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【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第2回】

🔷 今回は、「由美子のプロフィール」を掲載します。 🔷

由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行  
著者   藤巻 隆  
発行所  ブイツーソリューション

✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第2回)✍

 今回から「由美子のプロフィール」を扱いますが、10ページから27ページまであります。省略せずに掲載したいのですが、文字制限がありますので9回前後になると思います。 退屈するようでしたら飛ばしてください。

由美子のプロフィール(1) 

性格

 由美子は、我慢強く、責任感が強く、そして優しい女性です。そして、かわいい女性です。過去ではなく、現在も未来も変わりません。決して弱音を吐かず、頑張り屋です。

 由美子に言ったことがあります。
 「他人ひとと自分を比較してはいけないよ。能力はみな違う。優っている点もあれば、劣っている点もある。だから、他人ひとと自分を比較するのではなく、『過去の自分』と『現在の自分』、『現在の自分』と『未来の自分』を比較するんだ。そして、どれだけ成長したかを確認することが大切なんだよ」  

 もうお分かりかもしれませんが、この言葉は由美子に向けた言葉であると同時に、自分に向けた言葉でもあります。

 「現状維持」で満足している人がいますが、世の中は少しずつ進歩し続けています。そうしますと、「現状維持」は相対的に後退していることになります。ですから、日々、自分なりに努力を続けていかなければなりません。他人ひとに負けないためではなく、自分に負けないためです。  

 「自己満足は死に等しい」と述べた人がいます。米サンマイクロシステムズの創業者、スコット・マクニーリです。現状維持は自己満足していることです。向上心、向学心が欠如しているのです。成長が止まっているのです。

『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』

 私が仕事で悩んでいた時、由美子は自らパートに出てくれました。なかなかできることではありません。パート先では若い人が多かったので、トイレ掃除やゴミ収集といった、他の人が嫌がる仕事を率先して行なっていました。

 由美子が以前働いていたコンビニ(サークルK)の前を通ると、ゴミ箱を片付けている姿が目に浮かびます。  

 病室では、そばにいるだけで何もできない私に「タカシにはタカシの良い所があるのだからいいんだよ」、と自分の病気が進行していることもいとわず、気遣ってくれました。  

 由美子は自分が「末期がん」であることに気づいていたのではないか、と思われます。その理由わけは、由美子がテレビを見ているときに、こう呟いたからです。

 「放っておいたから罰が当たったんだ!」  

 由美子は私に対して、人格を傷つけるような言葉を吐くことや、罵倒することは一切ありませんでした。もちろん、暴力を振るうこともありませんでした。  

 私は暴力に訴えることは最低のことだと思っていましたから、由美子に対して一度も手を振り上げたことはありません。言葉の暴力もありません。

 腕力に任せた暴力は、身体的に傷を負わせますが、言葉の暴力は心に傷を負わせ、治すことが困難になる場合があります。言葉の暴力は、行使した者からは行使された者がどんなに傷ついているか、が見えないところに大きな問題があります。  

 腕力に任せた暴力も言葉の暴力も絶対にしてはいけないことです。夫婦喧嘩はしましたが、大きなトラブルを生むことはなく、すぐに仲直りしました。そんな点からも相性は良かったと思います。

 二人とも品行方正だったとは言えませんが、仲のいい夫婦だったとは言えるでしょう。由美子に出逢えて本当に良かった、と感謝しています。
(PP.10-12)

➳ 編集後記

第2回は由美子の性格を中心に書きました。
今だからこそ言えることがあります。相性が良い悪いは一概に言えませんが、お互いを思いやる気持ちを忘れないようにすることが大切だと思います。夫婦でも親子でも個々人は独立した他人です。そうであれば、考え方や生き方が違うのは当然のことでしょう。自己主張ばかりしていないで、相手の意見に耳を傾ける姿勢が必要です。




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