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❖「ノベル」な書き出し「述べる」だけ(第7話)❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2023年5月28日)

(小説っぽい書き出しで表現してみるシリーズ)

それはシンガポールに住み始めてから、少しだけ海外生活にも慣れてきた頃の出来事だった。それまで用事はほとんど近場で済ませていたのだが、慣れによって私の行動範囲は確実に広がった。

休日、それまで利用しなかった番号のバスに乗る。行き先は、ハーバーフロントのVIVOCITYという大きなショッピングモール。敷地面積はかなり広く、店舗も豊富で、1日いても飽きないくらいである。

giantというスーパーも入っている。平日の朝晩に食べる食材の買いだめや、生活雑貨の調達、電化製品だって、とにかく私が生活する上で必要なものはここで全て揃ってしまう感じだった。

モール内は飲食店も充実していたので、日曜日の夕食をここで済ますことも多かった。フードコートには、多種多様の店舗が入っていて、全てを制覇するのには途方もない時間がかかる気がした。

しかし最初に選んだのは、フードコートの外側にあった中華系のお店。入り口が大きく開けていて、足を踏み入れるのに勇気や決意がいらないと思えたのが、選んだ最大の要因である。

店の入り口の雰囲気をかなり敏感に受け止めるタイプである私は、店選びに変なこだわりがあって、すんなり入れないことが多い。

行動範囲が広がったとはいえ、初めての海外暮らしがスタートとして2ヶ月ほどの時期。まだまだ外食での店の利用や注文の精神的ハードルは高いまま。

だから勇気や決意が必要と感じないこの店はありがたかった。だが、事件はその店で起こった。

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【本日はここまで、以下は補足、蛇足?】
シンガポール生活がスタートして1か月くらいは一人でまともに外食できた記憶はありません。
幸い、職場の先生方が食事に誘ってくれていたので、お店で食事することはできていましたし、勤務校の学食は夕食の時間帯も利用できたので、きちんとした食事をとることはできていました。

しかし日曜日など一人で食事をしようと思うと、なかなかお店に行って注文する勇気がなく、コンビニで買いだめしておいたクラッカーを食べる日々。

それでも1か月過ぎたころからはバスで遠出もできるようになり、ショッピングモールなどに出かけることが増えました。

その頃、よく足を運んだのはハーバーフロントのVIVOCITYでした。広すぎて逆に困るという印象の方が強かったですね。この中にある飲食店も利用できるようになり、少しは人間らしい生活ができるようになりました。

しかし全てが順調ではなかったのです。

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