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『人生の大切なことをゲームから学ぶ展』の技術的なおはなし

たきコーポレーション[ ZERO ]のインタラクティブコンテンツ制作を専門に行うチーム「テックラボ」で、テクニカルディレクターをしている高城の記事です。

今回はGOOD DESIGN MARUNOUCHIで2024年3月15日(金)から4月14日(金)まで開催されている『人生の大切なことをゲームから学ぶ展』でのテクニカルディレクションのお話をします。

1.制作進行について

今回の企画展、
メインコンテンツは8つの学びを体験できるプレイアブルなゲームの展示になります。
この企画展の実施が決まったのが2023年の11月で、詳細企画としてゲーム仕様を検討し終えたのが12月だったため、開発期間がかなり短い状況でした。

実際に開発が始まるまでの間に下記のことを行い実際の開発の準備を行いました。

  • Backlogを使ってロードマップを引く(タスクの分類)

  • 機材の選定や協力エンジニアの方との打ち合わせ(今回おぎわらさんにお願いしました)

  • ゲーセン視察

  • Unityプロジェクトのテンプレート作成

  • デザイナーへのデザイン仕様のインプット(解像度やマップチップのことなど)

視察のため高田馬場ゲーセン ミカドへ

2.機材選定

・ゲームを動かすPC
今回の展示で難しかったのがPCのスペックです。普段だとNVIDIA製のグラボを搭載したPCの中から、予算内でなるべく高スペックなものを選んでいくのですが、今回のコンテンツはドット絵のゲームのため高スペックマシンは不要です。

そこで、なるべく安く入手できる、ゲームが快適に作動するグラボを積んだPCを探しますがNVIDIA以外のグラボのベンチマークは今まであまり触れてきませんでした。

そこで役に立ったのが海外のYouTuberがアップしている、様々なグラボのベンチマークテストです。
色々見ていき、3Dのゲームがそこそこ動くくらいのグラボに検討をつけ、なるべく価格の低いものを選定しました。

・アーケードコントローラー
ゲームの筐体はアーケードゲームを意識しています。

ゲーム筐体

そのアーケードゲーム筐体に合うコントローラーの検討をつけ、ボタンとレバーの換装を行い動作チェックをしました。
今までアケコンを使ったことが無かったので中の構造が分かり、なかなか楽しかったです。(8台は大変ですが。。)

ボタンとレバーを換装したアケコン

3.ゲーム開発ディレクション

レトロなアーケードゲームのように開発をするにあたり、下記の記事などを参考にプロジェクトのテンプレートを作成して、プログラマーに配布しました。

またRTCディスプレイのようなしずるを出すために、走査線のShaderやVignetのポストエフェクトを加えるなどもしました。

Unityの開発画面

4.アーケード筐体のフィジビリティーチェック

アーケード筐体は段ボール製です。
持ち運びや組み立てやすさ、また環境に配慮しています。

この段ボール製の筐体の耐久性や、配線しやすさ、PCの排熱性等、長期間の展示に耐えうるかどうかのフィジビリティーチェックも行いました。

段ボール製筐体の組み立ての様子

5.実装

テクニカルディレクションをしながら自身でも2つのゲームと、自分の顔がドット絵になって印刷できるシールマシンも作りました。
過去、1か月に1つミニゲームを作ったり、今でも子供とゲームをするなどゲームは大好きなので開発はとても有意義でした。

シールマシン

最後に

自社で企画した展示をする機会は今まであまりなかったので、貴重な経験ができました。
会場で来場者の方々の笑顔や夢中になってゲームをしている姿を見ると、ゲームは人生の大切なことを教えてくれるんだなと思えます。