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【特選映画】スティーブン・ドーフ主演映画 『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』/『SOMEWHERE』/『ウィズアウト・ユー』【動画未配信の映画】

スティーブン・ドーフ

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 マーベル映画『ブレイド』(1998)の主要キャストとして出演していたスティーブン・ドーフが、現在のハリウッド映画の状況を憂い、同じマーベル作品の『ブラック・ウィンドウ』と主演スカーレット・ヨハンソンを批判して、少し炎上していましたが、久しぶりに、スティーブン・ドーフが話題になっていて、いくつかの映画を再度見たくなりました。

 言い方が少し良くなかった気がするものの、彼の主演する作品は、一癖も二癖もあるものが多いのも事実です。さすが、イーサン・ホーク同様に、『タイタニック』の主演を断っただけはあります。

  何となく、サム・ロックウェルやジョニー・リー・ミラーのような雰囲気の表情なので、情けない役から悪ぶった二枚目のような幅広い役ができるタイプの俳優です。

  そこで、今回は、特に、スティーブン・ドーフ主演の個人的にお気に入りの三作品をあげます。

その前に、スティーブン・ドーフが出ている、ブリトニー・スピアーズとエアロスミスのミュージックビデオをアップしておきます。スティーブン・ドーフのイメージがよく分かる映像だと思います。




『ウィズアウト・ユー』(1999)


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 『ウィズアウト・ユー』は、U2のミュージックビデオを多く手掛け、U2のドキュメンタリー映画『魂の叫び』も監督したフィル・ジョアノー監督の半自伝的な作品です。

  フィル・ジョアノー監督は、音楽関係の映像以外にも、サスペンス系の映画を何本か監督していますが、本作は、U2のコンサートも挿入されており、ミュージックビデオの延長線上なスタイリッシュなシーンとドラマとしてじっくり見せるシーンを織り混ぜた作品に仕上がっています。

  また、当時は、U2はあまり楽器提供をしない(ヴィム・ヴェンダース以外は)のに、本作ではU2の代表曲である『ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー』が主題歌になっていることを映画の宣伝に利用していました。ちなみに、この曲は、日本では、宮部みゆき原作映画『ソロモンの偽証』の主題歌になっています。

この作品のプロットで、独特な点は、語りの視点です。主人公が、なぜこの恋愛がうまくいかなかったのかを振り返る視点で、回想シーンに一時停止をして現在の主人公が出てきたり、心の葛藤をしゃべる猫を登場させて表現するなど、いたるところに趣向を凝らしています。

  物語の内容的には、基本的に、男性側の目線でのラブストーリーです。ラブストーリーなのに、女性の共感が得られ難いこともあって、ヒットに繋がらなかったのかもしれませんが、比較的、男性の共感が得られるのではないかと思いますし、実験的な映画表現も多いため、個人的にもっと評価されても良い作品だと思っています。そして、こちらの作品も、動画配信があまりされておらず、各配信サイトに追加してほしい作品の一つです。

 また、宣伝上、邦題がウィズアウト・ユーになっていますが、映画の内容からすると原題の"エントロピー"の方がしっくり来ると思います。監督を含めた男性側の言い訳かもしれませんが。



『SOMEWHERE』(2010)


(現在、シネフィルWOWOWプラスで視聴できます。)

  ソフィア・コッポラ監督のヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した作品です。ただ、『マリー・アントワネット』と『ブリングリング』の間に、公開され、ソフィア・コッポラ監督作品の中で、最も地味な作品の一つです。

  『ロスト・イン・トランスレーション』と同様に、ソフィア・コッポラ監督の実生活や経験に基づいて書かれているようなリアリティのある作品になっています。

  『ヴァージン・スーサイズ』のような大きな出来事もなく、細やかな日常の大切さを浮かび上がらすこの作品を成立させていたのが、華やかで喧騒の日々を送りながら孤独感や空虚感を感じさせる表情を繰り返し垣間見せていたスティーブン・ドーフと天才子役姉妹の妹エル・ファニングの演技です。


『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』(2000)



  最もスティーブン・ドーフに相応しい映画かもしれないのが、『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』です。『ピンク・フラミンゴ』『シリアル・ママ』の悪趣味B級映画の代名詞的存在のジョン・ウォーターズ監督作品ですが、いつものように、下品で過激な描写であふれていますが、他の作品と比べて単なるおふざけではない真剣さと狂気を感じる、ジョン・ウォーター監督の最高傑作です。

  実はアート系の映画が好きと公言するジョン・ウォターズの本当の実力が垣間見れるとともにハリウッド資本の映画システムへの本気の怒りが感じられます。そして、それを体現する最高の演技をしているのが、スティーブン・ドーフです。冒頭の発言への批判は、この作品を見てからにしてほしいと思う程です。

スティーブン・ドーフは、現在もテレビドラマを中心に活躍していますが、また、大きな賞が取れる作品に出てほしいなと思っています。

  【動画未配信の映画】TSUTAYA渋谷のシネマコレクション(VHSコーナー)にあるような、動画配信がほとんどされていない名作の中から、個人的に大好きなものを取り上げています。



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