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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(19)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(19)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


四つ目は「経験」である。
できる社員ほどいろいろな経験を積ませなければならない、適度に配置換えをしていかなければならない

  
 四つ目は「経験」である。これまでの三つの条件を補い、ビジネスパーソンとしての総仕上げとも言うべきものだ。現実のビジネスの場では、学習の場では教えられないいおりろな変化がある。これは実際に自分で経験して学んでいくしかない。その経験の中で知識も増え、センスもさらに磨かれる。リーダーは、社員にも次のリーダー候補にも経験を積ませることをつねに意識しなければならない。
(中略)
長期的に業績を上げるためには、幹部となる社員が多彩な経験を積み、視野広く、いろいろな角度から物を考えるようでないといけない。つまりできる社員ほどいろいろな経験を積ませなければならない、適度に配置換えをしていかなければならない。 

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <55>                  


五番目は「技」である。
人づくりに際して、リーダーはこの五つの条件を念頭に置くべきである

 
 五番目は「技」である。もっとも技は、一番目から四番目まで備えることができれば、結果として身についているものである。むしろ技を持てない人は、前の四つの条件のどこかに問題があると考える必要がある。
 人づくりに際して、リーダーはこの五つの条件を念頭に置くべきである

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <56>                  


物事には必ず欠点や弱みがあるものだ。しかしその欠点や弱みは、よほど致命的なものでない限り、それを捨て去る理由にはならない。
ビジネスパーソンとは問題を指摘する人ではなく、どうやったらもっと売れるか、コストを下げられるかというように、問題解決を提案し、実行する人

 
 物事には必ず欠点や弱みがあるものだ。しかしその欠点や弱みは、よほど致命的なものでない限り、それを捨て去る理由にはならない。もしそれが、これからやろうとしていることなら、その欠点や弱みを改善し、補うことで、むしろより可能性の大きい仕事となるかもしれない。
 欠点や弱みはお宝と心得るべきだ。すでにやってきた仕事の中にそれがあるなら、それを改善し、克服することで利益を上げ、売上を増すことが可能になる。
(中略)
ビジネスパーソンとは問題を指摘する人ではなく、どうやったらもっと売れるか、コストを下げられるかというように、問題解決を提案し、実行する人だからだ。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <57>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「できる社員ほどいろいろな経験を積ませなければならない、適度に配置換えをしていかなければならない」

知識だけの頭でっかちな人間にならないようにという、堀氏の警告です。
知識を実践の場で活用し、経験することによってセンスが磨かれてくるでしょうし、知識が正しいものか、陳腐化していないかを検証することもできます。

経験することによって知識の棚卸しをすることができます。陳腐化した知識を新しいものに入れ替えることは常に必要です。
もちろん温故知新(古いこと、昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと)を忘れてはいけません。

SWOT分析

Strengths(強み)
Weaknesses(弱み)
Opportunities(機会)
Treats(脅威)

の4つの頭文字をまとめたものです。

企業や組織あるいは個人レベルでも、この分析手法は役に立ちます。
まず、自社(自分)の強みは何だろうか?(Strengths)

弱みは何だろうか?(Weaknesses)

異業種に参入したり、ライバルと競争できる機会はあるのか?(Opportunities)

逆に、異業種から参入されたり、ライバルに打ち負かされる脅威はあるのか?(Treats)




✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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