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❖関ヶ原の戦卵(せんらん?)❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2021年12月23日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を)

◆関ヶ原の戦卵(せんらん?)◆
天下分け目の重要な戦いが、コンビニの棚の上で、静かに、しかし永遠に続くかもしれない状態で繰り広げられていた。関西と関東でそれぞれはっきりと分けられるものではないものの、私見では、関西の玉子焼きといえば、塩・みりんを混ぜた昆布だしを使った「だし巻き玉子」のイメージが強い。一方、関東の玉子焼きといえば、砂糖や醤油を混ぜた甘露だしを使った「厚焼き玉子」のイメージが強い。お弁当の中に入っている玉子焼きといえばどちらが定番かといのは、永遠のテーマではないだろうか。振り返ってみると、同じお弁当の中に両者が仲良く入っていることはなかったと記憶している。だから両者は共演NGということだろう。それゆえ、お弁当の中では二者択一の問題となり、我々を悩ませるわけである。共演NGでありながら、近所のコンビニの商品棚では隣同士で並べられており、両者は直接戦っているわけではなかったが、ピリピリとした一触即発の雰囲気だった。私は両者の間に見えないが、しかし確実に存在を感じる隔たりから、チャーチルの有名な演説を思い出した。「バルト海のステテティンからアドリア海のトリエステまでヨーロッパ大陸を横切る鉄のカーテンが降された。」チャーチルは東西ヨーロッパに引かれた、自由主義陣営と社会共産主義陣営が向かい合う境界線を「鉄のカーテン」と表現した。これはヨーロッパにおける冷戦構造を端的に示したものである。このカーテンは鉄でできているので、簡単に除去することができない。「だし巻き玉子」と「厚焼き玉子」の間にも、そんな重々しい境界線が見えないが、しかし確実に存在していた。共演NGである以上、私もどちらか一方を買わねばならないが、どちらにしようか棚の前でしばらく悩んでしまった。卵料理の一つである「玉子焼き」と言われればどちらなのか、厳しい選択を迫られた私の脳内でも関ヶ原の戦いが行われていた。歴史上、関ヶ原の戦いは小早川秀秋の裏切りによって決着がついた。裏切りは「卑怯」であるが、それが答えを導いたわけである。私も歴史を参考に「卑怯」な行為によって、目の前の戦乱(戦卵?)を終わらせることにした。私が実行に移した卑怯な行為は「大人買い」であった。小早川秀秋がネガティブな評価を受けるのと同じように、私の行為もネガティブな評価を受けるかもしれない。しかし、私からすれば悲惨で不毛な戦いが継続しないように仲介に入ったわけであり、日露戦争で仲介しポーツマス条約による講和を実現させたセオドア・ルーズベルト大統領が後にノーベル平和賞を受賞したように、私の仲介もポジティブに評価してほしいものである。セオドア・ルーズベルトにしてみれば、日本とロシアどちらにも恩を売ることができた面があり、仲介はおいしいものだっただろう。同様に私も仲介に入って「美味しかった」。

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