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大前研一 名言集 『50代からの選択』(6)

『50代からの選択』(6)

 私は6月末(2022年)で67歳になります。前期高齢者です。
その意味で、このタイトルの本は自分の半生を振り返る機会を与えてくれた本ですし、後半生を生き抜いていくためのよすがともなりました。

 「人生とは何ぞや」をご一緒に考えてみませんか。


  
 『50代からの選択』(初版 2004年11月10日 集英社)は、<ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか>というサブタイトルが示すように、自分の人生を真剣に考えるきっかけを与えてくれます。50代のかただけではなく、実は20代、30代、40代のかたにも読んでいただきたい本です。

 

リセットするということは、それまでのことについては敗北を認めるということである


リセットするということは、それまでのことについては敗北を認めるということである。負けました、ここまででおしまいにします、と、一度メモリーを全部クリアにする、ゼロにするを英語ではunlearnというのだが、頭をからにしちゃう。そうすると、次にくる新しいものをスーッと吸収できる状態になる。つまり、リセットは次に新しいことに取り組むために欠かせないステップというわけだ。

『50代からの選択』 大前研一の名言 1 〈202〉       


今、35歳を過ぎても親と同居しているパラサイトシングルが、三分の一を占めるという


今、35歳を過ぎても親と同居しているパラサイトシングルが、三分の一を占めるという。親元に住んで、金のある親のすねをかじり続け、いつまでも親に生活の面倒を見てもらっているこの人たちにとっては、年金制度改革など切実な問題ではない。

『50代からの選択』 大前研一の名言 2 〈203〉      







日本では投票率と年齢が連動し、65歳の人の65%は投票所に行くが25歳は25%しか足を運ばない


僕はクーデターを起こすのではなく民主主義のもとで戦う限り、つまり選挙で決める限り、年寄りが勝つと思う。なぜなら、先に述べたように日本では投票率と年齢が連動し、65歳の人の65%は投票所に行くが25歳は25%しか足を運ばない。年代別の有権者数に投票率を掛け合わせると、既得権者である年寄りが圧倒的なマジョリティとなるからだ。

               『50代からの選択』 大前研一の名言 3 〈204〉                                                      



➳ 編集後記

『50代からの選択』(初版 2004年11月10日 集英社)は、<ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか>というサブタイトルが示すように、自分の人生を真剣に考えるきっかけを与えてくれます。50代のかただけではなく、実は20代、30代、40代のかたにも読んでいただきたい本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 「リセットするということは、それまでのことについては敗北を認めるということである」

リセットは簡単にできそうで、なかなかできません。
その理由は、「敗北を認める」ことが容易ではないからです。
プライドが許さないのです。

そんなプライドなど大したことはないのですが。

言い換えると、「敗北を認める」ことを躊躇なくできる人は、
立ち直るのが速く、復活できる人です。チャレンジングな人です。

今まで敗北したことがなかったような大前氏が、1995年の
東京都知事選挙で、一切選挙運動をしなかった青島幸男氏に敗北
しました。

敗北を認めたのです。経営コンサルタントとして、ビジネスの世界
では負けなしだった大前氏が、有権者の心情を掴み取ることが
できなかったのです。

日本の現状を具体的な数字で示しても、有権者の心に響かなかった
のです。

その後、政治の世界で活躍することをきっぱり諦めたことは立派です。
切り替えの速さは大切です。



大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。



🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-03-26 11:12 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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