見出し画像

『夢の中』 シーズン2 第66話 感謝


第66話 感謝

■やがて沙都子は帰宅の途につくことになり、私と詩音は玄関先で二人を見送った。……もちろん、見送りに出たのは私一人だけで、詩音はいなかったのだけれど。

圭一が、私に何かを言いかけたが、言葉が出ずに俯き加減になる。
言いにくいことがあるのだと言うことがよくわかった。沙都子が去った今だから言えるのだが、圭一にはちょっと、悪いことをした。
 
詩音に会わせてあげると言った手前もあったし、私が本当に魅音に会ったらどうなるかを知っていたからこその苦悩があったのは想像できたが、だからといって圭一は私の味方をすることはできなかったわけだから……。
 
でも、そんな圭一もついに決心をしたようだった。それは、私が本当に悟史と再会した後のことだったけど……。圭一は私をまっすぐに見据え、はっきりと告げた。
「信じているよ」
圭ちゃんも大馬鹿だね。
私が詩音を受け入れてしまった以上、詩音は間違いなく敵だ。私だって、詩音を憎まずにおれないと思うかもしれないのにさ……!!
 
でも、ありがとう圭ちゃん。圭ちゃんのその言葉で、私はとても救われた気持ちになれた気がする……。沙都子と入れ替わりにやって来た詩音と入れ替わるように、魅音が迎えに来てくれた。私も詩音もその帰りを心待ちにしていたから、詩音が私に近寄ってくるのを見ると嬉しくて仕方なかった。悟史のところに帰ろう……。

そして詩音と一緒に悟史のところに戻ろう……。詩音も一緒に連れて行こう……。そして今度は、……三人とも揃って暮らそう……。詩音の手を取って、私の部屋まで連れて行く……。

だが、私と詩音とが仲良く手をつないで歩いている間にも、魅音の機嫌は見る間に悪くなっていった。魅音は黙ったまま私の部屋の前まで来ると、いきなり私の頬を叩いた。
 
その手にはいつもの詩音と違う力が籠められていて、私はよろめいてしまうほどだった。魅音らしくないと思った。それに、どうしていきなり叩かれたのかもよくわからなかったし。何にせよ、私は魅音が不愉快になっているのが悲しかった。

私と詩音は何もかも忘れて、ただ仲直りしたいだけなのに。それを許してくれない魅音なんて嫌いだとさえ思った。

私はつい反抗的になってしまい、わざと詩音から離れようとするようなそぶりを見せてしまう。だがその仕草でさえも、私の心の中にあったわずかな抵抗を示すものでしかなかった。詩音を求める自分の心を隠そうとしただけだった。
 
だが、その小さな拒絶の意志すら見透かされていたらしい。再び振り上げられた魅音の手が視界に入った時、(もう終わりなんだろうか?私はまた独りに戻ることになるんだろうか?)……そんな思いが脳裏をかすめ、恐怖に似た感情が湧いてくる。
 
そして、また魅音の手が降り下ろされる瞬間が訪れようとしたまさにその時、魅音はその動きを止めた。

私ではなく、詩音を見ていることに気付き、そちらの方を振り返ると、詩音の目からは、涙が零れていた。その光景を見ただけで、私は心臓を引き裂かれるくらいの痛みを感じた。それは、魅音の怒りに対するものではない。私の心がどれほど詩音を求めていたかということだ。

私よりも先に泣いてくれる人がいたんだ。そのことがどれだけ嬉しかったか。詩音、お前にはわかるかな……。

魅音は自分の手を押さえるかのように握ると、詩音の顔から視線を外し、私に向き合った。私は、まだ何も話してくれないままの魅音のことを少しだけ恨んでいたと思う。だけど、それもほんの数秒のことで、私はすぐに理解した。私はまた悟史くんのように振舞うつもりはないよ……。そんなことを言う必要はなかった。
 
だって、魅音も同じなんだもん。魅音は、詩音が私のことをどう思っているか知っていても、それを受け入れようとしているのだから。
 
そうだよね?……詩音……。魅音もやっぱり、私と同じように詩音を求め続けてきてくれたのだから、魅音が私の気持ちを受け止めてくれるなら、私は、私自身の素直な気持ちを打ち明けることしかできなくなる……。

そして私達は互いの気持ちをぶつけ合うようにして抱き合いながら、互いに求め続けてきた時間を埋め合わせるように唇を重ねあった。

詩音。詩音!やっと戻ってきてくれたね。ずっと待っていたんだよ……。こうして触れ合っているとよくわかる。私達の胸の奥にある鼓動の高鳴り。それは、きっと、どんなに離れたとしても変わらない。詩音の心も、私を求めて止まないのだと感じることができる……。
 
詩音は私の首筋に顔を埋めると……静かに泣いた。そして私達はそのまま、互いの存在を確かめるかのように、しばらくの間抱き合っていた。魅音がそんな私達に付き合ってくれていたことに感謝しながら……。



続く……


<編集後記>

最初の「夢の中」(シーズン1と仮に命名)は299話で話が中断してしまいました。AIのべりすとが意味不明のテキストを出力し続けたためです。

2023年1月3日にプレミアム会員「ボイジャー会員」に登録したことを機に、過去に遡って再度AIのべりすとにテキストを生成させてみました。

AIのべりすとによる一貫したテキスト生成がいつまで続くかは定かではありませんが、続く限り継続していきます。

言い換えれば、意味不明なテキストを生成し始めた場合には、一旦中断し、再度遡りテキストを生成させるか、新たな小説に挑戦するか決定します。


🔴お知らせ


2022/11/19 23:00頃に突然AIのべりすとのサイトに接続できなくなりました。
しばらく様子を見ることにしました。

20分程経った後、AIのべりすとのサイトに接続できました。
よく見ましたら、言語モデルがバージョンアップしていました。
使用中の言語モデル: とりんさま6.8B beta V2  とりんさま7.3B V3
2022/11/19 23:25頃

接続が切れた時、もうこれで終わりかと一瞬思いました。

AIのべりすとが旧言語モデル(とりんさま6.8B beta V2)でテキストを生成していた時、バージョンアップが行われたため接続できなくなったことが分かりました。

言語モデルは (とりんさま7.3B V3) から とりんさま7.3B V5 (3WAY)(2023/01/03)に変更しました。


「AIのべりすと」の設定


「AIのべりすと」の言語モデルは下記のものです。
2023年1月3日にプレミアム会員の1つの「ボイジャー会員」(970円+税/月)に登録しました。
プレミアム会員の詳細については「AIのべりすと プレミアム」をご覧ください。

使用中の言語モデル: とりんさま7.3B V3(2022/11/19 バージョンアップ) → とりんさま7.3B V5 (3WAY)(2023/01/03)

このモデルを使い、テキストを生成してもらうのですが、3種類の設定のどれかを選ぶとあとは自動的に生成します。文章が途切れることがあるので加筆修正が必要です

1. デフォルト  AIに好きに書かせます
2. セリフ    台詞を優先
3. ナラティブ  地の文を優先

この3つの設定の中から一つを選び、AIにテキストを生成させます。
設定を変更することは任意です。

いつでも変更はできますが、ストーリーがつながらなくなる恐れがあります。その際には、修正が必要になります。
「2. セリフ  台詞を優先」から
「3. ナラティブ  地の文を優先」に変更しました。

✅文章を単調化させないために、2023年2月17日から「2. セリフ  台詞を優先」と「3. ナラティブ  地の文を優先」を併用することにしました。


⭐ 実際に出力された画面

使用したAI

AIのべりすと



⭐ 関連した記事をまとめたマガジン

AIとビッグデータ

ご興味があればご一読下さい。



⭐回想録


⭐マガジン (2023.03.12現在)


サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。