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■第4回 「同一労働、同一賃金」は仕事を見直すチャンス

1 混同されがちな「同一労働、同一賃金」と「正規・非正規の格差」問題

 新シリーズ、「武田斉紀の『組織や仕事のあるある問題、こうして解決』」も第4回となりました。今回のテーマは、話題の「同一労働、同一賃金」です。

 あえて最初に申し上げておきます。「同一労働、同一賃金」というと「正規・非正規の格差」問題を想起する人も少なくないと思いますが、2つは同じ問題ではありません。

 例えば正規と非正規の仕事をはっきりと分けて、異なる賃金を適用すればどうでしょう。「労働が異なるのだから、賃金も異なって当然」となって、両者の間に横たわる「同一労働、同一賃金」問題は解消しますが、「正規・非正規の格差」問題はなくなりません。

 一方で正社員どうしの間でも「同一労働、同一賃金」問題は存在しています。例えば「〇〇さんと私は同じ仕事をしていて、生産性は明らかに私のほうが高いのに、年次が高いというだけで〇〇さんのほうが賃金が高い。納得いかない」といった話です。みなさんの身近にもあるのではないでしょうか。

 今回は「正規・非正規の格差」問題にも少し触れますが、非正規社員の存在や割合の是非については触れません。中心テーマとしては「同一労働、同一賃金」問題に絞ってお話ししたいと思います。

私の意見は、
1.正規か非正規かにかかわらず、同じ組織においては「同一労働、同一賃金」であるべき。
2.ただし同一労働でも個人の成果や組織が異なれば、賃金は上下するもの、
です。

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