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あの人が消えた(2024)

僕の名前は、丸子夢久郎(まるこ むくろう)。ちょっと変わった名前って思われがちなんだけど、この名前には由来があるらしい。僕は八谷運輸で働く配達員で、「ラストマイル」じゃないけど、毎日、お客様の自宅まで荷物を運んでいるんだよ。

そんな僕の担当に、「次々と人が消える」と噂されるいわくつきのマンションがあるんだけど、なんとそこには僕が愛読しているWEB小説の女性作家が住んでいて、すっごく気になっちゃうんだよね。荷物を届けるとき、思わず部屋を覗きこんじゃう。

さらにもう1人、挙動不審な島崎って住人もいて、そいつは僕の大好きな作家のストーカーをしているみたいなんだ。嫌だね。僕の手で彼女を守らなきゃ! そう思うと、マンションの島崎や他の住人についても、いろいろ聞き込んで調べるしかないよね。

という、荷物を配達しながらマンションの住人の動向を探る、お前こそストーカーじゃねえか!ばりの主人公が活躍する?お話。正直、主人公の行動がヤバすぎです。

過去にあったいろんな物語や映画の予備知識なしに観たら、これはこれで、微妙に腑に落ちないながらも結構意表を突く面白い映画なんじゃないかと思います。一生懸命考えて、捻った内容にしようと努力したことがわかるので。(でも、自分は本作に繋がる過去のいろんなものを観てきてしまったので、素で観る印象はわからないです。)

2023年に放送された人気ドラマ「ブラッシュアップライフ」で高い評価を得た注目のクリエイター・水野格さんの、完全オリジナル脚本で自ら監督した劇場長編作品「あの人が消えた」。

こんな変質者のようなヤバい主人公を、「ブルーピリオド」のユカちゃん役も記憶に新しい高橋文哉さんが演じていて、爽やかで綺麗なルックスとのギャップもなかなか…

それにしても、過去の偉大な作品に対するオマージュが気になるというより、引用が過ぎる!!!

【以下、ネタバレ】
主人公の名前がマルコム・クロウだったり、謎解きの演出が「ユージュアル・サスペクツ」まんまだったり、さすがにそれはないんじゃない? 知っていると、白けてしまうよ…

せっかく捻った脚本を書こうとしてるんだから、あからさまな引用はしない方が良かったと、個人的には思うんだけどな。

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