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「5年後も、生きています ㉓現実創造・引き寄せのポイントは『信頼』

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★肺癌ステージ4からの生還「僕は、死なない。」(2016年9月1日~2017年7月位までのノンフィクション)はこちらをご覧下さい.



㉓現実創造・引き寄せのポイントは『信頼』


2018年4月、会社との雇用契約は完全に終わり、僕はさっそく職安に行きました。


職安は多くの人でごったごった返していて。ワサワサと落ち着きのない雰囲気に包まれていました。

その場に身を置くと、改めて自分が新しい人生の展開の真っただ中にいるということを、実感しました。

用紙に記入したり、受付で順番を待ったりしながら周囲の人たちを見渡してみると、ほんとうに、様々な人たちがいました。


こんなにたくさん、職を求める人がいるんだ…


しかし僕は「集合意識」が変わったせいか、そのワサワサとした雰囲気とはまた別の、なにかゆったりとした雰囲気に包まれていました。

まあ、きっと大丈夫でしょう、みたいな。

一部、会社からの必要書類が足りなくて手続きが遅れたりしましたが、4月下旬には無事手続きも終わり、失業保険を受けられることになりました。

これで、当面の生活はなんとか乗り切れます。


 同じころ、毎回楽しみにしていた中江さん主催の「陽明学から学ぶ」ワークショップに出かけました。

「陽明学から学ぶ」ワークショップでは、テキストを元に王陽明先生の「伝集録」から一節を選び、みんなで音読をしたあとに、各自がそれぞれ自分が感じたように自由に翻訳をして、最後にみんなでそれをシェアし合う、というものです。

おなじ文章でもその人の置かれている状況や心理状態、あるいは目の前の課題や問題によって、全然違う翻訳がでてくるから不思議です。

その日の課題文章を、僕はこう訳しました。

完全なる「私訳」です。



王先生は一緒に座っている友人に聴きました。

「最近、真理の道は見えてきたい?」

友人は答えました。

「はい、瞑想で思考が浮かんだり、消えたりすることが分かりました」

先生は答えました。

「それは、ただ単に君が見えている光景を言っているだけだね」

別の友人が言いました。

「今の私と、昔の私とは、明らかに別人になりました。成長しました」


先生は言いました。

「それは経験を積んで、出来るようになったことが増えただけだよ」

二人は困って、先生に聴きました。

「先生、では、真理の道とは、なんでしょう?」

先生は、答えました。

「私にとって真理の道とは、大いなる全体からの導きに従って、ただ、する(只管)、のみなのです。

こころが真理とつながっていれば、私自身の言葉や行動が、善を見れば即、善となり、誤ちがあれば、即、改まります。

まさにこれが「真理の道」なのです。

このように心の在り方を定めれば、エゴによる執着や抵抗は日々消えていき、宇宙の法則が日々理解出来てきます。

もしただひたすらに、瞑想だけで十分だと、瞑想ばっかりしていたり、自分が出来るようになったことばかりを数えて固執していたら、かえってそこに陥ってしまって、真理の道から外れてしまうから、注意が必要です」


 僕のこの日のテーマは「信頼」でした。

 ワークシートの今日の問題意識、課題の欄にこう書きました。

「自分の身体のエネルギーを感じる」

「人生の流れを信頼し、身を任せる」

そう、人生は流れています。

僕の人生なんて、まさに流れそのものです。

大いなる激流の真っ最中。


ガンから生還した時に感じた“人生の流れ”。

そしてそれに対する絶対的な信頼感。

それを、もう一度、感じてみたい。 


いまこそ、あの「感じ」を取り戻し、あのフィールドに、またアクセスしたい。

自分で訳した文を眺めながら、思いました。

いま・ここ「いい気分で生きる」ためには、毎日毎瞬、自分の中を注意深く見つめなければならない。

浮かんでは消える浅い思考や感情につかまらずに、深い自分のなかに“ほんとう”を見つけ出すことが出来れば、自然と身体が動き、間違ったとしても、すぐに戻るんだ。


まさにこれが、気分良く生きる、ということ。


真理の道を生きる、ということ。


毎日・毎瞬、こうやって自分の内面を見つめ、魂の声キャッチして、大いなる存在からの導きに従って生きていれば、自然と欲は消え、天の理(ことわり)が自分を導いてくれる。


考えてばっかりいたり、無自覚に行動ばかりしていても、そこにはたどり着けない。

考えのではなく、感じること。

感じ取ったメッセージを、忘れずに、それに従っていくこと。


考えるな、一緒に「流れて」いけ!

それは、まさに僕が体験した「サレンダー領域」へのつながり方の解説みたいでした。

それから数日後、むかし勤めていた会社の後輩を訪ねました。

彼は以前相談した佐々岡さんが僕の上司だったとき、僕とコンビを組んでいた部下でした。とても仕事が出来るヤツで、彼が部下だったとき、一緒に面白い仕事がたくさん出来ました。

僕がその会社を辞めて2約年後に彼も退職し、今では研修をコーディネートする組織の一員として活躍をしていました。

以前の僕なら講師・あるいは先輩としてのちっこいプライドが邪魔をして会いに行けなかったかもしれません。

だってそのときの僕の目的は、仕事をもらいにいくのだから。

会社をクビになって、助けてもらいに行くのだから。

惨めな自分をさらすような、情けない気持ちになったかもしれません。

自分のイメージを守りたくなって、会いに行けなかったかもしれません。

これが、今までの僕の自我・エゴの声、あるいは傾向でした。


でも、今は違います。

プライドなんてナッシング(笑)。

プライドなんて、自分を大きく見せようとする「ちっこいエゴ」

だということに気づきました。

逆に、久しぶりに彼と会うことが楽しみでした。

会社を訪ねると、彼はビルのエントランスに元気よく走り出てきて、こう言いました。

「刀根さん、大変だったですね。ブログ読みましたよ。もう体調は大丈夫なんですか?」

「うん、もうガンはほとんど消えたからね」

「それはすごいですね。ホント良かったです」彼は安心したように笑いました。

「でも、そのおかげで会社をクビになっちゃったよ。わっははは」 

それは自嘲的な笑いではなく、本当に面白かったのです。

いまの自分の状況が、なんだか面白い物語の一部みたいで、それを楽しんでいる僕がいました。

これから何が待っているのでしょう?

森の中にどんな果実が実っているのでしょう?

「えっ、そうなんですか。まあ、退職したことはブログでなんとなく分かってたんですけど、まったく…小さな会社はこれだから…」

彼は自分のことのように悔しそうに言いました。

「いや、いいんだよ、これも流れだからさ。でさ、いま仕事なくってさ」

「はい」

「なんか、仕事ちょうだい」

僕は、あっけらかんと言いました。

彼は打てば響く太鼓のように、すぐに答えました。

「おっ、いいんすか? 失業保険とか受けてるんじゃないですか」

「大丈夫、別に就労契約するわけじゃないからね。そっちはそっちでちゃんと進めてるから。これはいわゆる単発のアルバイトみたいなもんでしょ。失業保険だけじゃ足りないんだよ。なんせ薬代が月に10万くらいかかるから」

そう、僕が服用している分子標的薬「アレセンサ」はとても高価なのです。

「10万すか…それは大変っすね」

「そうなんだよ。まだ声も完全じゃないからね。失業保険を受けながらボチボチ仕事が出来ればいいと思ってるんだ」

「確かに、痩せましたね。声もまだ枯れてますしね」

「これでも声も随分出るようになったんだよ。一年前はスカスカで、全く出なかったんだ。息が漏れてね、単語でしか話せなかったんだよ」

「そうだったんですか。僕で出来ることはしますよ。仕事ならありますよ。すぐって訳にはいかないけれど、あります結構あります。刀根さんが講師として優秀なことは分かってますから」

僕は以前、彼のコーディネートで研修をしたことがありました。

「そ~なんだ、いやあ、嬉しいな。じゃ、これからよろしくお願いします

僕は、深々と頭を下げました。

「もちろんっす。こっちこそ、お願いします」

彼は、うれしそうに笑いました。

そう、ここは『狩猟採取民族』のフィールドなのです。

「不安」ではなく「信頼」から動くこと。

「恐れ」からでなく「安心」から動くこと。

そうすれば、獲物(望む未来)はいくらでもやってくるのです。

実はそれが宇宙の「真理」で、すっごくシンプルだったりするのです。


㉔へつづく


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