大前研一 名言集 『質問する力』(7)
『質問する力』(7)
『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。
今でこそ「質問力」をテーマにする本はかなりありますが、19年前に出版された本書はこのテーマの最初の本と言えるかもしれません。
心配なのは、思考力などの能力が低下しているように感じることです
まずは本当に理解しているかどうか、つねに点検してみることです。
そして、少しでも分からないところや疑問点があればとことんつきつめるということです
「A=BかつB=Cであれば、A=Cである」という三段論法は、演繹とも呼ばれ、二千三百年前のアリストテレスが確立した論理思考の技術です。それは算数と同じく、世界共通の言語なのです
➳ 編集後記
『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 「『A=BかつB=Cであれば、A=Cである』という三段論法は論理思考の技術で算数と同じく、世界共通の言語」であると指摘しています。
つまり、ロジックは世界共通の言語であると言っています。
私を含め、一般の日本人はロジックに則った考え方や説明が苦手です。
情緒的というと、他人が言ったことに対し「分かる、分かる」「腑に落ちる」という表現であり、深く考えずに話してしまうことがあります。
さらに、結論を最後に言うのが日本流とするなら、結論を先に言うが欧米流といえるでしょう。
日本では、論理的に考え、発言すると理屈っぽい奴という評価を受けがちです。
「日本語で考える」という軸があり、その対抗軸として「英語で考える」ということがあるとします。
日本語で考え、それを英訳して伝えても、言葉の上では伝わっても、英語が母国語の人(ネイティブスピーカー)には十分に理解できないということが起こります。その原因は、そこに欧米流のロジックが存在していないためです。そうした状況がしばしばあります。
もちろん、日本人にも論理的思考はありますが、日本人による日本語の論理であり、欧米人による英語の論理とは異なります。
大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-27 11:23 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。