進んでいくための原動力

古い友人が突然SNSで顔画像をアップした。
旧友に会えないから、せめてと。

10年・・・20年・・・？
もう随分会えないまま過ごしてしまった。
なんでこんなに疎遠になってしまったんだろう。
理由はない。

彼は家族を作り守り、
僕はどこかで決まっていたかのように東京で、
それぞれの道を生きてきた。
きっとそれだけのこと。

高校時代はしょちゅう一緒にいて
夜遊びなんかも何度もしたな。笑
モラトリアムの季節を共に過ごしていた。

久々に顔を見て、文面の中の僕の名を見て、
不覚にも泣いていた。

昔からたくさんの幸せを抱えるのが苦手な僕は、
いつも抱えきれなくなって、どこかに落としてきてしまう。

だから追い求めるのは「歌い続ける」という幸せだけ。
それだけでいいと、高校生のあの頃もどこかで思っていた。

大人になると、大切なものも増えてきて
時々抱えすぎて、ふらついて、倒れそうになる。

シンプルでまっすぐな気持ちを忘れていく。
進んでいくための原動力を。

旧友との再会は、共に過ごした日々や時間、
歌うことが全てだったあの頃の記憶を呼び覚まして
僕は何故か泣いていた。

昔も今も、
繋がっている人たちは、みんなあたたかくて優しい。
近くにいても離れていても、見守ってくれているんだな。

手探りで進む道程は、きっとこの先も変わらなくて
正しいのかどうかなんて分からないけど

自分の中の原動力を見失わなければ
きっと進んでいけるのかもしれない。

今度会ったら、昔みたいに飲もうぜ。