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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(24)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(24)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


報連相という伝達システムが必ずしも的確に機能していないことが、リーダーに寄せられる組織内情報が少なく、偏ってしまう原因である

  
 リーダーなど上司への社内情報は、よく言われる「ホウレンソウ」を通して伝えられる。ホウは報告、レンは連絡、ソウは相談である。この報連相という伝達システムが必ずしも的確に機能していないことが、リーダーに寄せられる組織内情報が少なく、偏ってしまう原因である

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <70>                  


人間というものは自分が何かを知りたいという欲を強く持っているくせに、他人が何を知りたいかということについてはほとんど想像力を働かせられないものだ

 
 人間というものは自分が何かを知りたいという欲を強く持っているくせに、他人が何を知りたいかということについてはほとんど想像力を働かせられないものだ
 部下が上司に必要な情報をわからない理由の一つは、自分のことはわかっても人のことはわからないということだ。第二に、これまでの日本のサラリーマン社会では、ほとんどの社員が多少の差はあっても地位が上がっていき、下がることがないので、部下は上司の立場を経験していないためである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <71>                  


リーダーは部下の情報表現にも十分注意を払う必要がある。情報を、報告されたままに受け取っているととんだ誤りを犯すことがある

 
 第三に、部下には、自分に都合の悪い話はしないという防衛本能が働くことがあるということだ。しかし自分に都合の悪い話は、自分では解決しきれなくなることが多く、本当は真っ先に上司に報告して、初期消火に努めるべきものである。
 リーダーは部下の情報表現にも十分注意を払う必要がある。情報を、報告されたままに受け取っているととんだ誤りを犯すことがある。とくに、内容が重大なものになるほど、部下は興奮し、正確に情報を伝えることができなくなるおそれがある。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <72>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「リーダーは部下の情報表現にも十分注意を払う必要がある。情報を、報告されたままに受け取っているととんだ誤りを犯すことがある。とくに、内容が重大なものになるほど、部下は興奮し、正確に情報を伝えることができなくなるおそれがある」

この文章は、堀氏の経験を通して生み出されたものと考えています。考えただけでは決して出てこない内容だと思っています。

その時の状況が目に浮かびます。私も同様な経験をしています。

誰でも自分に都合の悪いことは言いたくないのは理解できます。

上司は部下が言い淀んだり、口にしたくない内容を推測し、それらを導き出せるように腐心しなくてはなりません。

ただ一つ言えることは、上司と部下の間にラポール(信頼関係)が形成されていないと部下はすべての情報を伝えないでしょう。


✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。


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