新しい職域の創造
50代の新しい仕事を創造する
30代から50代は、一番カラダが動く。チカラもある。出会いもある。能力もある。だから「会社」と呼ばれる組織(世界)を飛び出して、新しい職域を創りたくなったのである。
まずは、小さく狭くていい。新しく創り、働く人をその器にいれていきたい。 誰の為の、なんのための業界を創るか、それを考えた。
私は20代はよく働き、30代もよく働いた。
40代、50代では、社会の立ち位置が変わり、
一度は立ち止まる。そういう時期かもしれない。
誰にでも、『天命』』があるのだろう。
それに気づくか、素通りしてしいくか。
さらに、気づいて、学び、実行するか。もしくは延々と考えているだけか。
そこに分かれ道があるのかもしれない。
シンプルに「行動」により、気づきを具現化させ、実体化させていく。
ナポレンオンヒルを事例に出さなくとも、思考は驚くほど実現していく。
不愉快な真実
私の話に興味がない方がほとんどだと思う。私の意図は、これは一般論ではなく、極私的ではあるが、事実の一例として、誰かの参考になればと思ったのである。私は、2020年の2月、40歳を超えていた。会社をやめて、個人事業主となった。想定していた事業はなくなり、新規の業界にいくことを決めた。そこではじめて、40代、50代の職域が限定されていることに驚いた。20代、30代の転職活動とはまったく違う様相を呈していた。若い頃は、受け入れてくれる『職域』に横の広がりがあった。当時も学歴の足切りはあったが、本人のやる気さえあれば『職人』という道も残されていた。しかし中高年の転職市場では、マネジメントかスペシャリストでない場合は、『労働者』への道を案内される。今は、もっと楽しいこと、新しいことにチャレンジをしている先輩方がたくさんいることを知っている。
しかし当時は、ハローワークでつきつけられる現実に愕然としたのである。
私はもう終わった人間なのだろうか。
当時は、そう思うことさえあった。だから『なんでもやってやろう』と思い、ハローワークで薦められた『介護職』に応募し、運よく採用していただけた。当時、30社以上に履歴書を送り、その中から10社以上に面接に伺った。ようやくアルバイトとして、雇っていただけた。そのときは無資格であったが、すぐその後に介護の勉強を行い、資格をとった。そこで『介護』という職域の理想と現実を知った。現場の方々はとても良い方ばかりである。しかしそこに経営者は甘えてはならないし、当時私がよく聞いた話では、もっともっと給与をあげてもらいたいという話である。国がすぐに動いていたが、それも一過性になってしまっている。しかもコロナ禍で、職域にも移動があり、介護業界へ人は集まってきたが、他の業界が復活してくると、移動された仲間も元の業界へ戻ってしまう。そうなるとまた人手不足になってくる。
『介護』の職域
『介護』を知らない方のために少し説明する。日常の生活をしていて、両親が認知症になったりすること以外に、まず『介護』に直面することはないだろう。私も祖母が認知症になり、母が面倒をみていた。私は離れてくらしていたので、年に一度顔をあわせる程度だった。オムツを変えたこともなく、風呂にいれたこともなかった。
それが介護職となり、『介護老人保健施設(通称「ろうけん」)』に勤めたときに、たいへん貴重な経験をさせていただいた。先輩方の食事・排泄・入浴の介助をする。これは今後の人生の礎となるような経験であった。看護師の方の仕事ぶりも介護士の方の仕事も素晴らしいものがあった。(ただ給与が安すぎる、とは思った)。当時と同様に他の業界から来た方々は一様に介護職への不満として言っていたことである。そのため、お金の稼ぎ方を知っている方々は、本業で稼いだら、週末だけ続けたい、と言っていた。年下の上司や、はじめて覚えることが新鮮で楽しかったし、人生の先輩方の知恵や知識は素晴らしかった。それに、今でも、いらいらしたり、落ち込んだり、どうしようもないときは、当時の先輩方を思い出して、励ましていただく。105歳の先輩に「あんたは大丈夫」なんて言われたことをありがたく心にしまっている。
そして、その現場では、新しい『職域』がどのように誕生し、成長しいくのか、実際に見ることができた。これは貴重な体験となった。
それから介護職のアルバイトをしながら、『起業』についても学んでいった。105歳の先輩から学び、足も動くし、手も動く、人間はカラダやアタマが調子の良い時にどんどんチャレンジをしていこう、と思ったのである。
マズローの『自己実現』の欲求は『社会実現』へ変化する。
あなたがもしも何かを頑張れなくなったら、何でも良いから、何かをやると良い。スポーツでもダンスでも、ボランティアでも、なんでもよい。それから健康に良い食べ物をたくさん食べる。そうすると本当に、体の中に幸せホルモン(オキシトシン等)が出てきて、また何かをやりたくなる。それに人間は不快な状況や状態を避ける傾向がある。不快な状態になる行動は抑制され、愉快な状態になるように行動をしていくのある。
脇道にそれるが、この「行動」の連続が「活動」となり、連続する「活動」は習慣化し、やがて「生活」になっていく。そして、その「生活」が「人生」となっているのである。マザー・テレサの言葉として有名なフレーズは下記である。
最初の「おこり」(思考)がなければ、何も変わらない。
だから、とりあえずカタチにしていくことにしたのである。
現場の課題
私たちの存在する社会は、先人が創り上げた世界であり、無数の世界が繋がり、形成されている。そして、この瞬間も変化している。
まずは50代の人が愉しく働き、生活できる世界を創る。
そして、賛同者が増えれば、やがてそれは「社会実装」へと繋がるだろう。それでは具体的に私たちが楽しめる世界とは、
社会とはどんな世界になるのか。
まず現場の課題を書くことにする。転職のセーフティネットであるハローワークで、中高年に手渡される『仕事』の幅が少ないのある。彼らに渡される『職』は警備、介護、建設、飲食などの業界であるが、彼らは肉体労働がきつい層であり、これまでの事務や管理などの知的労働を望む。しかしそのような仕事は極端に少なく、生き方を変えるように求められるのである。20代や30代ではSNS(ソーシャルネットワークサービス)の広告や保育、教育の分野での仕事がある。中高年は受付してくれるが、採用されることは少ない。そして、新しく工芸、農業、漁業などをはじめようとしても、ハードルは高い。もちろんどんな仕事でもやる気があれば、どんな業界へも行ける。
私があなたに伝えたいことは、これは努力の問題ではなく、社会実装をするための社会の課題である、ということだ。男女の性差でもあることだが、『雇用機会の均等』をめざしていく必要があり、若者には開かれている扉が中高年には開かれていない現状は変えていくことが望ましい。これまでの制度改革で終身雇用制度を変化させ、45歳定年制のような社会を構築していくのであれば、45歳以上の人間に新たな職域や経済圏が必要になる。
(勿論、昨今はやっている”C to B”や"C to C”、NFTを利用したサイバー空間のデジタル経済に期待したいが、そもそもそれらを望まない肉体を動かしていく、幸福感を望む人もいるのである)
そこで、このあたりまえのことに疑問をなげかける。
「なぜ、このようなことになったのであろうか」
理由のひとつには、まずは有能で素直な若者に仕事を割り当てているからと考える。もうひとつの理由は、知恵や知識や経験がある人間が業界に入られると合理化や新しい価値観により、それまでの業界内の秩序が乱れ、混乱をきたす恐れがある。そのために知識がなく、先人の言う通りに動く素直な人間を好む傾向があるのである。そこに多様な経験を持ち、有益な情報を持つ人間が入ってこられるとその業界が拒絶することもあるのである。そのため、雇用を失ったインテリジェンスは肉体労働と知的生産を同時に行うことが求められるのである。
新しい『働く世界』を創る
この活動していくために必要な資源は『人』と『情報』、さらに『既存の職域』と『ネットワーク』である。それらを活かして、働く社会を創るのである。これは労働者を創るということではなく、社会の価値観を見直し、よりスマートな社会を目指すという展開である。
新しい世界とは何か?
それは、誰もが愉しく生活し、毎日新しいことに取り組み、すべての人間が円滑に交流できる空間を享受する世界である。この理想は「介護」という「職域」で学んだ。また余談ではあるが、『介護』は人生の縮図を学び、先輩方の知恵をいただける素晴らしい現場である。学校教育に研修などで取り入れるととてもよいと思う。
世の中には昼の仕事と夜の仕事がある。新型コロナウィルスの影響により夜の仕事が打撃を受けた。2023年の現在、夜の仕事である飲食業界が復活をしている。そこへ介護業界に流れた人材が戻っている。COVID-19の影響を受け、異業種へ移動をしてきた人々はそれまで自分のいた『職域』へと再移動をはじめている。勿論、人によっては移動した「職域」でそのままも勤める人もいるだろう。それぞれの人間の適正にあうカタチで、移動や定着が行われる。これから大切なことは、定年制度や壊れ、超高齢社会である日本は、ベーシックなライフステージやライフスタイルのプランを今よりも増やしていくことが必要であり、職域の移動がしやすく、さらに多様であることが求められる。それは入場チケット(資格取得やリスキニング)が必要な有料プランだけではなく、国が率先して無料プランや格安プランを創っていくことも求められるのではないだろうか。(たとえば、ボランティアに対しての対価を税金から支払うようにする…etc)現在でも、シニアの就労施策として、高齢層の役務に対して、国は補助金などの施策は打っているが、お金を出すだけではなく、もっと幅広い雇用喚起をするアイディアや実行を伴うとりくみが必要であり、そのための優遇施策や促進施策を行う必要がある。
あなたは、このハローワークに通う中高年が感じている『不愉快な真実』について考えてみていかがだろうか。幸運にもこの『不愉快な真実』を知らないのであれば、そのまま過ごしてほしい。運悪く、出会ってしまったら、どうか前向きに乗り越えていってほしい。
私たちは先輩方が作った世界を生きている。そして私たちは新しく自分たちの世界も創り続けている。それは先輩方の作った世界の上に成り立つものであり、有機的に過去とつながっているものである。先輩方の価値観とぶつかることもあるし、ストレスが生じてくることもある。また辛抱強い体質の人間はイジメられることもあるし、反骨気質の人間は居場所をとりあげられ、辞めざるを得ない状況になるかもしれない。変化を求めていない業界に新しい人間が入り、変えていこうとすると、既得権益のある先輩がでてきて「お前たちは、よそでやってくれ」と言われる。こんなことはどこの業界でも多いにあることだろう。
これからを生きぬくあなたへ
だから私たちは「新しい職域」を創る。
私たちは新しい世界をこの『社会』に書き加えていく。
それが世の為、人の為になるように努力を続けていく。
そして、続けていくために、私たちの好きなことをやる。
それがいつか、キミたちを幸せにすることを願って。
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