『ファートンいきもの記』【13】
今日の「いきもの」は≪バイオhungerド≫である。
シンガポールのオープンカフェでくつろいでいると、壮絶なシーンを見かけることがあった。このシーンを作り出している奴らは、最初は数匹が様子見として少し離れたところからターゲットを探しているのである。そして、ターゲットになりそうなものを発見すると、すぐさま仲間を呼び寄せ、ターゲットに近づくチャンスを見つけるやいなや、満たされることなき永遠の空腹を満たすために、ターゲットに襲い掛かり「貪り食う」のである。凶暴なときは、席を離れてガードしている人が誰もいないという状況でなくとも、読書してターゲットから意識がなくなっていると見切ったならば、襲い掛かってくることもある。
奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「T-ウイルス(Tyraゲnt Virus)」である。
奴らの永遠に貪り食おうとする習性は、謎多きウイルスである「T-ウイルス(Tyraゲnt Virus)」に感染しているからである。このウイルスは国際的に事業を行っている製薬会社が進めていた生体兵器の研究過程で作られたものである。それがあるとき研究所の外に流出し、奴らはそれに感染したことで、永遠に食べ続け、何でも「平らげんと(平らげようと)」するのである。
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