理系大学生がアルバイト先と裁判してみた 〜裁判を終えて〜

 まず、裁判の終結は和解だった。ここで先の述べた通り一部主張を認めさせ和解金の支払いを受け取った。
 しかし、訴訟にかかった費用は各自で負担したことなどを考えたら、明らかに割に合わないし、本来受け取れるべき権利さえも受け取れていない結果である。

 対して、相手方に弁護士(それも経歴はそれなりにしっかりしている)がついたのに、和解金を勝ち取ったと誇ってもいいのかもしれない。しかし、再三申し上げるが明らかに割に合わない。

 あと個人的に納得いかないのは被告側の態度だろう。和解を結ぶ際「申し訳なかった。悪いことをした。法律を守っていない意識はなかったが…」と話して弁護士から法律を知らなければ守らなくていいわけではないと諭されていた。しかし、思い返せばこの相手は原告である私からも、労働基準監督署からも指導されていながら是正しようとしていないのだ。本心は知らないがどう考えても口だけだろうとしか思えない。悪いと思うのならこちらの主張を全て認めろ、と思うばかりだった。


 この裁判での教訓は何か。実務的な面ではもう少し証拠作りを慎重に行うことだろう。多分、私が労働基準監督署へ有給休暇についての相談をあらためて実施し是正勧告をおこなっていただけたのであれば、これが強い証拠となり、もう少しこちらに有利な結果に持ち込めただろう。

 そして、確実に負担の割に合わない利益である。私は「自分に認められるべき権利を法を守ろうとしない高齢者に奪われてたまるか」の一心で行動していたが、本来受け取れるべき権利の額よりももらえていないことは、結局権利を全て守りきれなかったことと同義でもあろう。

 これからアルバイトを始めようと思うのであれば、遵法意識が総じて高いだろう大手で働くことを強くお勧めする。そして、もし裁判を利用するのであれば、弁護士や司法書士など専門家を有効に利用すべきとも思う。

 ただ、自身の権利を守ろうと行動し、相手方から少ないながらも自身の権利に伴う金銭の受け渡しを起こしたこの経験がどこかで活用できるのかもしれない。もしそんな経験をしたいのであれば、絶対に勧めないが見よう見まねでやってみるといいと思う。

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