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大学入試の悲劇。でも塞翁が馬

受験シーズンになると思い出す。

うちの兄2人は大学入試でエライ目にあっている。当時はあまり気にしていなかったが、よく考えたら悲劇だった。しかし、人間万事塞翁が馬なのである。


2人に起きた悲劇


まず次男


スポーツ推薦でほぼ確定していたのに、高校のミスで内申点(っていうんだっけ?)がわずかに足りず受験できなかった。

次に長男


実家から遠い大学だったので、母と前日入りして一泊することに。晩ご飯に母の希望で焼き鳥屋に行ったら、鶏に火が通っていなかったらしく、翌朝、母はお腹を壊し、長男の受験校のトイレで一日中苦しんでいたとのこと。息子が人生をかけた試験の横でトイレに籠る母親ってシュールだよね。
長男はなぜか大丈夫だったが(緊張していたから?)、その大学は落ちた。ずっとA判定だったのにね。

今思えば塞翁が馬


当時の本人にとったら(主に次男)最悪すぎる出来事だけれど、いまとなっては悪いことじゃなかった。


次男の場合


一般入試で別の大学に入学。その大学でも兄のスポーツはそれなりに盛んだったので入部。しかし、1、2年ほどでケガしたのをキッカケに退部。スポーツ推薦で入学していたら肩身が狭かったかもしれない。

次男の性格をよくよく考えると、バリバリのスポーツマンというタイプでもない。スポーツ推薦を選ぼうとしたのは、学力だけでは勝負できないからだったんじゃないか、とわたしは思っている。


また、スポーツ推薦で行く予定だった大学より、実際に行った大学の方が今は圧倒的に知名度が高いので結果的に悪くなかった。



長男の場合


前期で受験した焼き鳥事件の大学はずっとA判定が出ていたのに落ちてしまった。しかし後期は前期より偏差値が高く「厳しいだろう」といわれていたところに受かった。


長男は細かいことを気にしないので、前期で落ちたのは母の焼き鳥が原因とは考えていない。当日の体調にまったく影響がなかったのも幸いした。

しかし試験前夜に「焼き鳥が食べたい」とかいう母親ってどうなんだろう。長男も「いいよ」って軽くOKを出したらしいが。
母は宇宙人なので、そういうことをやっちゃう。テヘペロみたいな感じだったけど、人によっては笑えないだろう。長男も宇宙人みたいな人なのでよかった。

ちなみに長男は過去、中学受験でも合格が確実と思われていた第一志望に落ち、代わりにもっと偏差値の高いところに受かった。長男はそういう星の元に生まれてるらしい。

中学受験で落ちたのが分かった日、夕飯も食べず暗い部屋の隅で体育すわりをして落ち込んでいた。それを見たわたしは「マンガみたいな落ち込み方だな」と思ったのをよく覚えている。


ここから一番大事な話。
後期で受かった大学で入部した運動部がよほど楽しかったらしく、いつも家でその話ばっかりしているので、わたしも興味を持って大学で兄と同じ部活に入った(大学は別)。兄を通じてそこと交流する機会があり、わたしは兄の後輩と知り合い結婚した。同じく兄の後輩の女の子とは今も仲良し。


兄が第一志望の大学にいっていれば彼らとの出会いはなかったので、わたしの人生も多少変わっていた。ということは、やっぱりそういう運命だったに違いない。

ほら、塞翁が馬でしょ。

そんなことをいっておいてなんだけど、実はすぐに離婚している。苦い思い出もあるけれど、そういう人生経験も糧になっている。これもいつか、塞翁が馬っていうことになると思うんだ。


ちなみに、わたしは特に悲劇も喜劇もなくありきたりの受験だった。


【追記】母との会話


記事をアップしたあと、母がいたので「塞翁が馬ってどういう意味か知ってる?」と質問したところ「あーなんだっけ」と考え出した。

考えるもんじゃないだろ、と思って放っておいたら約5分後、「思い出した😄! 」と嬉しそうな顔をして戻ってきた。

母「飼っていた馬が逃げ出したけど、戻ってきた時にたくさんの馬を引き連れていた、ってやつでしょ?😉」

わたし「違うわバーカバーカ」

母「🤨」

わたし「塞翁が馬というのはね……」

母「あー思い出した! そういうやつだと思った!😄」

わたし「🤨」




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