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❖『とりあえず』 は悪魔の囁き❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2022年2月20日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を)

◆ 『とりあえず』 は悪魔の囁き◆
『とりあえず』という選択肢には不思議な魔力がある。

10年前のちょうど今頃、私は当時住んでいた相模大野の近くのレンタル倉庫を借りる契約をした。それは4月からシンガポールに住むため、それまで8年間住んでいた家の荷物のうち、シンガポールに持って行かないものを預けるためであった。

実家に送ってしまうという選択肢もあったが、それなりに量があったので、実家にも迷惑になると思い、『とりあえず』レンタル倉庫を利用することにした。

それから第一次シンガポール、沖縄、第二次シンガポール、ラオスという形で渡り鳥状態だったので、ずっと借りたままであった。そして、帰国のたびに、ちょっとした荷物を『とりあえず』預けるものだから、気づけばカオス状態になっていた。

日本に戻ってきてからも、倉庫に預けた荷物を整理するタイミングを逸している。戻ってきてすぐに緊急事態宣言が出たので、『とりあえず』そのままにしていたら、結局、現在までそのままである。

PCでもそうだが、種別の判断が難しいファイルを『とりあえず』デスクトップに保存すると、ついついそれが続いてデスクトップがカオスになる。書類などでも、種別の判断難しいので、『とりあえず』入れておくボックスを作ると、最初は便利なのだが、整理されないままボックスは飽和状態になる。

そして、今回引っ越しをするにあたり、多分しばらく使わないと思われる荷物を、やはり『とりあえず』預けることにした。

前回レンタル倉庫に行ったのはいつだったか憶えていない。せっかく久しぶりに倉庫に行くのだから、預けるだけでなく、「断捨離」もしなければならないという気持ちで、久しぶりに相模大野駅に降り立った。

しかし神は残酷であった。倉庫に着いて間もなく、雨が降り始めたのである。レンタル倉庫は中で作業する分には雨は関係ない。しかし屋外のコンテナタイプなので、シャッターの外での作業は雨によって無理であった。これは「身から出た錆」なのだが、これまでの『とりあえず』によって倉庫内は荷物だらけで、「断捨離」の作業は外でなければ難しい状態であった。

ここでもまた『とりあえず』の不思議な魔力が発揮された。雨は小雨だったので、多少の作業は可能であるものの、魔力に操られた私は現在の家から運んできた荷物を『とりあえず』倉庫に入れてしまって、今日は『とりあえず』撤退することにした。

先ほど神は残酷といったが、あの小雨は悪魔の仕業だったかもしれない。悪魔が小雨を降らせ、『とりあえず』という甘い言葉を私の耳元で囁き、私に『とりあえず』の呪いをかけたのではないだろうか。

「先延ばし主義とは、判断ミスの積み重ねを示す完ぺきな例である。この場合、ひとつひとつの判断ミスが小さな損失をもたらす。それらが時間とともに蓄積して大きな損失となり、最終的には大きな後悔へとつながっていく。」

これはアメリカの経済学者であるジョージ・アカロフの言葉である。アカロフのいう通り、『とりあえず』という先延ばしによって生ずる小さな損失(ダメージ)は、徐々に積み重なっていき気づけば簡単には動かせない大きな損失(ダメージ)になってしまうものである。

まさに「塵も積もれば山となる」である。その結果、レンタル倉庫の中には「魔の山」がそびていた。

まず私が取り掛からねばならないことは『とりあえず』の呪いを「断捨離」することだろう。

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