日経ビジネスの特集記事 63
規制サバイバル 厳格化する世界を攻略せよ 2023.01.30 3/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
CONTENTS
PROLOGUE 覇権国の規制に揺れる日本
PART 1 各国で“見えないルール”も避ける時代 経済安保、企業活動に網 海外規制の「域外適用」も
PART 2 黙って従うか、抗って変えるか 成長競争に出遅れる 現場に広がる焦燥感
PART 3 ルールと戦う企業が見る景色 規制の最前線に立ち 道を開く企業家の志
EPILOGUE 企業よ、泥を被る苦痛に備えよ
第3回は
PART 3 ルールと戦う企業が見る景色 規制の最前線に立ち 道を開く企業家の志
EPILOGUE 企業よ、泥を被る苦痛に備えよ
を取り上げます。
弱肉強食の世界で一定の規律を保つため設けられる規制。それは強きを制限する“鎖”であり、弱きを守る“傘”でもある。自由競争を是としてきた戦後の国際秩序は、対立する大国の思惑に左右されて、新たな規制の網に覆われつつある。規制を使いこなせばゲームチェンジャーにさえなれるのだ。
PART 3 ルールと戦う企業が見る景色 規制の最前線に立ち 道を開く企業家の志
楽天グループ(医療・通信)
「トップ外交」が新たな扉をこじ開ける
楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、父親が膵臓がんと診断され、国内外を飛び回り治療法を探したそうです。
行動が速いですね。
問題は「光免疫療法」の製造承認です。
通常の手続きでは年数がかかってしまいます。
その結果___。
ロビー活動
伝家の宝刀というよりも奥の手を使ったとも言えますね。
楽天グループの喫緊の課題
Luup(電動キックボード)
関係者を巻き込み“異物”の認知を広げる
電動キックボードは新たな移動手段として期待されています。
ですが、安全性や法改正に対する認識がまだ不十分であると思っています。
電動キックボードの法整備が早く進んだ2つのポイント
事故が多発するリスク
事故や違反をいかに防ぐか
解決すべき課題はまだありますね。
自転車と歩行者の問題もまだ未解決です。自転車専用道路が整備されている地域は限られているため、歩道を走る自転車が絶えません。
自転車は軽車両ですから車道を走らなくてはなりません。車道に車が停止していて、走行が困難な場合などでは歩道を走ることは認められています。
猛スピードで後方から走ってきた自転車に、歩行者が恐怖を感じた経験は一度や二度ではないはずです。
私も恐怖体験をしました。歩道を歩いていた時、後方から猛スピードで横をすり抜けていったのです。幸い、ショルダーバッグにハンドルが当たっただけですみましたが、身体に衝突したら大怪我をすることもあり得ました。
電動キックボードは車道を走ることが義務付けられているようですが、自転車と同様な事態にならないとは誰も言えないでしょう。
UPDATER(新電力)
「規制後」こそ正念場、独自路線で乗り越える
新電力に関係する事柄として必ず出てくるのは太陽光発電です。売電も関わることでしょう。売電価格は低下傾向にあります。
AIを活用した予測技術を活用し、固定価格で電力を購入する例
撤退した新電力会社は7倍に膨らんだ
新電力で稼ごうと目論んだ企業の多くは、目論見が外れ、撤退を余儀なくされました。
Seibii(自動車整備)
現場の不満を力に変えて業界変革起こす
Seibiiとは?
自動車整備業界にも理不尽な規制が存在します。法制化されたのが半世紀以上前であっても、規制撤廃や規制緩和が進んでいない実態が明らかになっています。
約70年も経てば、車の性能だけでなく、部品の改良もされ、整備士の技術向上は目覚ましかったはずです。
まだ十分に普及しているとは言い難いですが、EV(電気自動車)は部品点数が大幅に減少しています。エンジンではなく、モーターに変わるだけで部品点数が減るだけでなく、整備士の作業時間も減ることでしょう。
定期点検や車検も点検項目が変わり、コンピュータ診断も大きく異なっていると推測できます。
自動車整備業界も人で不足が深刻化しています。その主な理由は、厳しい職場環境と低い給与だそうです。
自動車整備業界の実態
セイビーが整備士の待遇を改善
実は大規模な自動車整備事業の市場
EPILOGUE 企業よ、泥を被る苦痛に備えよ
ここからはお2人の識者の意見をご紹介します。
1人は、メディアでよく見かける早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏です。もう1人は、規制改革推進会議議長の大槻奈那氏です。
早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏
どうでもいい規制が多すぎる
「日本企業には、ルールの隙間を狙って有利な陣地をつくる泥臭さが足りない」
規制改革推進会議議長の大槻奈那氏
政府支出が経済に与える影響は低下している
「ゼロリスク志向を捨て、イノベーターのために席を譲るよう大企業に促せるか」
🔴日経ビジネスは最後に次のように述べています。
生き馬の目を抜くような世界で、日本だけがぬるま湯に漬かり続けることはできない
🔷編集後記
私は規制には3種類あると考えています。1つ目は官製規制、2つ目は業界規制そして3つ目は企業内規制です。
企業内規制は規制というよりも制約や制限といった方が適切かもしれません。
いずれにせよ、なぜ規制が存在するかと言えば、既得権益を守る側の都合によるものや、今までずっと続いてきているので、敢えて変える必要はないという改革反対派の勢力が強いからと考えています。
不合理であっても撤廃や緩和はしないという姿勢を崩しません。
ただし、日本は昔から外圧に弱く、海外から規制撤廃を要求されると受け入れてしまう傾向があります。国内からの規制撤廃要求は断固としてはねのけるのとは対照的です。
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