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悪魔と夜ふかし(2023)

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」に登場したユニークキャラ "ポルカドットマン"でお馴染み、デビッド・ダストマルチャンが主人公のテレビ司会者を演じた「悪魔と夜ふかし」を観た。

監督はコリン&キャメロン・ケアンズ兄弟監督で、1970年代後半に放送されていた深夜のトークバラエティ番組の雰囲気を再現しながら、面白い仕掛けで楽しませてくれる。個人的には、予告編からの期待を全く裏切らない大傑作!でした。

1977年のハロウィンの夜。一時は大人気だったテレビ番組「ナイト・オウルズ」はすっかり落ち目になり、司会者のジャック・デルロイは視聴率調査週間にオカルト現象を生放送することで起死回生を狙っていた。その目玉企画は、少女に取り憑いた悪魔の生出演!

まず、何よりも当時の胡散臭い深夜番組を見事に作り切っているのが素晴らしい。デビッド・ダストマルチャン演じる司会者の完成度も凄い。本当に当時の番組の録画を見ているかのよう。

ただ、それだけだと映画として保たせられないため、「かつてとんでもない放送事故になった映像が発見された」という“ファウンド・フッテージ”スタイルを取りつつ、最初に司会者の浮き沈みを描き、番組のCM中の舞台裏をモノクロ映像で加え、飽きずに観られる形までもっていくが、その結果“ファウンド・フッテージ”から離れていく… ちょっとお茶目な仕上がりになっている。個人的には面白いからいいんだけど。

また、ホラー映画を期待して観に行くと、テレビ番組の生放送中に起きた出来事というお話なので、さほどホラーでもなくて肩透かしに感じるかも。

といった、観客のスタンスによっては弱点になる部分を内包しつつ、1970年代後半の胡散臭い深夜テレビ番組が、コンプライアンスも何も気にせず、視聴率を取りたいがために暴走した挙句にとんでもない放送事故が起きるというプロットを見事に映像化していて、しかも面白いので、ノリノリで観ちゃった。

何度も言うが、デビッド・ダストマルチャンの司会者っぷりは最高!

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