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藁半紙ノスタルジー

学校からのお便り。

いまだに藁半紙でノスタルジックな匂いを感じる毎日です。

私の娘の学校では、以下のようなお便りがそれぞれに月1ぐらいのペースで配布されます。

・学校だより
・学年だより
・保健だより
・給食だより
・地域のお便り
・PTA便り
・防災通信

それと、地域の不審者情報や災害など重要なものも同じように配布されます。
他、学校のブログ、メール配信、まなびポケットというアプリのサービスでの、校長先生や、担任の先生からのメッセージも受信します。

どう思いますか?

これ、子供育てながら、お仕事しながら、全部把握し、
・内容把握だけで良いもの
・対応が必要なもの
・参加不参加の回答などのレスが必要なもの
・いついつまでに用意して持たせるという特殊な持ち物
・これまでの対応からの変更
・集金

それぞれに違う対応をしなくてはいけません。

企業ならとっくに客離れです。。。

内容が把握しきれずに、質問をしようものなら、
「○月○日に配布している△△便りに書いてありますので確認してください」
と、ドヤ顔で連絡帳に書かれてしまいます。

17年前、長女が小学校に上がった際の、一番最初の保護者懇談会で、担任の先生から、
「お便りがたくさんあって大変かも知れませんが、必要な情報はどこかに必ず書いてありますので、隅々まで読んで下さい。」
と言われたことが今でも印象に残っています。

しかし、そうは言わないながらも、17年後の令和2年も、やはり同じ対応を求めている事がとても、「らしさ」を感じさせます。

そもそも17年前は、ひとり1台、仕事でパソコンを使うという世の中ではありませんでした。専用端末がそれぞれの「職」に1台あてがわれているような時代から、やっと家庭にパソコンがあるかないかの時代です。
連絡網はもちろん固定電話、PTAの役員も、「パソコンが家にある人」がひとりは必要などと言っている時代で、先生が作る「お便り」はもっぱらワープロでした。

そんな時代なら、それぞれの連絡ごとに刊行するのも分かります。
文章のコピペが困難だからです。

しかし、今はどうでしょう。

校長先生の挨拶ならメールなどで各学年の担当に文面を送信しコピペしてもらえば良いですし、保健、給食(献立は除いたとしても)その他の連絡事項など、新聞のようにコマを割り振って文面だけコピペすれば良いのです。
(献立表はブログで良いですし、PDFのメール配信でも十分、むしろ出先で確認出来るのでなお良しです。)


そうする事で、それぞれの学年に合った情報配信が出来るので、他の学年の集金の内訳など、いらない情報を見なくてすみます。「自分が該当するイベントなのか?」を悩んだり、質問したりせずに済むのです。

このように世の中が変わっても、「井の中の公教育」は何の影響も受けません。
なぜなら保護者は契約顧客(6年で必ず契約終了)なので、保護者側も、自分が6年間我慢してやり過ごせばいいや、そういうものだ・・・と思ってしまいがちなのです。
「クレームと受け取られて子供が不利益な扱いを受けたらどうしよう」
などと不安にもなります。
それに、そもそも学校がどこまでを「学校教育の範疇」として指導するつもりなのか?
を、入学前にきちんと線引きをしてくれていないことも原因です。
教育指導要領というものがありますが、これは保護者と学校と子供たちの、いわば「受講ルール」のようなものです。本来であれば、契約書のようなものなので、「お互いに内容を理解、把握していなければならないもの」だと思います。


保護者が自分の親から、「ママの時もそうだったわよ〜」と聞いたら、共感してもらえたなどと思わず、「その時に何でもっと学校にプッシュしてくれなかったのよ!」と腹を立てないといけません。そのおかげで自分が苦労してるわけなので。

物理的に難しい部分はさておき、現代のツールを使って改善できるところがあれば、それは自分の子供が要らぬ苦労をする前に、公教育の思考停止を少しでも改めてもらえるように働きかけをしましょう。もしかしたら、何か本当にやむを得ない事情があるかも知れません。それを理解し協力することもまたお互いのストレスを無くす大切な手段なのです。

私はその活動の、ほんの一助のためにこのnoteを始めました。
ここに書いて、当時の保護者の気持ちを形に残すためです。
自分の子供が成長し、小学生の保護者になったときに、もしも公教育が何も変わっていなかったとしても、自分はこんな考えを持ち、学校に働きかけをしていたという足跡を残しておきたいと思ったからです。

なのでこれを読んだみなさんがもし共感出来ましたら、まずは学校に質問を投げかけていただきたいのです。
「なぜその手段をとっているのですか?」と。

たくさんの質問や要望を受けるようにならないと、学校は自らは変化しません。
例えば、私の住む自治体の小学校の中で、同じ市内なのに、教材費の集金が、銀行引き落としの小学校と、いまだに集金袋で集金をする学校の両者が混在しています。おそらくそれは、保護者が強く引き落としを求め、根気よく要望を出し続けた結果だと思います。オンライン授業も、同じ東京都の公立小学校でも、実際に活用している学校と、そうでない学校があるのです。学校にどの程度の決定権があるのかはわかりませんが、そうした一人ひとりの発言が、少しずつ世の中を動かしていることは確かです。

藁半紙のお便りを見て、「懐かしい」と匂いをかいでいる場合ではないと、考えを改めた今日この頃です。


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