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【アメリカ留学#13】苦労をしにアメリカへ留学した

こんにちは。早川琢也です。

何事も時間が経つと、初心を忘れてしまったり始めた当初の気持ちを忘れたりすることがよくあるのではないでしょうか。

私自身、9年半となかなか長期間アメリカに留学していました。

留学を終えて日本に戻ってきて、改めて留学を始めた頃と留学を終える頃を比べると、
やはり色んな意味で「慣れ」が出てきて留学をした頃とは気持ちに変化が出ていたと感じました。

それはある意味自然なのですが、何事も始めた頃の初々しさや勢いみたいなものは、
時間が経って慣れが出てくるような時こそ大事だと思わされます。


この話題は、例によって先日のclubhouseで出てきた物で、
「何で留学しようと思ったのか?」という質問がきっかけでした。

私の答えは

苦労するためにアメリカ留学したい

でした。

恐らく、多くの人はあまり持たないような目的だと思います。

ですので、今回はなぜ留学して苦労したいと思ったのか、
その経緯についてまとめていこうと思います。


実力不足を実感した大学院時代

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日本の大学・大学院で、ずっとスポーツ心理学を勉強して、
中学校の部活動を中心にメンタルトレーニングを教える活動をしていました。

同じ頃、多くの先輩・同期・後輩も精力的にあらゆるチームや選手に対して、
メンタルトレーニングコーチとして活動をしていました。

周りを見渡すと私よりも優秀な人が多く、
遠方から講演依頼をもらっていたりプロ選手のサポートを任される人もいました。

プロや高い競技レベルの選手に関わる事が、必ずしもメンタルトレーニングコーチの優秀さを表すものではありませんし、
中学高校や育成年代の選手に関わることも意義のあるサポートであることは間違いありません。

ですが、若かりし頃はプロの世界への憧れが強く、
トップレベルの選手と関われる事は自分の「ステータス」と思っていました。
(今に思えば選手に対して失礼な話です)

それに、豊富な専門性や選手が心地よいと感じられるコミュニケーションなど、
選手の課題や問題を解決出来るだけの知識や方法を実践出来るからこそ、
責任ある仕事が任せられるのは間違いありません。

こんな思いもあり、私がこの先スポーツ心理学の世界で生きていくには、明らかに色々な物が不足していると痛感していました。

このようなことを大学院2年目の進路を決める時期に考えていました。



先輩に相談して一気に自分の思考が整理された

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ある日、この進路の悩みを1つ上の先輩に相談した事がありました。

私「先輩、今進路どうしようか悩んでるんです。」
先「早川は何がしたいの?」
私「そうですね、、、スポーツ心理学は好きなのでこの先もスポーツ心理学に携わりたいですし、、、博士課程にも興味あります。あと、海外留学とかもしたいと思ってますね。。。」
先「じゃあ、アメリカに留学して博士課程に進めばいいじゃん。」
私「?!」

このやりとりは今でもはっきり覚えています。

こうして文字に起こすと答えは自分で言っているのですが、
自分1人で悶々と考えてると気づかないものです。


そこからは早かったです。

留学に必要なお金を概算して留学に必要な物を自分で調べて準備を始めました。

周りに対しても「留学する!」ということを公言し始めたのもこの頃だったと思います。

一度行くと決めてかかれば、あとは実現するために必要なことを粛々と準備していくだけでした。


苦労をするために留学する

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そして準備を進めていく中で、より留学を実りある経験にするためにも、
自分が留学をする目的や意義を考えるようになりました。

もちろん、英語力は身につけたい。
それ以外にも、いくからには博士課程を取得したい。
身につけた英語を使って、英語を第一言語にしている選手にもサポートできるようになりたい。
その後、アメリカの大学で仕事も出来たらいいなぁ。

こんな感じで、留学で達成したいことはあれこれ考えました。


ですが、これらを達成したいという思いよりも、
もっと人として成長したいという気持ちもありました。

その為には、日本とは違う環境に身を置いて、
もっと自分自身に大変な思いや苦労を体験できるような経験が必要だと思うようになりました。

もちろん、日本でも成長できる環境はありますし日本にいても大変な事や苦労することは多々あります。

ですが、人として、スポーツ心理学の専門家として、これから何十年と生きていく為には、
周りと同じことをしていてはダメだと感じました。

6年間一緒に勉強した仲間たちと同じ環境にいた結果これだけ遅れを取ったのであれば、
この先同じように日本にいてもこの関係はきっと変わらないような気はしていました。

自分自身の努力と工夫で切り拓く道ももちろんありました。

ですが、私の場合は環境の力を借りることにしました。


苦労は甘んじて受け入れる。

それは自分を成長する為に必要な機会であり、苦労を通して人としてもっと成長したい。

そんな思いを持って留学する道を選びました。


苦労だらけの留学生活

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留学する前の目論見通り(?)、
留学中は多くの苦労や日本ではなかなか味わわないようなトラブルなどにも直面しました。

特に、国や文化の違いによる考え方の違いや仕事や勉強に対する姿勢の違いなど、
日本とは異なることを数多く経験できた事は、
自分の考え方を変えるきっかけになったり、行動を改めるきっかけになりました。

留学していれば、色々と不便な事もありました。

ですが、それを求めて海を渡ったわけですから、
苦労や不便はありきで日常は過ごしていました。

その都度どうやって対処していけばいいかを考えて、
似たようなトラブルに直面した時には過去の経験を参考に解決して、
その後似たような場面に出くわしそうな事があらかじめ分かっている時は、
先回りして準備しておいたり、織り込み済みだと構えておく。

もし、人として何か成長出来たかを聞かれた時には

自分が思った通りにいかない前提で物事を構えていられるようになった

を挙げると思います。

早く返信が欲しいと思っても、自分が思ったタイミングでメールの返信をもらえない事なんてほとんどないですし、
突然予定していた事が変わるのなんて、日常茶飯事です。

ですが、それが織り込み済みになると、「そんな事が起きるかもしれない」と先回りして考えることもできますし、
「手続きに時間がかかりそうだから、早めに手を打っておいた方がいいかな」と早めに動きやすくもなります。

そもそも、自分の思った通りに事が進まないと、上手くいかないことに対してストレスを感じていまいます。

ですが、上手くいかない時のプランBを常に用意しておくと、
結果としてその時の最善を尽くすことは出来ます。

もちろん、プランAが実現する為にベストは尽くします。

ですが、物事は続いていくことを考えると、
個人的には「理想的な道をどれだけ進めるか」よりも、
「その時々の最善を尽くせるかどうか」の方が大切だと感じています。


何のために留学するのか?

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留学をする目的やどんな体験をしたいかは人それぞれですし、
私の考え方を強要するつもりは全くありません。

ただ、今後留学を計画している人やいま現在留学している人に役立ててもらえそうな考え方はあるかもしれません。

あえて一つ個人的に大事だと思うことを挙げるとすると、

留学という経験を通して、自分自身をどう成長させて、
どんな将来に役立つ力を身につけたいか?

ここだけ明確にしておけば、得るものが多い留学生活を送れるのではないかな、と思ってます。


と、これだけ「留学は大変」と言ってますが、
トータルで見た時に留学そのものは充実していましたし、苦労の中にも楽しい経験もたくさんありました。

留学は、外から日本を見たり、違った文化に触れたり、日本ではなかなか出会えないような人たちに会えたりなど、
知識だけでは補えない、実際の体験を通して得られる学びの機会にあふれています。

以前と比べて少しずつ留学の間口が開き始めている様子ですし、
一歩日本の外に出ていろんな経験をしてみる事を考えてみてはどうでしょうか?


早川


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