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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(28)

『ロウアーミドルの衝撃』(28)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』(発売日 ‏ : ‎ 2006/1/26です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

幸い、日本にはすでに北海道、九州、東北地方、関東地方といった地域区分があるから、それをもとに人口分布や商圏としての特徴、将来性などを重ね合わせて区割りを考えていけばいい


仮に1000万人を1単位とすると、日本は10~12の道州に分けるのが妥当だろう。

道州の区割りの仕方にはさまざまな意見があると思うが、道州がひとつの地域国家として機能するためには、歴史や文化に根ざした地域の一体感が必要である。

幸い、日本にはすでに北海道、九州、東北地方、関東地方といった地域区分があるから、それをもとに人口分布や商圏としての特徴、将来性などを重ね合わせて区割りを考えていけばいい

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈328〉                              



どうしても私がかねてから提案しているような11の「道」の区割りになる


そうすると、どうしても私がかねてから提案しているような11の「道」の区割りになる

北海道、東北道、関東道、首都圏道、北陸道、中部道、関西道、中国道、四国道、九州道、沖縄道である。

ちなみに区割りをすべて「道」と呼ぶのは、日本には古代から大きな地域のまとまりを「道」と呼んできた歴史があるからだ。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈329                             
                                  
         







首都圏道は東京、埼玉、神奈川、千葉からなる地域で、人口3300万人余りと規模が大きいが、首都機能を持つ「特別区」として位置づけるべきだと考えている


首都圏道は東京、埼玉、神奈川、千葉からなる地域で、人口3300万人余りと規模が大きいが、首都機能を持つ「特別区」として位置づけるべきだと考えている

逆に沖縄道は人口が130万人ほどしかなく、ひとつの道にするには規模が小さい。

しかし、古くから独自の歴史と文化を持ち、今後は東シナ海経済圏の中心として繁栄できる可能性が大いにあるので、あえて独立したエリアとして提案したい。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 3 〈330〉                           



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 大前氏が提言する時は、いつもそうですが、明確な基準を定め、その基準を前提にして具体的な数字を用いて行います。

抽象論では、いろいろな解釈ができ、ポイントを収斂させるどころか、拡散させてしまう結果になります。

そして、議論が紛糾し、挙句の果てに何もまとまらず、時間を浪費するだけというお決まりのコースをとります。

大前氏が提示した道州制の議論も、道州制そのものの定義も、政党や政治家個人ごとに異なり、一向に方向性すら出てきていないのが現状です。

自民党と民主党のどちらが政権与党になろうと、その状況に変化はありません。

私が不思議に思うのは、政治家の「勉強会」と称するセミナーについてです。

出席する議員に議論に本気で参加する気があるのか、首を傾げざるをを得ない事実があることです。

そのセミナー講師に大前氏を迎えることは、大いに意義があるのですが、「勉強会」の途中で、議員が一人二人と席を立ち、自分の選挙区へ出掛けることがよくあるそうです

形式的に「勉強会」に出席するだけで、「勉強会」で取り扱うテーマに本気で取り組もうとする姿勢がないのです

そういう議員は最初から出席しないほうがよほどいいと思いますが、いかがでしょうか?


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。




⭐ 参考になるデータをご確認ください。


塾生レポート 政治家に求められているモノとは

このサイトを見てみましょう。
2、学び続ける強さの中に「(3)「朝食勉強会」という学びの場」という目次があります。

これを読んでみますと、次のように書かれています。インターンとして従事した須藤博文氏が述べていることです。

「私が驚いたのは、林議員が主催する政治資金パーティが『朝食勉強会』という形式をとっていることです。

当然お酒が出ることはなく、お弁当を食べて、コーヒーを飲みながら80枚近くの分厚い資料をもとに林議員の話を聞くというスタイルをとっています。

資料の中には、最新事例や具体的な数字を盛り込んだ現状分析から導き出された今後の政策などが詳細に掲げられています

この朝食勉強会は、決して華やかではなく、非常に地味な活動ではありますが、難しい話を分かりやすく、噛み砕き、ポイントをしっかり伝えるという本来政治家に求められる非常に重要な役割を果たしていると感じました」

”政治資金パーティー”と言う個所がちょっと気になりましたが、勉強会に参加し、真摯に勉強に取り組んでいる様子が伺われます。

政治家になっても、こうした勉強会に継続的に参加し、精進してほしいと思いました。
 

⭐出典元: 松下政経塾 政治家に求められているモノとは 2020年8月





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-07-14 20:51:01)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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