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「捨てる力」を読んで

今回紹介する本は約30年近く日本将棋界のトップに君臨し続ける羽生善治名人著の『捨てる力』です。羽生さんが将棋界でトップに居続ける為にどのようなことを心掛けているのかに興味を持ち今回読んでみました。読んでみると実生活の中でも活用できそうな内容ばかりでしたので今回この本のブックレビューを書いていきたいと思います。



「知識」から「知恵」に



この本を読むまで全く知らなかったのですが、将棋も野球やサッカーのように流行りの戦術があるようです。そのため棋士は常に最新の戦術を把握する必要があると羽生さんは述べています。しかし、流行りの戦術を「知識」として得たところでそれを「知恵」として活用出来ないと全く意味がないとも述べています。更に羽生さんは

知識は今この瞬間生き延びるために必要な情報で、知恵は今この瞬間から50年後まで生きるために必要な普遍的な情報であるとも述べています

私は非常に共感出来ました。知識は実用出来なければ机上の空論のままです。私自身中学生の時、数学のテストの際に必死になって覚えた図形の公式を問題を解く際に使えなかったという苦い思い出があります。そのため非常に共感出来ました。こう聞くと知識を得ることもあまりよくないことに聞こえてしまいそうですがそうではありません。羽生さんは

知識を積み重ねて理解していく中で知恵に変えていけばいいと述べています。そして知識を実用的なものとして積み重ねていくと知恵という名のひとつの場面で正確な判断を下したり、解決するためのツボを見出す能力につながるとも述べています。

非の付け所のない非常に納得できる内容です。更には知恵という言葉の言語化も非常にスマートです。自分の実体験と重なったこともあって非常に印象的に残りました。

 努力と成果のモノサシ


「人は人、自分は自分」これは周りの目を気にするなという時によく使われる常套句です。しかし、私は周りの人が成功したり伸び伸びと生きていたりするのを目にすると羨ましくなります。皆さんもそういう風に感じたことがきっとあるのではないかと思います。そんな時に必要なものは経験から得た努力と成果のモノサシだと羽生さんは述べています。みなさん、縄跳びの二重跳びや鉄棒の逆上がりなどを小学校で猛練習しませんでしたか?羽生さんはそのような些細な経験でも構わないから、全く出来ない事ができるようになるために自分にはどれくらいの時間と練習量がいるのかを把握することが大事であると述べています。私は努力と成果のモノサシを持つことが周りの目を気にせずに伸び伸び生きる事の近道なのではないかなと感じました。ですので、新しい事にどんどん挑戦したり時には自分の成功体験を思い出したりして自分なりの努力と成果のモノサシを持てるように頑張りたいと思います!

 真似すること


皆さん、ものまね芸人はお好きですか?僕は大好きです(笑)。私は別にお笑い評論家でも何でもありませんが、特にテレビに引っ張りだこの芸人さん達は「そこに目をつけるのか!」という感じるくらい細かい所を真似ていて思わず尊敬してしまいます。話が少し逸れてしまいました。どれだけ発想力に優れた人でも個人のアイデアは限られています。その限界を発展させてくれるものが真似をすることだと羽生さんは述べています。

なぜなら真似→理解というステップは創造力を培う基礎力になりやすいからです。また、真似ができるという事は真似をする対象の基本的な理解ができている状態です。基本的な理解というのは真似をする対象の人がその形・フォーム・動きになっているのはどのような意図があるのか、どんなプロセスを踏んでいるのかをしっかりと理解していることだと羽生さんは述べています。

真似よりもオリジナリティや個性が求められる場面が増えてきていますが、オリジナリティや個性のベースには真似をすることがあるのではないでしょうか。非常に考えさせられる内容で印象的でした。こう考えると、ものまね芸人さんの創造力は本当に素晴らしいですね!

 捨てる力


本のタイトルにもなっていますね。これは①でも述べた知識と知恵の所とリンクしているのではないかと私は感じました。知識を知恵に変えるステップは非常に大事だと書きましたが、それと同時に最新の知識を頭に入れることも重要です。なぜなら、そうしないと時代に置いて行かれてしまうから。しかし人間の記憶力には限界があるため、頭に新しい知識を入れるには要らない知識を捨てる力も必要になってきます。この捨てる力は人生のあらゆる場面で必要になります。なぜなら人生は選択の連続だからです。選択する場面に出くわした時にその都度正しいと思う方に進まなければいけません。しかし私もそうなのですが、「自分の判断が間違っていたらどうしよう」「自分の決断に自信が持てない」というように不安に思うことが多いですよね。その際羽生さんは

「毎回石橋を叩いていたら勢いも流れもつかめない」と自分の選択に勇気を持つことの大切さを述べています。また「人間は過去の選択には楽観的になれるが、未来に関わる選択には悲観的になりやすい」

と脳科学などの根本的な部分を理解する努力を羽生さんは行っているようです。捨てる力を持つ勇気を持つことが捨てる力を持つ近道なのではないかと私は思いました。不安に打ち勝つ勇気私も欲しいな...

終わりに


 この本を通じて


① 既存のやり方にとらわれず、新しいことや誰かの真似にチャレンジすることで知識を入れることの大切さ
② 知識を実践して自分の身(知恵)にすることの大切さ
③ 新しいものに飛び込む勇気を持つことの大切さ


この3つの大切さを学ぶことが出来ました。皆さんも新しいチャレンジに挑む際のモチベーション向上として是非一度読んでみてください。


では

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