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メコン 2020年、新「世界の工場」へ 2013.5.13 #6 2014-01-12 19:46:07

【『日経ビジネス』の特集記事】 #6  初出 2014-01-12 19:46:07 <バックナンバー>

⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所重要と考えた個所を抜粋しました。

⭐ 当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。

⭐ 1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当しますには、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。

⭐ 一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」「雑誌発行年月日」を表示します。

再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)



2022年5月25日現在、週刊誌『日経ビジネス』を購読していませんが、新たに電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で今年の6月以降に定期購読する予定です。



日経ビジネスの特集記事 #6

メコン 2020年、新「世界の工場」へ 2013.5.13 1/3 2014-01-08 13:24:01

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>

メコン地域とは


東南アジア諸国連合(ASEAN)を構成する10カ国のうち、メコン川の流域に位置するタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの5カ国を指します。

この域内の人口は約2億4006万人で、人件費が安いため製造拠点として注目を集めているそうです。

中国の七重苦を回避せよ


「世界の工場」といえば、中国のことですが、人件費が高騰してきたため、
日系企業は人件費の安い国へ製造拠点を移し出しています。

「脱中国」が顕著になってきた理由は七重苦にある、と日経ビジネスは指摘しています。

日系企業を悩ます七重苦とは次のことを指します。

 1 拡大再生産される反日感情(過去の戦争や尖閣問題)

 2 人件費の高騰(平均賃金が過去10年で4倍以上に高騰。少子化の影響)

 3 労働者が確保できない(一人っ子政策の影響で若年層が急減)

 4 経済成長は鈍化(2013年第1四半期の成長率は7.7%と予想を下回る)

 5 厳しい競争環境(世界最大市場の中国に米欧韓のライバル企業も本格
  参入)

 6 中国本位の政策運営(外資企業に対する優遇措置が次々と廃止 
  2011年から社会保険料を強制徴収)

 7 駐在員のストレス増大(PM2.5などの大気汚染や鳥インフルエンザ流
  など問題山積)



特に注目すべき点があります。

対中投資の6割を占める香港は2012年に中国への投資額を57億2200万ドル
(約5720億円)、割合にして7.4%も減少させたことです。

さらに、台湾の対中投資額は既に2年前から減り始めていることです。
台湾企業の中国に対する投資熱は明らかに冷めてきているということです。

中国にとって「同族」の2地域からも中国離れが進んでいるのが現実です。

中国にとって変わって存在感が増してきたのは、東南アジア諸国連合
(ASEAN)の国々です。

東南アジア屈指の工業国となったタイと、周辺のCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、そしてベトナムの頭文字を取った俗称)を加えたメコン川の流域国です。


理由は4つ

 1 人件費が現在も将来にわたっても安いこと

 2 日系企業にとっての市場が大きいこと

 3 東西南北回廊をはじめとするインフラ整備が進んでいること

 4 域内経済統合による関税撤廃が予定されていること




日経ビジネスの特集記事 #6

メコン 2020年、新「世界の工場」へ 2013.5.13 2/3 2014-01-12 19:59:09

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>

先行企業の決断


今回は、メコン地域に進出している日系企業をご紹介します。

まず、自動車メーカーから。

トヨタ自動車と日産自動車はメコン地域に注力しています。
トヨタ自動車の豊田章男社長は昨年11月、タイ現地法人の50周年式典で「近い将来、タイの生産を年100万台に引き上げる」と宣言しました。

一方、日産自動車は2010年に35万台だったASEAN地域での生産能力を2016年までに70万台への倍増する計画です。

両社がメコン地域での生産を強化するのは、近隣地域での販売が>急増しているからです。

「市場に近い場所で生産する」ということは、製造業の原則でメコン地域が魅力的な「工場」であることを証明していることになります。



次に、デジカメメーカーについて。

現在、コンパクトデジカメの売り上げが激減しているということです。
スマートフォンの急速な普及によって需要を食われたからです。

一方、レンズ交換式の需要は着実に増えているそうです。
一眼レフに加えてミラーレスの人気も高まっていることが追い風になっているのです。

業界2位のニコンはこれまで、初級機から中級機までの一眼レフカメラをタイ工場で生産してきたが、コスト削減のため今年10月にラオス工場に移管するそうです。

タイに比べて人件費が3分の1から4分の1に抑えられるからです。


最後に、アパレルメーカーについて。

ユニクロをはじめアパレルメーカーの中国での生産比率は、まだ圧倒的に高いのが実情です。

中国は長らくアパレル業界の生産基地であったため、「縫製技術の高い技術者が多く、検品精度の高い優良工場も揃っている」
(デロイトトーマツ コンサルティングの矢矧(やはぎ)晴彦パートナー)からです。

しかし、10年スパンで見るとアパレル業界のメコンシフトが大きく進むのは間違いない、と日経ビジネスは見ています。




日経ビジネスの特集記事 #6

メコン 2020年、新「世界の工場」へ 2013.5.13 3/3 2014-01-12 20:11:15

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>

日本製造業のラストリゾート


ASEAN域内だけでも6億人の人口を抱えることはとても魅力的です。

前回、タイが自動車生産の拠点になっていることをご紹介しました。
「とりわけ日系企業にとって最大の利点はメコン地域でライバル企業が少ないこと」です。

タイで自動車生産が始まったのはトヨタ自動車がトラック工場操業した1964年です。それ以来半世紀が経つ今でもタイ資本の自動車メーカーは1社もないのです。

日経ビジネスはミャンマーとの関係に着目しています。
ミャンマーと中国が蜜月であることを大型プロジェクトを通じて、紹介しています。

今年5月末、中国雲南省の昆明とミャンマー西岸にある海底ガス田を結ぶパイプラインが稼働するということです。

さらに、来年には同じルートを通る石油パイプラインも完成する予定だといいます。

総額25億4000万ドル(約2540億円)を投じたこのプロジェクトは軍事政権
時代のミャンマーと中国との蜜月ぶりを象徴するものと言えるでしょう。

韓国の投資は、日本企業の進出が圧倒しているタイを避け、ベトナムに
集中しているそうです。

日経ビジネスは、次のようにまとめています。

歴史的な関わりや文化の違い、日本からの物理的な距離を考えると
日本企業の進出先としてふさわしいのはASEAN、中でもメコンとなる。
メコンの「向こう」に大規模な生産拠点のフロンティアはない。

『日経ビジネス』 メコン 2020年、新「世界の工場」へ 2013.5.13           
               
   


🔷 編集後記

「世界の工場」となったのは中国でしたが、その後、中国の賃金が上昇したため、ベトナムやタイへ生産拠点を移管するケースが増えました。

ベトナムやタイの賃金が上昇すれば、新たな生産拠点を模索することになるでしょう。

アジア諸国は成長著しい地域なので、この中から経済大国が出現する可能性があります。

⭐ 参考データをご覧ください。

メコン地域の現状と将来像

出典元: 経済産業省


少し古いデータですが、メコンの主要国比較がされた論文が見つかりました。pdfで作成されています。

メコン地域の経済回廊について(前篇)

出典元: 日経研月報 2014.6


経済回廊とは

ベトナムからタイ、ミャンマーへと続く経済回廊

出典元: インフラ開発情報局 2021年9月 3日


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