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ミイラ再生(1932)

1932年のユニバーサル・ホラーで、"ミイラをテーマにしたホラー映画の始祖"といわれるカール・フロイント監督の「ミイラ再生」を、たぶん子供の頃以来で見ました。(「白鳥の湖」という楽曲は怪奇映画のテーマ曲だという自分が幼いころの認識は、本作と「魔人ドラキュラ」の影響。)

こないだ、本作のリメイクである「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」を見たり、ちょっと前にさらにリメイクされた「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」を見たりしたので、そもそもの原点に立ち返ってみようというわけです。

1921年のエジプトで遺跡調査を進めていた大英博物館の調査団は、古代の高僧イムホテップのミイラを発掘する。そして、一緒に埋まっていた「この箱は絶対に開けちゃダメよ。呪われるよ」と書いてある木箱を開けたところ、ミイラが蘇り、箱を開けた若者は発狂してしまうのでありました。(このへんが、まだイノセントな時代だな…と。)

それからさらに11年が経ち、先の調査団の息子が再びエジプトの遺跡調査に来ていて成果が出ないことを嘆いていると、謎めいたエジプト人がやってきて、「ここに王女の墓が埋まってるから掘ってみな」と言うのです。で、掘ってみると、ホントにアンケセナーメン王女のミイラが見つかります。

実はこの謎のエジプト人は11年前に蘇ったミイラで、最愛の王女を蘇らせようと企んでいたのです。

と、まぁ、そんなお話で。なんせ1932年の映画ですから、今となってはそんなに起伏のない淡々とした展開になってしまうわけですが、この作品の公開当時は"エジプト王家の墓を発掘する者には呪いがかかるというツタンカーメンの呪い"が話題になっていたことや、「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン」に続くユニバーサル・ホラー第三弾ということ、フランケンシュタインを演じたボリス・カーロフがイムホテップ役だったこと、当時としては画期的な特殊メイク! などたくさんの売りがあって大ヒットしたそうな。

本作のリメイクとは言いながら、「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」も「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」も全然違う映画になっちゃうわけですが、やはり「ミイラ」というジャンルをゼロイチで作り出し、世に確立したことは凄いことですよね。

あと、ホラー映画に恋愛要素を動機づけとして持ち込んだことも新しかったのかな。


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