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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(20)

『即戦力の磨き方』(20)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

勉強は「答えのない問いを考えられる回路」を頭のなかにつくる作業である

勉強は試験のためにやるのではない。

新大陸の荒野で生きていく力をつけるためにやるのである。

それは、「答えのない問いを考えられる回路」を頭のなかにつくる作業であると言い換えてもいい。

ただし、受験勉強のようなやり方で、古い知識をいくら詰め込んでも、その回路をつくれないのは、ここまでこの本を読んでくれた人なら、もうおわかりだろう。

むしろ21世紀には、それ以前の古い知識など、少ない方がいいのだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈394〉                           






                             

もし自分が、暗記中心の学校型秀才だとわかっている人は、一度これまでの知識ややり方を「リブート」することをお勧めする

もし自分が、暗記中心の学校型秀才だとわかっている人は、一度これまでの知識ややり方を「リブート」することをお勧めする

リブートというのはコンピュータが不調になったとき、電源を切って再び入れ直す(ブートアップ)というIT用語だが、もともとはカウボーイが、靴を脱いで靴底の石ころを取り除くという意味である。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈395〉                             


ブーツを脱ぐように一気に、それまでの知識や古いフレーム・ワークを一度捨て去れ

学校型秀才はこれ(リブート、注 藤巻)をやらないと古い知識や情報が邪魔をして、本当に必要なことが吸収できず、いつまでたっても新しい回路はつくれない。

だからブーツを脱ぐように一気に、それまでの知識や古いフレーム・ワークを一度捨て去れといっているのだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈396〉                           




➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 大前さんは、リブート(再起動)とかオールクリア(電卓のAC)という言葉をよく使います。

いずれも、既成概念や今までの常識、先入観を取り除き(忘れる=unlearn)なさい、と言っているのです。

私たちは、どうしても既成概念や今までの常識、先入観に囚われがちです。

なかなかリブートしたり、オールクリアしたり、アンラーンすることができません。

しかし、それでは新しい概念を取り入れることができません。

時には、自己否定することが必要になるということです。

Intel(インテル)は、米国を代表する半導体メーカーです。

この会社のすごいところは、自らの製品を陳腐化させてしまい、新製品に取って代わるようにしてしまうという戦略をとっていることです。

「世代交代」を自ら促しているのです。

現行のCPU(中央演算処理装置、MPU=マイクロプロセッサと表現することもある)が、いつまでもPCに使われることを良し、としていないのです。

企業が成長しないからです。

次世代CPUを開発する場合、複数の異なるコンセプトの製品を開発することをずっと続けてきた、という話を読んだことがあります。

インテルの元CEO(最高経営責任者)、アンドルー・グローヴはこう言っています。

変化することの意味を経験した社員は、新たな変化にも大きな苦痛なしに再び適応できる。


インテル本社ビル インテル Wikipedia から


インテルの株価 NASDAQ NASDAQ のサイトから




🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。




⭐ 参考になるデータをご確認ください。

インテル、半導体の首位奪還へ 鍵握る5つの投資戦略

このウェブサイトを見ると、次のことが分かります。

「インテルは2021年に韓国サムスン電子に奪われた半導体売上高の首位奪還に向けて、積極的な企業買収・出資・提携戦略を進めている。2月には同業のイスラエル企業を54億ドル(約6800億円)で買収すると発表した。こうした製造分野に加え、半導体の応用を広げる人工知能(AI)、自動運転、クラウド、サイバーセキュリティーの4分野で活発だ」

「CBインサイツのデータを活用し、最近の買収、出資、提携から、5つの重要戦略を明らかにした。

●人工知能(AI)

●自動運転

●クラウドコンピューティング&コネクティビティー

●サイバーセキュリティー

●半導体設計・製造

⭐ 出典元: 日経電子版 2022年4月18日 2:00


世界の半導体メーカーのトップシェア争いは、米国インテルと韓国サムスン電子の2社です。

この記事を読むと、以前はインテルが半導体メーカーの首位でしたが、サムスン電子に首位を奪われたそうです。

インテルは巻き返しのため、5つの重要戦略を公表しました。

🔶 数十年前までは、富士通、NEC、日立、三菱電機の日本企業が世界シェアの60%を占めていたことがありましたが、昔日の感があります。

日本企業は一部の工場を残して撤退してしまったのです。なかなか利益に結びつかないという理由で、技術を手放してしまったのです。
追いつき追い越すことは容易ではありません。

経緯は下の記事をご覧ください。




大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-22 21:36:58)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。











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