当事者が明かす変革の真実 「断」の経営2014.10.06 2/3 2014-10-10 16:48:35
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
当事者が明かす変革の真実 「断」の経営2014.10.06 2/3 2014-10-10 16:48:35
CONTENTS
PART 1 特別インタビュー 京セラ・第二電電創業者 日本航空前会長 稲盛和夫 日本の変革力を憂う
PART 2 落ちる日本の変革力
PART 3 記憶に残る5大企業変革 今だから話せる真実
PART 4 成し遂げた経営者たちが示す 変革生む3つの「断」
第2回は、
PART 3 記憶に残る5大企業変革 今だから話せる真実
を取り上げます。
今週の特集記事のテーマは
日本企業が反撃力を取り戻し、
“再攻”するためには何が必要なのか。
日経ビジネスが報道してきた企業改革の中から
「読者の記憶に残る変革」を抽出し、
ヒントを探った。
歴史的変革の当事者たちが示す革新の条件は3つの「断」に集約できる
(『日経ビジネス』 2014.10.06 号 p. 025)
です。
まず、上図をご覧ください。
左上から時計回りで、本田宗一郎、藤田田、松下幸之助、カルロス・ゴーン、小倉昌男、稲盛和夫の各氏です。
6名は著名な経営者ばかりですね。どなたも「時代」を創造してきた方ばかりです。
PART 3 記憶に残る5大企業変革 今だから話せる真実
『日経ビジネス』は読者の記憶に残る変革を5つ選びました。
変革1 企業改革 ホンダの第2創業改革
変革2 企業改革 パナソニックの「脱幸之助」改革
変革3 企業改革 日産自動車の事業再生改革
変革4 業界改革 しまむらの高効率流通革命
変革5 業界改革 日本マクドナルドの価格破壊革命
では、順に概観していきましょう!
変革1 企業改革 ホンダの第2創業改革
ホンダを変革した元社長・川本信彦さんが自ら証言しています。
変革には「痛み」が伴うことは必然ですが、激しい反発に遭い、断行が困難になることは当事者でなければ分からないでしょう。
経営トップは、「嫌われ者」になっても、やらなければならない時には、やる覚悟があるかどうかが試されます。それがリーダーとしての宿命です。
変革を断行する際に、背中を押してくれる人の存在は心強いものでしょう。
良い意味での開き直りも必要なのですね。
変革2 企業改革 パナソニックの「脱幸之助」改革
松下電器産業(現パナソニック)の元社長・谷井昭雄さんが自ら証言しています。
後継の社長が改革を断行しようとする場合、前任者もしくは創業者が口を挟まないということは、とても重要な事です。
変革3 企業改革 日産自動車の事業再生改革
日産自動車の変革を断行したカルロス・ゴーン社長について、日産副会長・志賀俊之さんが証言しています。
単なる「独裁者」ではなかったということです。あまり知られていませんが、ゴーンさんは日産自動車へ来る際に、退路を断ったと言われています。それだけ決意は固かったということです。
トップは常に「孤独」、とよく言われますが、決断は独りでやらなくてはならないのです。
変革4 業界改革 しまむらの高効率流通革命
業界改革を成し遂げた、しまむらの創業者・藤原秀次郎さんについて、良品計画・西友元社長・木内政雄さんが証言しています。
マニュアルを見せられるのは、自分の経営手法に揺らぐことのない、絶対の自信の表れである、と私は考えています。
マニュアルに書いてあることを「すぐやる、できるまでやる」ことがどれだけ大変なことかは、実践した者でなければ分からない、と思うからです。
しかも、マニュアル通りやっても同じ結果が得られるとは限りません。マニュアルの言外を読み、「味付け」に気が付かなければうまくいきません。
レシピ通りに調理したのに、同じ味にならないということと同じです。
肝心要の「隠し味」までは教えてくれません。
変革5 業界改革 日本マクドナルドの価格破壊革命
日本マクドナルドの創業者・藤田田さんについて、元幹部の王利彰さんと合志綱恭さんのお二人が証言しています。
一つに偏った考え方ではいけない、と自覚していたからではないでしょうか。
私は、藤田氏は仮説と検証を繰り返したのではないか、と考えています。
いくら考えていても、実践してみなければ分からないことはたくさんあります。
考えただけで無理だ、と決めてしまっては、先に進めません。
できない理由をいくら並べても一向に先に進めません。
どうしたらできるようになるか、必死に考えたり、刑事の現場百回ではありませんが、現場に足しげく通い、問題点やヒントを探ることも必要でしょう。
仮説が証明されても、なぜうまくいったのかを考える必要があります。
まぐれだったのか、それとも普遍性があるのか。
うまくいかなかったら、どうしてなのか。
その原因を追求し、次回の仮説に生かしていく・・・
その繰り返ししかない、と思います。
7日夜、3人の日本人研究者が、ノーベル物理学賞を受賞したことが、報道されました。
⭐2014年、赤崎勇氏、中村修二氏、天野浩氏の3人で青色発光ダイオード(LED)の発明によるものです。
研究は、毎日毎日地道な実験と思考の繰り返しです。
いつ発明できるか、いつ開発できるか。
遠い道のりを一歩ずつ歩み続けるものでしょう。
研究が何十年にもわたって行われるのは稀ではありません。
セレンディピティ(ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力)も運も左右することでしょう。
諦めずに自分を信じて、続けていくことができるかどうか、に発明や発見同様、改革には欠かせないものだ、と考えています。
次回は、
PART 4 成し遂げた経営者たちが示す 変革生む3つの「断」
をお伝えします。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-10-10 21:51:37)のことでした。
大幅に加筆修正しました。
この記事は9年前のものですが、実体はあまり変わっていないと感じています。
もちろん、一部の企業は危機感をひしひしと感じ、改革に勤しんでいることでしょう。
しかし、旧態依然とした経営を続けている企業があることは否定できません。現状に甘んじているのです。
改革には必ず「痛み」が伴います。それでも経営トップは断行する覚悟と責任があります。それができないのであれば、辞めさせられる前に、辞任すべきです。
経営陣が自分たちが現在の地位に座っている間はあえてリスクを負わず、任期満了になれば勇退すればいいという考えを持っている人たちはいるはずです。
もしそうであるならば、その人たちは自ら辞めるか、辞めさせるしかありません。
タイタニック号の乗客、乗員のような悲劇を全社員に背負わせてはなりません。
(4,687文字)
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