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アンラーン💣リラーン📚ためらわん♫run44

⭐経験のかけがえのなさは、生きている時間に対して「反比例」の関係にある⭐️

(これまでの虚栄を解きほぐす「unlearn」のため、頭の中を刷新する「relearn」を躊躇なく進めるための記録)

昨日からビエンチャン日本語補習授業校がスタートしました。
日本の学校のスケジュールで考えると4月1日から授業が始まるのは非常に早い印象だと思います。ただ、2012年4月~2016年3月まで勤めた早稲田渋谷シンガポール校も、2017年4月~2019年3月まで勤めたシンガポール日本人学校中学部も、赴任国へ行くのは3月下旬か4月の頭だったので、在外教育施設での仕事のスタートは4月になってすぐというイメージで、あまり違和感はないですね。

今回は3月20日にラオス入りしているので、そこから10日以上時間が経って授業スタートということで、逆にけっこう時間が空いていたなという錯覚さえあります。

ビエンチャン日本語補習授業校は、独自の校舎を持っておらず、Vientiane International School(VIS)の校舎の一部分を借りて運営されています。

3年前に比べるとVISはリノベーションでかなり綺麗になっていました。変化は学校の周辺にもあり、校門の向かい側にあったカフェは閉店し、校門脇にあったローカル感漂う飲食店がオシャレなカフェになっていました。ここには栄枯盛衰が凝縮されているように感じます。

昨日は久しぶりの授業で、ここ数年担当していた高校に比べると小学生は、良い意味でも悪い意味でもこちらの想定を超える反応・言動があって、授業中も休み時間も気をはっておかねばならないなということを思い出す形になりました。

小さい子は、自分の頭の中や心の中で生じていたものが、意識的か無意識かに限らず、独り言のような形で外部に漏れ出てくることが多いと思っています。そして、それは小さな声でボソッとのことも少なくないので、こちらがアンテナの感度を良くしていないと見逃してしまう可能性があります。

しかしそのサインは声量や文字数がわずかだとしても、その子にとって流されても構わないという考えや思いではなく、非常に重要性が高いものである確率が高いものだったりします。ですから、そのサインを見逃すと、それ以降、正直に接してくれなくなったり、不満を膨らませていってしまったりして、気づいたときには大きな問題として顕在化することがあります。(このあたりが【課題の設定】)

私にとっては久しぶりの授業で、少しずつ思い出したり、慣れていったりできればと考えてしまいますが、子どもたちにとっては、その1回の授業、その1日の経験は、かけがえのないものです。つまり、サインの見逃しは久しぶりだからでは済まされないわけです。

「主観的な時間の長さは、年齢の逆数に比例する」
これはフランスの哲学者ポール・ジャネの考えを、その甥の心理学者ピエール・ジャネが自身の著作で紹介したことで世に知られるようになった「ジャネの法則」を端的に表現したものです。この法則はのちに数式で表されるようになり、「Y=1/n+1」となります。(このあたりが【情報の収集】)

さきほどの子どもたちにとっての経験のかけがえのなさも、このジャネの法則と同様で、若ければ若いほど主観的に大きな存在になるのではないでしょうか。

この点については、経済学の観点を用いて考えることもできると思います。ドイツの経済学者ゴッセンの第一法則として知られる「限界効用逓減の法則」によれば、財1単位の増加によって得られる効用(満足度)というものは、財を多く持てば持つほど得にくくなります。同じような財を繰り返し手に入れていくと、最初に手に入れたときに比べて効用(満足度)は得られないということですね。

この財を時間に置き換えてみると、次のように考えることができると思います。多くの時間を過ごすことで、似たような経験を重ねれば重ねるほど、それに対する効用(満足度)は得にくくなり、しだいに経験はかけがえのないものから遠ざかっていくわけです。(このあたりが【情報の収集】と【整理・分析】)

ここから「経験などのかけがえのなさ(価値の高さ)は、年齢の逆数に比例(年齢に反比例)する」と考えることができると思います。

大人であれば自分が考えていること、思っていることがあれば他者にしっかり伝えることができると思います。しかし小学生などはそれができる子ばかりではないですし、それがこの時点でできていなければならないと見なすべきではなく、他者に自分の考えや思いを上手く伝えていくための練習の時期と捉えて接する必要があります。そのためにも、最初は子どもたちのわずかなサインという「声なき声」を丁寧に拾い上げ、それをきっかけにどうやって伝えていくと上手くいくか、ヒントやファシリテートで教員が伴走することが非常に重要だと思います。

今年度は、幅広い年齢の児童・生徒と関わることになるので、難しさは増しますが、その分、私自身の成長もありそうです。つまり「難しさの『湧惑(ワクワク)』だけでなく、成長の『ワクワク』もある」ということでしょう。(全体だが、特にこのあたりが【まとめ・表現】)

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