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⭐3学期を『準備』の学期にするための準備⭐️【記事累積:1908本目、連続投稿:842日目】
(これまでの虚栄を解きほぐす「unlearn」のため、頭の中を刷新する「relearn」を躊躇なく進めるための記録)

<探究対象…学級通信、メッセージ、3学期、準備、グラハム・ベル>

2024年も年始のお休みが終わり、様々な職場で仕事始めになっています。バンコクの在外教育施設の自分が担当している授業は今日からスタートしております。またビエンチャンの在外教育施設の授業ももうすぐ再開します。

ビエンチャンの方は、各月の学習予定を学級通信の形でお知らせしております。これまでと同様に月の初めに配信している学級通信ですが、1月のものについては他の月のものとは異なる意識をもって文章を考えました。さて、なぜ1月の学級通信は他とは異なっているのでしょうか、そしてそこに綴ったメッセージにはどのような特徴があったのでしょうか。

今年度の学級通信は、4月の分は着任早々ということで配信はなく、5月が第1号でした。そのあとは各月の授業日より前に配信が続き12月が第8号でした。そして今日の朝に1月の学級通信として第9号を配信したのでした。

ここまで配信してきた各月の学級通信の核となるメッセージを取り出してみると以下のようになります。
◆第1号(5月)…「コトバとカイワ」の全体的な意味(言葉は「言刃」になること、会話は「快和」なものであると同時に「皆輪」になっていることが大切であること)について
◆第2号(6月)…コトバづかいは「異場づかい」として自分の立場と他者の立場が異なっていて自分だけが正解ではないことについて
◆第3号(7月)…もう一つの「異場づかい」として「場面(時間)・場所・場合というTPO」の使い分けを考える必要があることについて
◆第4号(8月)…メッセージには「モジ(文字)とイメージ」の2種類があり、イメージを正しく捉えるためには「想像できる力と共感できる力」が大切であることについて
◆第5号(9月)…「想像できる力と共感できる力」を発揮していくときの注意点として、自分とは違う考え方や感じ方があるかもしれないと意識することや、他の人の考え方や感じ方にもなるほどと思えることの大切さについて
◆第6号(10月)…「モジをイメージにしたり」「イメージをモジにしたり」する活動では、人によって右脳と左脳のどちらが利き脳であるかに違いがあるので、自分の得手不得手も意識しながら、モジとイメージを組み合わせて考えることについて
◆第7号(11月)…経験していないことをモジやイメージで考えるのは難しいこともあるので、「色んな国(空間)・色んな時代(時間)・色んな心(人間)とつながるための『ワープ』ができるアイテム」として本があり、読書がおススメであることについて
◆第8号(12月)…ユネスコ憲章の文言を用いながら、お互いの違いを知ることが平和の第一歩となること、そして想像と共感という現在トレーニングしている力は、「多様性」の尊重に繋がるということについて

こうして「コトバとカイワ」という自分が最も重きを置いているメッセージからスタートし、その意味について具体的な事例を用いながら深めたり、関連する事例を用いながら広げたりしてきています。

今回の第9号(1月)も流れで、「コトバとカイワ」というメッセージの深まりと広がりについて話をしていますが、もう一つの大切なメッセージをこのタイミングで伝える必要があると考えました。それは、自分が日本の学校で教員を始めた頃に先輩教員から教えてもらったもので、「3学期はその年度の『まとめ』の学期であると同時に、次の年度の『準備』の学期でもある」という言葉です。

今年度の学級通信は、1ページ目は保護者に読んでもらうことを想定した文章、2ページ目は児童・生徒が保護者と一緒に読んでもらうことを想定した文章で書いていますが、1ページ目で「3学期はその年度の『まとめ』の学期であると同時に、次の年度の『準備』の学期でもある」を次のように自分なりの解釈を綴ってみました。

◆新しい年度の名目上のスタートは4月からとなるわけですが、4月になってから全てがガラッと変わるのが必ずしも良いわけではありません。またスタートした瞬間に全力で動き出せないのは、陸上競技に限らず学校生活なども同じだと思います。その全力というのは身体の面だけの話ではなく、気持ちの面にも当てはまることですし、小学4年生という自我が徐々に形成されてきている発達段階の時期では、むしろ気持ちの面の方が重要という気がしています。そう考えると、気持ちの面をしっかり準備して新しい年度の4月を迎えることはとても大きな意味を持っているわけです。

この準備の話に、これまでの共感力と想像力の話を組み合わせて考えていくとき、「論理力」と「表現力」を準備していくことが大切だと考えるようになり、次のような文章になりました。

◆教科書で取り扱われる単元内容は、国語をはじめとして高学年になるにつれ抽象性が高まっていきます。しかし、そのような抽象性の高い表現や文章を読み解くための裏技はありません。普段から教科書などの内容について、「共感力」を十分に働かせながら、「想像力」を大きく膨らませていく経験を地道に積み重ねていくことが正攻法であり、最善のものだと思います。しかし共感力や想像力を活かすためには、表現や文章を流れに沿って読めることが前提になるため「論理力」が必要になってきます。さらに共感・想像がどれくらい発揮できているかを知るためには、自分がどう思ったのか・自分がどう考えたのかを「モジ」(場合によっては「イメージ」)でアウトプットしていく「表現力」も必要です。

このように保護者や児童・生徒に対して、3学期は『まとめ』と同時に『準備』の学期であると伝えたわけですから、私自身もその両面を意識しながら授業を組み立てていかねばなりません。しかし学級通信に書いた通り、小学4年生にとっては気持ちの面の準備がむしろ大切なので、授業を含めた学校生活全体でどんな仕掛けを散りばめていくかも大きな課題です。実際に3学期がスタートしてしまうと、目の前の活動に引っ張られがちになると思うので、3学期の俯瞰と仕掛けのデザインをスタート前にしっかり固めておかねばなりませんね。スタートまであと数日残っているので、私もモジとイメージ両方を駆使して「3学期を『準備』の学期にするための準備」をしようと思います。

「何よりもまず、準備を整えることが成功への鍵だ。」
これはスコットランドの科学者で、電話の発明で有名なアレキサンダー・グラハム・ベルの言葉とされています。

『今年度のまとめ』にしても『次年度の準備』にしても、3学期を意義深い素敵な学期にするには、ベルの言葉の通り、そのための丁寧な準備が必要だと思います。狙いだけがあってもその通りにはなりません。そして実際に学期がスタートした後で起こる様々な不測の事態によっても狙いが無力化されないためには、綿密な準備に基づく一定の余裕が必要です。準備はしておいて損をするものではないので、時間が許す限りたっぷり準備しておこうと思います。

なお2ページ目で、児童・生徒向けに綴った内容では、「3進法」の考え方を用いながらクイズ形式で、3学期が『まとめ』と同時に『準備』の学期であることを伝えました。詳しい話は別の機会に譲りますが、児童・生徒に示したクイズだけを示しておくと次のようになります。3進法自体は授業外のチャレンジ企画で一緒に考えたことがあるので、それを使ってみることにしました。

「(A)3進法で考えたとき、2の次はどんな数になりますか。」
「(B)補習校の1年間はいくつの学期に分かれていますか。」
「(C)1年間の最後の学期は、次の年の『準備』の学期といわれます。その理由を、『3進法』の考え方を使って説明してみるとどうなりますか。」

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