見出し画像

どうせやるなら、面白くやる。/今週の、いちばん。83

人間の記憶というものは、ときに曖昧で、自分に都合よくできているらしい。
「個人事業主としての活動も始めた今年は、例年以上に忙しくて、ろくに飲み会にも行けていない…」
久しぶりのnoteをそんな書き出しでスタートしようと思ったのだが、Googleカレンダーを見たら、今月すでに11回、飲み会の類に顔を出していた。
我ながらどう時間を工面したのか不明だが、むしろ、自分で自分をほめたくなる。

数多い忘年会の中でも、一二を争う印象深い会は、10月から所属している、サンクチュアリ出版編集部の忘年会だ。
弊社は千駄ヶ谷にあるのだけど、先週、わざわざ中華街にまで足を伸ばしてきた。
もともと僕が会場選びを任されていて、新宿あたりで店を探そうとしていたら、編集長に言われた。
「滝さん、せっかくだから忘年会らしく、中華に行きませんか?
で、どうせだったら、本場の中華街に行きませんか?」

う〜ん、正直、面倒くさい…
一瞬そう思ったけど、口には出さなかった。
「多少の面倒くささよりも、面白さを優先させる」のが、サンクチュアリの社風というか空気感なんだと最近考えるようになった僕は、その提案には乗っかるべきだと思ったから。
色々お店の情報も調べたのだけど(Facebookで教えてくださった方々、ありがとうございます)、けっきょく編集長イチオシの「聘珍樓」横濱本店に行くことになった。

じつはこれが初・中華街だった僕は、元町・中華街駅から中華街の大通りに出たときは、なんだかんだでテンションが上がった。
聘珍樓はひときわ存在感のある7階建ての建物で、ザ・中華ともいうべき円卓のある個室に案内され、コース料理とビール・紹興酒を楽しんだ。
メンバーは編集部員と社長で、僕が所属する前の社員のエピソードもしばしば話題になっていたけど、そんな昔話も新鮮で、自分に少しずつ会社の歴史がしみこんでいくような気持ちがした。

なんのひねりもない物言いだけど、ようするに楽しかった。
二次会のグダグダさも含め、いい大人が修学旅行ばりにはしゃいでいて、それにはやっぱり、「会社からの距離」が必要だったように思う。

僕は編集者生活の大半を「ビジネス書」づくりに費やしてきて、ともすれば本の内容に影響を受けて、「効率」を優先する生き方になりがちだ。
もちろん、今の自分の仕事のスタイルや量を考えたら、「効率」抜きでは成り立たないのだけど、同時に、いやでもそれは考えるということでもある。
むしろ、意識すべきは、日々の生活に「非効率な面白さ」を取り入れることだろう。

どうせやるなら、面白くやる。
時間も手間も余分にかかるかもしれないけど、かけた分、得るものもある。
そうやって得たものこそが、きっと人生をより彩ってくれるものなのだと思う。


今週のいちばん、大変だったけど面白く飲めた瞬間。それは12月11日、中華街と関内で編集部の飲み会をしていた瞬間です。
*ちなみにサンクチュアリ出版スタッフブログにも、編集部員が忘年会の様子をアップしています


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です

*2015年分を欠かさず読みたい方は、以下のマガジンをフォローしてください。2014年分はこちらのリンクで一気読みを

今のところ、全ノート無料にしていますが、「おひねり」いただけると励みになります!