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アンラーン💣リラーン📚ためらわん♫run23

幼き頃の自分であっても師の一人⭐️
(これまでの虚栄を解きほぐす「unlearn」のため、頭の中を刷新する「relearn」を躊躇なく進めるための記録)

空が気になり始めたのはいつの頃からだろうかと最近考えるようになりました。
シンガポールにいたときも、沖縄にいたときも、ラオスにいたときも、そして今住んでいるバンコクでも空を定期的に撮影しています。そういえば、インドやネパールのボランティアキャンプに参加したときも、マレーシアに旅行したときもけっこう撮影していました。

それから修学旅行の引率で、イギリス・フランス・アメリカ・オーストラリアなどにいったときも、もっと地上の建物を撮影すればいいものを、やたら空の写真が多くて、帰国後に写真を他の教員と共有するとき、こんなに空ばかり撮影してどうするのと言われることもありましたね。

自分が空に対して積極的に働きかけをしたとしっかり覚えているのは、中学生のときです。当時、美術の授業で、背景として風景を描き、そこに文章をレタリングする課題がありました。私はその課題で、空を描き、文章はボードレールの『悪の華』の詩をのせたのでした。

ここまでだと何とも生意気な中学生と思われるかもしれません。しかし私は決して文学少年ではなかったので、ボードレールの詩を用いた経緯はちょっと変わっていました。小学校6年生くらいから兄の影響でBOØWYというロックバンドを聴くようになっていたのですが、あるときそのバンドが既に解散していることを知ってショックを受けていました。その喪失感の受け皿になったのが、BUCK-TICKというバンドで、ちょうど中学生になったころ、彼らが新たにリリースしたアルバム名が『悪の華』だったのです。

そして、そのバンドのアルバム名と同じ題名の本を近所のTSUTAYAで発見したのです。それが私とボードレールとの最初の出会いでした。気になって立ち読みしてみると、それは詩集でした。当時、BUCK-TICKがダーク路線に向かっていることに影響を受けていたのでしょう、その詩集でよく出てくる「悪」とか「死」とかに魅かれる自分がいて、けっして潤沢ではないお小遣いをはたいて本を買ったのでした。

そして同じころ、教科書でも小説でも構わないので、自分が気になるフレーズをレタリングし、そのフレーズに関わる絵を描くという美術の課題が出されたのでした。私は迷うことなくボードレールの詩集からフレーズを引用しようと考えました。

そして選んだのは「かげる空」という詩でした。すべてのフレーズを書こうとすると、文字が多すぎるので、特に気になった部分を取り出しました。

不思議なそなたの瞳の色は(青いのか灰色なのかそれともまたは緑なのか?)
やさしくも、夢見がちにも、また意地悪いようにも見えて、
空のけだるさ青白さ交互に映し出す。

この部分だけでも文字が多かったので、括弧で色について問うている部分も削除したと思います。そして、背景の右側は青空っぽくし、左に向かうにつれて灰色っぽくして、左端はかなり黒くしたように記憶しています。

10月末くらいからの朝空の写真をまとめていて、そんな中学生の自分と空との関係を思い出し、懐かしい気持ちになりました。ちょうど今、日本にいるので本が手に入りやすいこともあり、昨日、近くの本屋でボードレールの『悪の華』を買ってしまいました。

そしてその本を持って、荒川の土手へ。お昼を食べつつ、久しぶりに詩集を読み返したのでした。土手には多くのハトがいて、私が食べているおにぎりを狙っているのか、リスク覚悟でかなり接近してくる奴もいました。

当時の自分は語彙力も、歴史の知識も乏しく、また人生経験もさほどなかったので、詩集に示された内容がどれくらい分かっていたのかというと、おそらくほとんど分かっていなかったと思います。ただ単に、『悪の華』というダークな感じがかっこいいというような、中学生にありがちな興味・関心の程度だったことでしょう。

あれから30年近く時が流れ、年齢を重ねた今、改めてこの詩集を読むと、受け取り方は当然変わってきますね。今回の『悪の華』と同じように、幼い頃や若い頃に読んだ本をこの年齢で読み返してみると、当時の自分を振り返るきっかけになると思います。同時に、当時と今の自分を比較し、今の生き方をどう考えるかであったり、これからの生き方はどうしていくかであったりと、自己分析を深めることができそうです。

過去の自分にも気づき・学びの機会を与えていただきました。せっかく日本にいるので、かつて読んだ懐かしい本たちと触れ合おうと思います。やはり外せないのは、私の場合、太宰治とデカルトですね。

#哲学   #ボードレール   #悪の華
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