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『ファートンいきもの記』【35】

今日の「いきもの」は≪気Ivy≫である。
今回のオリンピックで正式に採用された競技がいくつかあるが、奴はオリンピック競技への採用で注目されブームになる前から地道に練習を重ねている。私が奴を見たのはレンガ色が街全体に広がりビクトリア朝の雰囲気が漂うボストンのビーコンヒルであった。私がボストンを訪れたのは2007年の修学旅行の引率のときだったので、現在のような競技ブーム以前だったのは明らかである。奴は命綱や道具などを一切使わずに、自分の身体と気合いだけを武器に、反り立つレンガ壁に挑んでいた。

奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「ボルダリング」である。
ボストンのレンガ壁は奴が手足を引っ掛けて上へ上へと登っていくにはちょうどよい凹凸のようで、街の建物のほとんどで奴らは練習をしている。しかし練習場所として提供されている公式の建物だけでなく、完全な私有地であっても、挑戦し甲斐があると思えば、登りたくなってしまうのは、奴らの性分なのかもしれない。今後も都市の構造を競技の舞台とするスポーツが増えていくと思われるが、マナーだけは守ってほしいものである。

#ツタ #ボストン #ビーコンヒル #ボルダリング
#生物がすき
(以下で今日の「いきもの」をスライドにて紹介)

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