃないか。
けれど、今日は「とれたて」の文章を書いてみたい。
少なくとも自分にとって、これは、新鮮なうちに書き留めておきたいことだと思った

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会社は変われど、「らしさ」は残る。/今週の、いちばん。79

会社は変われど、「らしさ」は残る。/今週の、いちばん。79

いま、サンクチュアリ出版が調子いい。
と、社員の僕が言っても宣伝くさく聞こえるのだろうけど、決して大げさな表現ではないと思う。
先日、自分が担当した『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』、他の編集部員が担当した『オトナ女子の不調をなくす カラダにいいこと大全』『好奇心を“天職”に変える 空想教室』と、この秋の新刊の増刷が決まった。
下半期のスタートとしては、悪くないはずだ。

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「すぐやる」ことは、「すごい」こと。/今週の、いちばん。78

「すぐやる」ことは、「すごい」こと。/今週の、いちばん。78

ベンチャーに勤めていた時代、恥ずかしながら、書店から足が遠ざかっていた。
「編集」の仕事はしていたが普通の本ではなかったし、経費でバンバン本を買える身分でもなかったし、そもそも個人事業主との兼務で行ける時間もない。
多分、人生でいちばん書店と縁遠い時期だったと思う。

そんな僕が、今週は集中的に書店を訪れた。
新刊『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』の著者の高田さんと、営業のY

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「あわない人」に、会える機会は大切だ。/今週の、いちばん。77

「あわない人」に、会える機会は大切だ。/今週の、いちばん。77

最近、名刺の減りが早い。
転職して間もないのもあって、久しぶりに著者や同業者の集いに出かけては、新しい名刺を配っているのだ。
しばらく会っていなくても、出版業界の人とは、すぐに打ち解けられる。
ただ、そういう環境の中だけに身を置いているのは、あまりいいことではないかもしれない。

先日、以前、『自由な働き方をつくる』で担当した、常見陽平さんのホームパーティーにお邪魔した。
パーティの参加者の幅がか

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「同世代」と仕事をするのは、なぜこんなにも楽しいのか?/今週の、いちばん。76

「同世代」と仕事をするのは、なぜこんなにも楽しいのか?/今週の、いちばん。76

人間、変われば変わるものである。
しかも、変わる前の自分を、すっかり忘れていたりするものだ。
1年ちょい前、こんなnoteを書いていた。

同い年でつるむなんて、死ぬほどダサいなと思っていたけれど。

今の僕は、「つるむ」とはちょっと違うけど、「同世代」で仕事がしたくてたまらない。

本日、正式発売をむかえた『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』。
サンクチュアリ出版での初担当作

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そこでしか聞けない、「お客さんの声」がある。/今週の、いちばん。75

そこでしか聞けない、「お客さんの声」がある。/今週の、いちばん。75

もしかしたら、ちょっと場違いな会社に入ったのかもしれない。
急な話だが、9月30日に半年勤めた株式会社BOLBOPを辞め、翌10月1日からサンクチュアリ出版で働いている。
肩書きは、あいかわらず「編集者」だ。

サンクチュアリ出版は「本を読まない人のための出版社」を標榜し、ビジュアルを多用した、読みやすくて楽しげな本作りで有名な会社である。
社員も出版社らしくない雰囲気をまとったお洒落な人々ばかり

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僕がいちばん、「編集」したいもの。/今週の、いちばん。74

僕がいちばん、「編集」したいもの。/今週の、いちばん。74

「ベンチャーでは、どんな仕事をしてるんですか?」
転職してもう半年になるのだけど、いまだにそう聞かれる。
出版社時代と違って、クライアントの関係で公表できない仕事もあるので、社外の人にはわかりづらいのだろう。

少し前までは、同僚と一緒に、企業へのコンサルティング資料を「編集」していた。
その企業の方に、ある課題についてのヒアリングをし、「ストーリー」を組んだ上で、パワーポイントの資料にまとめて納

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大人は、君の味方である。/今週の、いちばん。73

大人は、君の味方である。/今週の、いちばん。73

人生で、いちばん「自信満々」だった時期はいつだろう?
たぶん、大学生のころじゃないか。
当時の自分が、優れていたということではない。
現実の僕は、学業も部活もバイトも中途半端な人間で、狭い世界の中で虚勢を張っていた。
狭い井戸の中にいることで、フェイクな「自信」を保っていたのだろう。

自分が(年だけは)大人になってから、OB訪問などで、多くの学生に会うようになった。
そこで就活の相談が出ると、い

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人脈は、忘れたころに役に立つ。/今週の、いちばん。72

人脈は、忘れたころに役に立つ。/今週の、いちばん。72

僕にとって、仕事とは、「持ち込み原稿」のようなものだ。
ある日いきなり、誰かが「こんな仕事があるんだけど…」と、話を持ち込んでくる。
個人事業主になってからいただいた仕事は、ほぼそのパターンだ。
そういう意味で、これまでに築いた人脈が、だいぶ役に立っている。

ただ、最近よく考えるのは、「人脈は、すぐに役立つとは限らない」ということだ。

そもそも、僕に仕事を紹介してくれるのは、少々意外な人だった

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それでも、「人生のサイコロ」を振ろう。/今週の、いちばん。71

それでも、「人生のサイコロ」を振ろう。/今週の、いちばん。71

昔から、ギャンブルの類をやらない。
父親は競馬が好きだったみたいだけど、僕には遺伝せず、麻雀もパチンコも、その他の賭け事にもまったく興味がない。
まあ、かっこよく言えば、自分の人生がギャンブルみたいなものだから、他で運を使ってもなあ、という話である。
ただ、今週はたまたま、運試しの機会が何度かあった。

僕の職場がある高田馬場は、学生街なこともあって、安い居酒屋がいくつかある。
今週何度か飲みに行

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