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アジアの苦悩 米中激突の最前線   2014.06.09 Vol.82 2/2  2014-06-27 21:44:53

日経ビジネスの特集記事 Vol.82

アジアの苦悩 米中激突の最前線  2014.06.09 Vol.82 2/2  2014-06-27 21:44:53

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>


今週号の特集記事のテーマは

互いを必要としながらも牽制し合う米中二国がパワーゲームを演じる時、その舞台となるアジアには何が起こるのか

ということです。

PART 2 華禍論より「自由の輪」

2014年4月1日から、消費税が従来の5%から8%に税率が変更されました。

個人消費は、消費増税の反動で回復していません。
消費者の選別する目は、一層厳しくなっています。

そうした環境のもとで、バナナは果物の中で最も安い、と私は思います。

消費増税に伴い、便乗値上げしたバナナもありますし、高級バナナもありますが、それでも安価な果物だ、と思っています。

昔は、バナナのブランドは、ドール、チキータ、デルモンテの3つでした。最近では、ドールしか見なくなりました。私だけが気付かないだけかもしれませんが。

バナナの話です。フィリピン産と台湾産がありますが、フィリピン産が圧倒的に多いですね。

フィリピンにとって日本や中国は、バナナの輸出先として極めて重要な存在です。

ところが、近年、異変の萌芽があるそうです。

「日本は成熟市場なので出荷は安定的。期待しているのは需要が伸び続けている中国市場です」。

全土のバナナ農園8万2000ヘクタールのうち50%以上を占める農園経営者28社が加盟するフィリピン生産者・輸出業者協会(PBGEA)のスティーブン・アンティグ事務局長は言う。 

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出荷量ベースでは、どのような比率になっているのでしょうか?

同協会からの出荷量では、日本向けが首位で60%以上、次いで中国向けが12~15%を占める。

ただし成長率の差は歴然としており、日本向けは年1~2%しか伸びていないのに対し、中国向けは年20~30%と急伸している。

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急伸する中国市場への輸出に期待していたPBGEAは、冷水を浴びせられるような出来事に遭遇しました。

2012年3月のことだった。

ダバオ(ミンダナオ島)で積み込まれ、5日ほど海上を運ばれて中国・深セン港に着いた20トンのバナナが中国検疫当局から拒絶された。

「害虫がいる」というのがその理由だった。

以降、2004年から始まった中国向け輸出は急減速してしまった。

2011年には64万トンにまで成長していた。ところがこの中国当局の検疫強化で、2012年には43万トン、2013年には37万トンまで落ち込んだ。

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フィリピンは米国の古くからの同盟国の一つです。
フィリピンは今、米国と中国の板挟みにあっています。

「政治」と「経済」のはざまで、政治的に米国寄りである反面、経済的には中国とのつながりも大切にしたい、という思惑が垣間見えます。

「政治」は米国に近くても、中国の「経済」の恩恵を受けたい――。

フィリピンのその願いを、少なくとも日本は「虫がいい」と笑うことはできない。それこそがまさに日本の基本戦略なのだから。

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下の図表をご覧ください。
アジア諸国は貿易で複雑につながっています。

大枠ではAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インドを除き、大半の国が加盟しています。

ところが、その他に、
TPP(環太平洋経済連携協定)、
RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、
CICA(アジア相互協力信頼醸成措置会議)、
ASEAN(東南アジア諸国連合)、
日中韓FTA(日中韓自由貿易協定)
があります。

各国の思惑が、そのつながりの中で蠢いているように感じます。

この図をよく見ると、TPPを推進したい米国と、RCEPを主導したい中国の、綱引きが行われている様子が、浮かび上がってきます。


アジアの苦悩 米中激突の最前線  2014.06.09


日経ビジネスは、この図表を次のように解説しています。

アジアが中国の影響下に入ることを警戒する米国が、「軍事」だけでなく、「経済」面でも各国との連携を深めようとした結果、提案されたのがTPP(環太平洋経済連携協定)だ。

一方で中国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)が提案するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)という枠組みで経済の一体化を図ることを目指している。これらはともに互いの市場を開放しようという貿易自由化の枠組みであることに変わりはない。

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日本は米国主導のTPPと中国主導のRCEPの双方に参加しています。
米国と中国に板挟みとなった日本の役割は小さくないと思います。

日経ビジネスが指摘する「自由の輪」がいつまで自由で在り続けられるのか、は大きなテーマになってくる、と考えています。

最後に、マハティール・マレーシア元首相へのインタビューの内容を抜粋してお伝えします。


マハティール元首相 インタビュー
時間差の許されぬ世界へ


アジアの苦悩 米中激突の最前線  2014.06.09


マハティール元首相は、中国の脅威は感じながら、米国よりも中国寄りな考え方をしています。

マレーシアは異なる3種の人種が融合して生活しています。中国系は経済的に豊かですが、インド系、マレー系はまだ貧しい。

我々は、貧しい者が豊かになり、富の分配という経済改革の過程にいます。

また、マレーシアの産業は小規模です。

我々は、彼らを守る必要があります。もし我々が国家をオープンにすれば、大規模な産業を持つほかのTPP参加国との競争に勝つことはできないでしょう。

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TPPには中国が含まれていません。

それはつまり、「中国に対抗する」という意味です。

TPPに含まれていない中国はマレーシアにとって、大きな貿易パートナーです。

中国がTPPに参加すれば、参加の必要性がより高まることになると思います。

南米諸国やロシアなども含まれれば、さらに参加の必要性は高まるでしょう。

政治ではなく、貿易なのですから、そこには(地域の)すべての国が含まれなければなりません。

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我々は「対立」を好みません。「競争」は好みます。我々は「中国はそこにいる」という事実を受け入れなければなりません。

中国が巨大な軍事力を築いていると見る人がいるかもしれませんが、豊かになれば当然のことです。

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米中のアジアにおける覇権争いを沈静化させられるのは、日本しかないと思います。

できなければ、日本のアジアにおけるプレゼンスは縮小し続けることでしょう。


🔷編集後記

この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-06-27 21:44:53)のものです。加筆修正してあります。

日経ビジネスのこのオリジナルの記事が公開されてから、今年(2023年)で9年が経ちました。

9年経った今も米中関係は一触即発の状態で、いつ紛争が起きても不思議ではありません。

以下の文章は、とても重要な点だと考えていますので、一部を加筆修正して再度掲載します。

中国は米国に対して直接軍事力を行使するよりも、台湾を侵攻するという手段を取る可能性のほうが高いでしょう。

もしそうなったら、日本は他人事ひとごとと考え、高みの見物をしているわけにはいきません。

対岸の火事ではありません。

台湾と沖縄は地理的に見て、非常に近く存在します。
私自身、中国と台湾、沖縄本島、そして九州(日本)の地理的な位置を確認し、驚きました。イメージで何となく「近いだろうな」と想像していました。

沖縄には米軍基地があります。地政学的観点から日中台のバランスが崩れることは、3国間(台湾は正式に国家と認められていません)だけの問題でなく、アジアの安定にも甚大な影響を及ぼす極めて重要な問題です。

米軍は日本を守るでしょうか? その可能性は低いと言わざるを得ません。
なぜなら、実際問題として、米軍は沖縄の米軍基地とその周辺地域、及び米軍の関係者(家族、労働者等)を守ることが優先されるからです。
ある意味で当然のことです。愛国心を考えれば理解できます。

日米安全保障条約


日米安保の第5条には次のように規定されています。

第五条
 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 外務省

つまり、抽象的なことにしか言及されていないのです。

🔴日米安全保障条約(安保)についてBing AIに質問しました。

⭐私の質問

日米安全保障条約に駐日米軍は、有事の時、日本を守ることが明確に規定されていますか? たぶん規定されていないと思いますが。

🌞Bing AIの回答

日米安全保障条約第5条によれば、各締約国(日米)は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

つまり、日本が武力攻撃を受けた場合、米国は自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することが規定されています。

ただし、「自動的に」とは、米国議会などの承認手続きを経ず、米国政府と日本政府が連携して迅速に我が国の防衛のために対応することを意味します。

詳細情報:

1. globe.asahi.com2. shugiin.go.jp3. mofa.go.jp4. mofa.go.jp


🔴日米安全保障条約(安保)第5条についてBing AIに質問しました。

⭐私の質問

日米安全保障条約第5条について詳しく教えてください。

🌞Bing AIの回答

日米安全保障条約第5条によれば、各締約国(日米)は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

つまり、日本が武力攻撃を受けた場合、米国は自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することが規定されています。

⭐私の質問

必ずしも日本国民を守ると明記していませんね。 台湾有事の際には、沖縄駐留の米軍は中国との衝突が避けられません。 そうであれば、沖縄は戦場となる可能性があります。つまり、日本人も巻き込まれることになります。現場の米軍の指揮官の判断で米軍関係者を優先的に守ることは十分に可能性があると考えられますが、どうでしょうか?

🌞Bing AIの回答

日米安全保障条約第5条によれば、各締約国(日米)は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。 つまり、日本が武力攻撃を受けた場合、米国は自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することが規定されています。

ただし、具体的な対応は状況や米国政府および議会の判断によって異なる可能性があります。 また、現場の米軍指揮官がどのような判断を下すかは予測することができません。

どうしてここまで何度も質問したかといいますと、以前、米軍上層部の人物が「我々には日本国民を守る義務はない」といった発言があったからです。
残念ながら検索してもこの記事は見つかりませんでした。


🔴スマホを使い、Bing AIに質問し、回答を得ました。



🔴地政学についてBing AIに質問しました。

⭐私の質問

地政学について具体例をあげて詳しく教えてください。

🌞Bing AIの回答

地政学とは、国の特性や政策を地理的な要素から研究する学問です。特に地理的な位置関係が国家間の緊張や対立を招く「地政学リスク」は紛争の分析に利用されています。

例えば、中国と台湾、ロシアとウクライナの関係などがその典型として挙げられます。 具体的な例として、2021年8月に米軍の撤退とタリバンによる首都制圧で混乱に陥ったアフガニスタンがあります。

従来より同国はアジアと中東を結ぶ「地政学上の要衝」とされてきました。欧米諸国はテロ組織の拠点となることを防ぐためや、地政学上の要衝を押さえるという理由などを掲げ、アフガンに関わり軍を派遣してきました。

しかし、それが本当にアフガン人たちのためになっていたのかどうかが問われています。

また、中国と台湾の関係は世界の地政学リスクを考える上で外せません。両者の対立は当事者間だけでなく、第三国の内政にも影響を与えています。たとえば2019年に台湾と断交し、中国を公式に承認したソロモン諸島では現政権の決定をめぐり暴動が発生し、周辺国から治安維持の支援のために軍隊が派遣される事態にまで陥りました。

人口65万人のソロモン諸島は、大国間の地政学的な対立に巻き込まれてしまったのです。.

詳細情報:

1. business.nikkei.com2. lifehacker.jp3. studyu.jp4. diamond.jp5. gettyimages.com+1 その他


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