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うつ病なのでアイドルのライブに行ってきた

私は重度のうつ病で希死念慮が頭の中を渦巻いている。
自殺未遂も何度もしている。
どうせいつ死ぬかわからない身なので、せっかくなら行ってみたかったアイドルのライブに行くことにした。

皆さんは福岡を拠点に活動しているLinQというアイドルグループを知っているだろうか。
2011年から現在に至るまで活動しており、おそらく福岡在住の人なら一度は名前を耳にしたことがあるはずだ。

私の推しは有村南海さんである。

彼女は毎日ツイッターで南海ムービーという動画を投稿している。
動画の内容は至ってシンプル。あいさつがあって、今日のできごと、みんなへのメッセージ。
それがいいのである。
私の知人にそれを見せたところ「女の子が普通にしゃべってるだけじゃん」と言っていた。
しかし考えてもらいたい。
普通のことって難しくないだろうか。
普通とは、ルーチンワークとは異なる。
今日の出来事は昨日とは違うし、明日とも違う。その出来事は楽しかったり、びっくりしたりする。
南海ムービーには、その日を過ごした軌跡があるのだ。

そしてもうひとり忘れてはならない人がいる。

それは高木悠未さん。

高木悠未さんはLinQ1期生の頃に加入した。
福岡マラソンにも出たのでご存知の人は多いのではないだろうか。
実はLinQは自他共認めるメンバーの入れ替えが激しいグループだ。
そんなグループで1期生の頃からずっとやり続けている。
しかもフロントポジションを任されることが多い。
今のLinQがLinQであり続けているのは、高木悠未さんの努力、いや居続けてくれたことによる安心感あってではないだろうか。
LinQにおいて高木悠未さんは何人にも侵されざる聖なる領域だ。

そんなLinQのライブに行ってみた。
「ハレハレ☆パレード」と共に登場するLinQのメンバー。
いつもYouTubeやツイッターでしか見たことないメンバーがそこにいた。
歌や踊りを生で見れたことの感動はもちろんだが、LinQの子たちと目が合ったことに感激した。

LinQのメンバーは会場に来ている一人ひとりを見逃すまいと常にお客さんに目を合わせていた。
いや、仕事なんだから当然だろ、という意見もあるだろう。
彼女たちはアイドルなんだ。おっしゃる通り当然だ。
だが、日常生活において、私達は見逃されまいと目で追いかけられたことがあるだろうか。
私の存在にちゃんと目配せをされたことがあっただろうか。
もうずいぶん私は私の存在を他人よって感じられる機会がなかったのだ。
私達はアイドルによって自らの存在を確かめられていると言っても過言ではないだろう。

ライブの間中ずっとLinQのTシャツを着てサイリウムを振っていたおじさまや女の子たちも、ライブが終わると日常着に戻って町の中へと消えていった。
存在感というのはなにも24時間稼働していなくてもいいのではないかと思えた人生初のアイドルライブだった。

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