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【日本をアップデートしよう】

「尊厳」ってのは、手厚くケアされることだけではなく、誇りを持って生きること。
「誇りを持って生きる」とは、自分が「誰かの為になっている」と感じて生きられること。
人は、「他人を幸せにすることで初めて、自分も幸せになれる」生き物だと思う。
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次の話は、今日、大牟田の医療法人静光園の猿渡進平さんから聞いた話。
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62歳で脳出血に遭ったKさん。リハビリしても片腕に麻痺が残った。
もう”役に立たない人間”になったと諦めたとき、施設スタッフが必死に見つけてきてくれたのが洗車という”新しい仕事”。
動かせる右半身で、自動車を丹念に洗い、数百円ではあるが、久々に”稼ぎ”を得た。
その帰り道、
Kさんはコンビニに立ち寄り、稼いだ金でジャムパンを2つ買った。
それは闘病とリハビリの日々を支えてくれた奥さんの好物だったから。
新しいKさんが、汗をかいて稼いだ金で買ったジャムパン。
それを受け取った奥さんは号泣された。
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麻痺が残っても、認知症になっても、「支えられる」だけでなく、少しでも誰かを「支えたい」。
そこに向かっていないと、辛いリハビリも何のため?と感じてしまう方も多いという。
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いま、あの小倉昌男さんが築いたヤマト運輸では、認知症の方に委託して、メイル便を配達する仕組みも始めたそうだ。
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そんな、要介護の方を就労につなげていく成功例が出るたび、そんなドラマを目の当たりにするたび、
関わる介護スタッフの方のモチベーションも激しく上がるそうだ。目を輝かせて仕事に誇りを持ち始めるそうだ。
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サービス付き高齢者住宅「サ高住」から、仕事付き高齢者住宅「シ高住」へ、なんてアイデアもある。
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見たくない現実であっても、現実は現実。
もう数年後には、日本は「6人に1人が75歳以上」「高齢者の5人に1人が認知症」の時代に入る。
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であればこそ、だからこそ、社会を、まちを、くらしを、アップデートするしかない。
認知症の方も、希望するなら、働いて、支える側に回ることも、アリの社会にする。
そういう日本に「アップデート」するしかない。
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そのためには、仕組みも、社会の認識も、互いのサポートも、テクノロジーも総動員する。
分身ロボットOriHimeも注目を浴びている。
まだまだ、開拓は始まったばかりだ。
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大牟田市は既に高齢化率は40%に迫り、”日本全体の20年先を行く”とも言われる。
だから、モデルケースになる可能性も十分秘めている。
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高齢化や認知症を頭の痛い”ピンチ”とみるか、面白くなる”チャンス”と見るか。
そこは受け手次第。
日本を「アップデートする」。
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そこに向かって進んでいこう!と猿渡さんも意気込む。
実践を積み重ねていく猿渡さんとともに、私も進みたい。
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