見出し画像

Vittoria Ultra Light Speed Inner Tubes


重量計測、他雑感

TPUチューブで一番気になるのはここだと思うので、まずは結論から。
ビットリアのラテックスチューブ(バルブエクステンダー含む)と比較して片輪で-55g程度の軽量化

バルブ長は60mmなので50mmのリムハイトまでといった感じ。60mmという長さが微妙で、中途半端に長いので60mmハイトのホイールに付けるにはバルブエクステンダーのつなぎ目が見えてあまりかっこよくないのが個人的にはマイナスポイントなので、バルブ長80mmのバージョンも出してくれたら良いのにと思う。

パッケージ

裏面には日本語の注意書きが貼ってあったので要約↓

【主な注意点】
・ディスクブレーキ専用
・タイヤを入れやすくするために少し膨らませる(TPUは伸びると戻らないので、伸びない程度に留める)
・タイヤレバーを使わずにタイヤ内部に入れる
・折り目やねじれがないことを確認する
・空気を入れるときはゆっくり膨らませる(コンプレッサーなどの使用厳禁)

ハルヒルに向けて

このTPUチューブを選んだのはもちろんヒルクライムでの飛び道具として使いたくて買ってきた。
ハルヒルに向けてタイヤはクリンチャータイヤとしては最速クラスのミシュランのPower TTと合わせて選択した

めちゃくちゃ軽くて耐久性未知数なVeloflexのRecordはさておき、自分的にはチューブレスならVittoriaのCorsa Speed、クリンチャーならPower TTがいいかなーと個人的には思う。

引用:https://www.aero-coach.co.uk/time-trial-rolling-resistance-data
引用:https://www.bicyclerollingresistance.com/specials/tpu-inner-tubes

感想

最初、直径に対してかなり小さかったのでチューブを傷めないように慎重に伸ばしながら頑張って入れた。

実走後インプレ

1,乗り心地的には特にラテックスとの違いを体感できなかった
ハルヒルに関しては雨だったので当初使う予定だった25cの決戦用タイヤから28cの無難なタイヤに変更したので28cの乗り心地の良さもあり特に乗り心地の変化を体感できなかったので、これに関しては今後も様子を見ていこうかと思う。

2,軽さも特に体感できなかった
自分が鈍いのか、特に劇的に軽くなったことを実感できなかったので自分的には1本4000円かけて55g軽量化する合理性を体感できなかった。

3,不安要素
バルブ軸が樹脂製なのでそのうちポッキリいかないかとかちょっと不安だし、そのへんの「大丈夫なんだろうけど、なんか嫌」なところを考慮するとラテックスチューブの方が安いし、ラテックスで良くないか?と思った

4,バルブ長の選択肢のなさ
Vittoriaの場合は60mmしか売られていなく、60mmハイトのホイールには自分でバルブエクステンダーを付ける必要があるので、他メーカーのようにバルブ長選択肢があったらいいなと思った。

5,価格が高い
例えば、ハンドルバーやステムやサドルは5万円払って買って軽量化したとしても落車で壊したりしなければ割りと長い期間使うことができるが、TPUチューブはパンクでだめになったり、一度伸びると寸法が戻らないことから買ってからそこまでずっと使えるというわけでもないので消耗品なパーツでの軽量化は金額に対して使える期間を考えたときにコスパ悪いなと感じた。
例えば、フレームやホイールなら落車なく丁寧に使えば、買い替えた時に売却していくらか回収することができるが、タイヤやチューブ類で高いのはそのへんのリセールバリューが実質存在しなくて使い捨てなのが辛い。

軽量化はある種宗教のようなもので、実際に体感できるかは色々議論があるかなと思います。
例えば、フレームやハンドル、ホイールの変更では重量そのものは体感しづらくても、最新のエアロロードは乗れば明らかに空力の良さを感じるし、見た目も変わるので見た目的な満足感もあるし、実際に走ってて乗り心地や剛性感の違いを体感できたりと、ある程度の違いを体感しやすいですが、チューブに関しては違いをいまいち感じにくいなと自分は思いました。
タイヤは乗り心地とかグリップが変わってくるのでタイヤ変えるのは自分は好きで色々試してますけど、チューブに関しては自分は体感できないなと思いました。

6,伸びると戻らない(戻りづらい?)

TPUチューブに感じて一般的に言われてる伸びると戻らないと言われてるが、1週間経って、ハルヒル直前にタイヤ交換してもリムの直径より少し小さかったので多少の伸縮性はあるのかなと思った。もちろん、1週間だから多少戻ったけど、半年間入れ続けたら伸び切るかもしれないし、長期的なことはわからないが。
逆に言えば、伸びたとしてもそれより太いタイヤに対してはさらに伸ばすだけなので使いまわせるので、決戦用で使い終わったら練習で28cとかに常用して消化するってのはアリだと思う。それにしても高いが。

7,空気圧の低下はラテックスチューブよりは穏やか
まだ正確に空気圧の変動を測定できていないけど、ハルヒル1週間前の日曜日にセットアップして空気入れたTPUチューブはしっかりカチカチだったので、ほとんど空気圧は低下していないのではないかと思った。(そのうち、暇なときに空気圧の推移測定してみます)

良いところ

・重量的に軽い
・海外の実験では転がり抵抗的にラテックスチューブとほぼ大差ない

引用:https://www.bicyclerollingresistance.com/specials/tpu-inner-tubes

悪いところ

・価格が高い(1本4000円くらい)
・バルブ長が60mmで50mmハイトにはちょうどいいが、60mmハイトには扱いにくい
・バルブ軸が樹脂製なのでネジの耐久性も心配だし、あんまりバルブコアの着脱とか自分でやりたくないので60mmハイトのRapide CLXとかへの使用は悩む
・バルブ長80mmも出してほしい
・今のところ耐久性は未知数(パンクするまで分からないのと、パンク耐性はタイヤに依存するところもあるので)
・一般的に言われることとして、TPUチューブは一度膨らませると元のサイズに戻らないので再利用が難しい場合もあると考えられる

現在、中華メーカーのTPUチューブはAmazonでも1本2000円くらいから販売されており、グロータックからも1750円で販売されることが発表され、今後TPUチューブは更に普及していくことが予想されるので、1本4000円するビットリアのTPUチューブがどのような価値を提供できるのか気になるところではある。

シメ

違いを体感しづらいとか、繊細でめんどくさいとか、金額が高いとか色々文句行ってきましたけど、逆に言えば4000円くらいで55gも軽くできるので軽量化に行き詰まった軽量マニアの人は買う価値があると思うし、何十万もするフレームやホイールではないので気軽に試して効果が体感できなくてバカバカしいパーツだなって結論に自分の中で至ったとして少ない金額的なダメージなので、気になったら1本買ってみるというのもアリかなと思います。
グロータックが取り扱っているMAGENEブランドのTPUチューブや、Amazonやアリエクで売られている2000円くらいのTPUチューブで試してみるのも良いかもしれませんし、カーボンパーツほど高いわけでもないので試してみても悪くないかなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?