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大前研一 名言集 『質問する力』(6)

『質問する力』(6)

 『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

 今でこそ「質問力」をテーマにする本はかなりありますが、19年前に出版された本書はこのテーマの最初の本と言えるかもしれません。

 

誰もが今までのやり方に疑問を持たず、質問しなければ、いつまでも明治時代と同じ方式で勉強することになります


今は道なき道を国も個人も見つけていかなければならない時代になりました。模倣ではもう駄目なのです。
誰もが今までのやり方に疑問を持たず、質問しなければ、いつまでも明治時代と同じ方式で勉強することになります。そして社会に出て初めて、それが役に立たないことに気がついて愕然とすることになります。

『質問する力』 大前研一の名言 1 〈172〉


政治にせよ経済にせよ、突出した発想を持った異色の人材が、日本には決定的に不足しています


みなさんも考えてみてください。今の日本に必要で、もっともかけている人材は何でしょうか?
私の答えは「異才」です。
政治にせよ経済にせよ、突出した発想を持った異色の人材が、日本には決定的に不足しています

『質問する力』 大前研一の名言 2 〈173〉


これからの情報化社会においては、数人の突出した才能の持ち主がイノベーション(技術革新)を起こし、新しい流れを作ってゆきます


これからの情報化社会においては、数人の突出した才能の持ち主がイノベーション(技術革新)を起こし、新しい流れを作ってゆきます。我々の多くがウィンドウズを使っているように、ほとんどの人間は一握りの異色な人間が起こしたイノベーションの受益者となるのです。

『質問する力』 大前研一の名言 3 〈174〉



➳ 編集後記

『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 「突出した発想を持った異色の人材が、日本には決定的に不足しています」とか「数人の突出した才能の持ち主がイノベーション(技術革新)を起こし、新しい流れを作ってゆきます」という大前氏の指摘は、誰もが納得できるのではないでしょうか?

しかも、こうした指摘が、2003年に出版された本書に掲載されていることに意義があります。

GAFAM(Google = Alphabet、Apple、Facebook = Meta Platforms、Amazon、Microsoft)の設立年月日と創業者をご覧ください。

Google   1998年9月4日  ラリー・ペイジ セルゲイ・ブリン
Apple     1976年4月1日  スティーブ・ジョブズ スティーブ・ウォズ
               ニアック
Facebook  2004年2月4日  マーク・ザッカーバーグ
Amazon    1994年7月5日  ジェフ・ベゾス
Microsoft  1975年4月4日  ビル・ゲイツ ポール・アレン    

AppleとMicrosoftを除いて、2003年に近いことが分かりますね。しかも、どの創業者も世界的によく知られた人物たちです。

まさに「突出した才能の持ち主」ばかりです。

日本には、こうした人物が現れないのが残念です。
土壌が違うからなのか、創業時に国が経済的支援をするかないかの違いなのでしょうか?

最近、ネットで、あるコマーシャルを見ました。
米国と日本の違いは次のようなことにあると指摘していました(概要)。
米国は、
① 最先端技術は軍事目的に使われること。
② 世界最高峰の技術力を持つ企業に対し、経済的支援をしていること。
③ 米国に対し攻撃してくる国があっても、対抗できること。
④ それらの企業の製品を使っている他国や他企業の情報を把握できる
  こと。
⑤ CEOなどのトップは自社株を保有していることが多く(ストック
  オプションを含む)、自社株が上昇すれば自分の報酬が増えるだけで
  なく、株主からも株価上昇を求められていて、企業価値を高めること
  が責務であることを十分に理解していること。

日本は、①~⑤のすべてに該当しないという指摘でした。
まったくその通りで、反論できませんね。


大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-27 11:21 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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