TADASHI TAKEZAKI

単なる映画大好きな人なので、ここには映画のことだけ書いていきたいと思ってます。ヘンテコ…

TADASHI TAKEZAKI

単なる映画大好きな人なので、ここには映画のことだけ書いていきたいと思ってます。ヘンテコ映画も大好きなので、愛のある感想を面白おかしく書きたいな。

最近の記事

冒険者たち(1967)

ロベール・アンリコ監督の1967年作品「冒険者たち」を見た。固い友情と秘めた恋心で結ばれた2人の男と1人の女の物語。 いつもつるんでるイケメンで凄腕の若きパイロット・マヌーとレーシングカーの新型エンジンの開発を目指す渋い中年男・ローラン。 ある日、ローランの工房に鉄屑探しに美女がやってくる。彼女は駆け出しの前衛芸術家・レティシア。3人はそれぞれに夢を持ち、意気投合する。 しかし、儚くも3人の夢は打ち砕かれ、失意のどん底に…。そんな折、コンゴの海に財宝を載せたまま墜落した

    • 或る夜の出来事(1934)

      フランク・キャプラ監督の1934年作品「或る夜の出来事」を見た。スクリューボール・コメディ映画の傑作として名高く、後の映画へ与えた影響も大きい作品で、アカデミー賞では主要5部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)を受賞した。 90年前の白黒映画なので、さすがに古さは否めないが、それでもその古さを越える魅力に溢れている。 大富豪の箱入り娘エリーは、ひょんなことで出会ったプレイボーイの飛行士と結婚しようとして父親に反対され、海上に浮かぶヨットに監禁されていた。そ

      • スオミの話をしよう(2024)

        三谷幸喜脚本&監督「スオミの話をしよう」を観た。本作は、監督が長澤まさみさんのために書いた、彼女ありきの作品なのだそうだが、三谷幸喜さんがこのパターンのコメントをしているときは、たいがい脚本がつまらない。 今回も長澤まさみさんは八面六臂の大活躍なのだが、なにせ脚本が何も面白くなくて、どうでもいい男どもの小競り合いをぐだぐだと見せられる辛い2時間だった。キャラクターも薄っぺらいんだよね。 他の豪華な役者陣も流石の演技を披露していて、こんなどうしようもないお話をみんなで頑張っ

        • ナミビアの砂漠(2024)

          19歳で初監督した「あみこ」が高く評価された山中瑶子監督が、女優の河合優実さんと組んで撮ったオリジナル作品「ナミビアの砂漠」を観た。2024年のカンヌ国際映画祭・監督週間で国際映画批評家連盟賞を受賞。 「あみこ」の公開当時にまだ学生だった河合優実さんは「あみこ」に衝撃を受け、山中瑶子監督に「いつか出演したいです」と直接伝え、「女優になります」と書いた手紙を渡したという逸話があるそうで、そんな2人が本当に一緒に映画を作りあげたのだから凄い。 河合優実さん演じる21歳のカナは

        冒険者たち(1967)

          新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)

          ヨン・サンホ監督の2016年作品「新感染 ファイナル・エクスプレス」を見た。 ファンドマネージャーのソグは仕事優先で家庭を顧みず、奥さんは出てっちゃって、娘スアンの面倒は母親に見てもらっている。ソグに見てもらうのを楽しみにしていた学芸会もすっぽかすし、いつも「また今度な」と約束を守らない父親に嫌気がさしたスアンは「母親に会いたい」と粘り、ソグはしぶしぶスアンを奥さんがいる釜山まで高速列車で連れて行くことに。 というわけで、2人は列車に乗り込んだのですが、ドアが閉まる直前、

          新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)

          ラストマイル(2024)

          劇場で何度も予告編を観ていたときの印象とは桁違いの大ヒット興行になっている、塚原あゆ子監督&野木亜紀子脚本のタッグがおくる「ラストマイル」を観た。 このタッグの代表作として「アンナチュラル」「MIU404」という人気テレビドラマがあるのだが、僕は見ていない。また、本作「ラストマイル」には「シェアード・ユニバース」という呼称で、この人気ドラマのキャラクター達が登場するという仕掛けがあったりする。 結論から言えば、僕みたいなドラマを見ていない人でも、映画「ラストマイル」は単体

          ラストマイル(2024)

          悪魔のいけにえ2(1986)

          このたび日本版の4K UHDが発売されたので、トビー・フーパー監督の1986年作品「悪魔のいけにえ2」を久しぶりに観た。 1974年に同監督が撮った「悪魔のいけにえ」は、粗いフィルムのドキュメンタリー風なタッチで、田舎町に迷い込んだ若者たちに次から次へと理不尽に恐ろしい出来事が襲いかかるあまりにも強烈な作品で、歴史に残るホラー映画。 誰が作っても超えられるはずがないこの「悪魔のいけにえ」を、12年後にトビー・フーパー監督自らが続編に挑んだということで、一体どんな映画が作ら

          悪魔のいけにえ2(1986)

          モンキーマン(2024)

          監督は、原案、脚本どころか主演も務めるデーヴ・パテール! 架空のインドの都市を舞台に繰り広げられる壮絶アクション映画、その名は「モンキーマン」!!! 闇のファイトクラブで、猿のマスクを被り「モンキーマン」と名乗って"殴られ屋"として金を稼ぐ主人公キッドは、過去に縛られた男である。 その過去の回想は、ぶつ切りにされて、物語の進行の中でちょいちょい提示されていくのでここで書いていいのかな?と躊躇するんだけど… でも、映画の宣伝やあらすじに堂々と書いてあるので大丈夫かな?

          モンキーマン(2024)

          悪魔の狂暴パニック(1977)

          ジェフ・リーバーマン監督の1977年作品「悪魔の狂暴パニック」を見た。日本では1980年に公開された本作、この邦題がいかにも80年代ホラー映画っぽいのだが、原題は「BLUE SUNSHINE」。 海外版Blu-rayを字幕なしで一度見ていたんだけど、このたび日本で"4Kレストア版"が発売されたので、改めて日本語字幕付きで見た次第。 最近、頭痛と抜け毛が酷いんだよなぁ…と悩んでいるうちはまだいいが、ある日突然、髪が全部ズルリと抜けて一瞬でつるっ禿げに! 禿げた途端に凶暴にな

          悪魔の狂暴パニック(1977)

          エイリアン:ロムルス(2024)

          フェデ・アルバレス監督の「エイリアン:ロムルス」をIMAXで観た。単体作品として見れば、かなりよくできたホラーサスペンス映画です。SF映画というよりはモンスター映画寄りかな。 これまでシリーズを観ていない方が、「エイリアン」の過去作を事前に見ておいた方がいいか否かについては意見が分かれるところですが、僕個人としては過去作は見ずに本作に臨むのが良いと思います。何故なら、とても評価の高いシリーズ1作目を45年前に僕らが観たときの驚きを、少しでも感じてほしいから。 ある意味、「

          エイリアン:ロムルス(2024)

          ACIDE アシッド(2023)

          宣伝文句の"致死率100%の高濃度酸性雨が降り注ぐ世界の終わり。息をつく間も許さない、究極のサバイバル・スリラー"っていうのと、いかにもそんな映画っぽい予告編がとても良く出来ていて、公開されてすぐに観に行った、ジュスト・フィリッポ監督の「ACIDE アシッド」。 なのですが… 実際に観た本編は、全くもって"究極のサバイバル・スリラー"には程遠い、登場人物のいろんな感情が交錯しながらも中途半端にバッサリ終わる人間ドラマでした。ハリウッド映画風に見事に編集された予告編とは違う…

          ACIDE アシッド(2023)

          侍タイムスリッパー(2024)

          安田淳一監督が自主映画で時代劇を撮るという無謀な挑戦に出て、その心意気に東映撮影所が全面協力して出来上がったという「侍タイムスリッパー」を観てきた。 自主映画だけに、公開時点ではシネマ・ロサとチネチッタの2館でしか上映していないが、どちらもほぼ満席の入り。上映中は笑いが絶えず、終幕時には拍手が起きるほど盛り上がる作品で、これは「カメラを止めるな!」以来の口コミで大ヒットする映画になる予感!!! 幕末、京の夜。会津藩士・高坂新左衛門は長州藩士を討てとの密命を果たそうと刃を交

          侍タイムスリッパー(2024)

          テラー博士の恐怖(1965)

          フレディ・フランシス監督の1965年作品「テラー博士の恐怖」の4Kレストア版Blu-rayが先日発売された。昔からタイトルは知っているし、見たことがあるような気がするが記憶は定かではない… 自分にとってそういう作品だったので、今回改めて見てみた。 当時、ハマー・フィルム・プロダクションがピーター・カッシングとクリストファー・リーという役者を得て、フランケンシュタインやドラキュラに代表されるホラー映画を量産しヒットさせていたのに続けとばかりに現れたアミカス・プロダクションが、

          テラー博士の恐怖(1965)

          GODZILLA(1998)

          1998年7月の劇場公開時に期待して観に行って「こんなの、ゴジラじゃない!」と愕然とした思い出をお持ちの方はたくさんいらっしゃると思う、懐かしの"ハリウッドゴジラ"、ローランド・エメリッヒ監督「GODZILLA」を改めて見直してみようとDVDを買って見てみた。 劇場で観てガッカリして以来、26年ぶりに見たエメリッヒ「GODZILLA」は、"ゴジラ映画"ではなく単なる"ハリウッド怪獣映画"として捉えるなら、意外や十分に面白い映画だった。それだけ、初見の時は、本作の巨大化したト

          丘の上の本屋さん(2021)

          昨年の劇場公開時に観るタイミングを逸したクラウディオ・ロッシ・マッシミ監督の2021年作品「丘の上の本屋さん」を配信で見た。 イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。訪れる風変りな客たちを温かく迎え入れるリベロの店は街のちょっとしたオアシス的な存在でもある。 ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛けたリベロは、好奇心旺盛なエシエンに、コミックから児童文学、中編小説、長編大作、さらに専門書まで次々と店の本を貸し与え、エシエンから感想を聞きな

          丘の上の本屋さん(2021)

          デッドストリーム(2022)

          ジョゼフ・ウィンターと妻のバネッサ・ウィンターが製作、脚本、監督、編集を手がけた、ファウンドフッテージ形式のPOV映画「デッドストリーム」を観た。いやぁ… "愛すべきバカ映画"でした。 過激すぎる企画が原因でアカウントを停止されスポンサーやファンにも見放された炎上系配信者のショーンは、起死回生の企画として、深い森の奥にある”いわくつきの館”でのライブ配信を決行する。 この胡散臭く騒々しい主人公・ショーンが複数のカメラを仕掛けながら館の中から生中継する映像と音声を延々と見せ

          デッドストリーム(2022)