見出し画像

大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(15)

『即戦力の磨き方』(15)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

それ(進むべき道を発見すること)ができるのは、前例が通用しないところでもひるまず、自分で問いを立て答えが出せる能力を持った個人なのだ

21世紀は見えない大陸だから、おおぜいが古い知識を持ち寄って、あれこれ相談しても、進むべき道など発見できるわけがない。

それができるのは、前例が通用しないところでもひるまず、自分で問いを立て答えが出せる能力を持った個人なのだ

だから企業が生き残れるかどうかは、そういう人間をトップに戴いているか どうかにかかっている。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈379〉                           






                             

基軸通貨であるドルは、アメリカの自国通貨でもあるのだから、必要なら国内で、いくらでも輪転機を回せばいい

アメリカは相手が世界中のどの国であっても、輸入品の支払いはドルで行うし、輸出の際もドル建ての決済が普通だ。

だからアメリカと取引する国は、日頃からドルをせっせと溜め込んでおかなければならないのだ。

ところがアメリカだけはその必要がない。

当たり前だ。基軸通貨であるドルは、アメリカの自国通貨でもあるのだから、必要なら国内で、いくらでも輪転機を回せばいい

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈380〉                             


アメリカは、中国、韓国、EU、日本などの通貨を相対的に為替操縦することによって競争させ、よりよいモノをより安く仕入れることに成功している

アメリカが世界で唯一貿易と縁のない国というのは、こういう理由による。

ドルが高くなれば購買力が高まり、輪転機を余り回さないで済むようになる。

逆にドルが安くなれば、相手国が死に物狂いで生産性を改善して、同じ値段で売ってくれる努力をする。

事実、日本はそのようにして円高でもアメリカ市場を死守してきた。

そしてアメリカは、中国、韓国、EU、日本などの通貨を相対的に為替操縦することによって競争させ、よりよいモノをより安く仕入れることに成功している

その結果、アメリカはプラザ合意後の20年近くにもわたって、インフレを 克服できているのである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈381〉                           


➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 テレビをたまに観ると、円高ドル安、円安ドル高をよく理解できない局アナが、頭が混乱して、ごっちゃにして説明している場面に遭遇することがあります。

輸出の場合でも輸入の場合でも、取引において、ドル建てが基本です。

今、1ドル=100円で、1万ドルの商品を輸入したとします(通関料や輸送費等は考慮しない)。

100円×1万ドル=100万円
これは分かりますね。

では、1ドル=105円ではどうでしょうか?

105円×1万ドル=105万円

1ドルが100円だった時と比べ、105円になって5万円多く支払わなくてはならなくなりました。これが円安ドル高です。

では、今度は1ドル=95円になりました。
どうなるでしょう? 簡単ですね。

95円×1万ドル=95万円

1ドル100円と比較して、5万円少なくてすみました。
これが円高ドル安です。

ところが、輸出になると全く逆のことが起こります。

1ドル=100円から1ドル=105円になると、
105万円と5万円多く受け取れます。

一方、1ドル=95円になると、95万円で5万円受け
取れる金額が少なくなります。

為替は相対(あいたい)通貨ですから、一方が上がれば他方が下がり、一方が下がれば他方が上がるということです。

両方ともに上がることも、両方とも下がることはありません。

主要通貨をそれぞれ1もしくは100として、
対外通貨のレートを小数で表示することがあります。


例えば、下図のようなものです。

外国為替クロスレート 日経電子版 2014.08.14 から            


このレート表によって、自国通貨の相対的価値が分かります。

基軸通貨はドルですから、ドルのまま決済しますが、日本をはじめ各国は、ドルから自国通貨に必ず、変換しなければなりません。

ですから、ドルは有利なのです。

日本人はドルで給与をもらうわけではありませんね。
当然、円です。ドル建てで売った商品代金は、円転(円に転換)しなければならないのです。

🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。


⭐ 参考になるデータをご確認ください。


基軸通貨(きじくつうか)

このウェブサイトを見ると、下記のように定義されています。

国際通貨制度において基軸となる通貨のこと。基軸通貨となるためには、世界中に流通し、国際間の貿易や資本取引に使用される決済通貨であることや各国通貨の価値基準となる通貨であること、通貨価値が安定していることなどが求められる。現在では米ドルを指す

言い換えますと、中国のGDPが世界2位になっても、中国人民元は、現時点では基軸通貨とはならないことはご理解いただけると思います。


外国為替相場チャート表

通貨ごとの簡便なチャート表を確認できます。
米ドル・英ポンド・スイスフラン・ユーロ・豪ドル・NZドル・人民元・
南アフリカランド・トルコリラ以上9通貨のチャートが現状では見られます。





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-14 22:03:08)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。











サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。