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お金をもらうこと

毎週恒例小説部で書いたエッセイ(?)です。

テーマは「働く」


自分が施した何かによって人様からお金をいただく。そうして自分が食べたり休んだりするための糧を手に入れていく。これがいわゆる働くということであり、生計を立てることになるわけだけだが、その中立ちを誰かにやってもらうことで、お金をいただく申し訳なさ、有難さ、責任の重さを緩和していたのだと気づいたのは、全ての工程を自分でやるようになってからだ。他の誰かが、また他の誰かに何かをした対価でいただいた尊いお金の一部を、直にいただく。いただいたからには当然、全うしなければならない。いやもちろんするのだけれど、いただいておいて何も役に立てていなかったらどうしよう、と幾度となく不安になる。それでも、自分にも今日があり、明日が来る。お腹は減るし、帰って休む必要がある。決められた場所、時間で決められた内容をこなしていれば自動的にお金がもらえる(錯覚になれる)契約形態は、不自由もあるけれど余計なことは考えず、当たり前だと思って業務に集中できるかもしれない。全てはないものねだりだから、私は今の在り方の緊張感、不安感とも向き合いながら、使命を果たしていこうと思う。

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