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「尺貫法」って何?【舞台用語を覚えよう④】

【舞台用語を覚えよう!】シリーズ
今日のテーマは「尺貫法」です!!

「あそこの劇場は間口8間(けん)あったよね?」
「今回の会場は奥が2間(けん)ないぐらいなんで、フォーメーションを変えて対応します。」

みたいな使い方をしますね。

尺貫法(しゃっかんほう)というのは、中国が起源とされる長さや面積、重さ、体積などの単位系の一つで
701年の大宝律令で日本の尺度として定められた長い歴史のあるものです。

「尺」は「長さ」の単位、
「貫」は「質量(重さ)」の基本単位となります。

西洋のものだと「ヤード」や「ポンド」などが有名ですよね。

「メートル条約」への加盟、計量法の制定により、現在の日本では
取引や証明等に尺貫法を用いることは禁止
(違反者は50万円以下の罰金)されていますが、
建築や工芸の世界では道具そのものが尺貫法で作られているものも多く、
現在でも作業や口頭での説明では多く尺貫法が使用されています

舞台の世界も同様、舞台の広さや大道具など基本的には全て尺貫法で説明をされます。

舞台に関わる上では、「覚えておかないとちょっと恥ずかしい用語」のトップバッターと言っても過言ではないでしょう。


この「尺貫法」…
あまり知られていないようですが、実は僕たちの生活の中ではよく出てきています。

食パン350g〜450gを1斤と数えたり、
1.8リットル入る瓶を一升瓶と言ったり…

お米の1合
一斗
土地の


しゃくとり虫
一寸法師
はないちもんめ

なども尺貫法からきています。

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見たことのある単位がいくつかあったのではないでしょうか?


舞台関係でいえば、
舞台の面(つら)や稽古場の鏡の前などに、立ち位置を覚えやすいようにふってある
「ナンバリング」と呼ばれる数字…
これは基本的に半間ごと(3尺=約910mm間隔)で置かれています。

ダンスやミュージカル公演で床に使用されるリノリウムも基本的には1間幅(6尺=約1818mm幅)で作られていますね。

舞台でポジションを正確にとるためには、ナンバリングを活用するのもいいですが、
この「半間=3尺」「1間=6尺」感覚を身に付けることが重要なのです。


いやそんな数字、感覚じゃわからんよ。


そんな方は「畳」のサイズ感を思い出してください。
和室に敷かれているアレです。

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一般的に、畳は全て「半間 × 1間」の大きさで作られています。

ナンバリングをイメージする場合、「畳を縦方向に敷き詰めている舞台」を想像すると分かりやすいでしょうか?

そんなやり方したことないけど。笑


ちなみに、畳2枚分(1間四方)で1坪です。

これで土地の感覚もバッチリですね!
いやー勉強になるでこれは。笑

尺貫法(平台)


舞台で高さを出したりするために使われる「平台」と呼ばれるものも、
1間=6尺の長さを基本とした作りです。

3尺幅のものを「さぶろく」
4尺幅のものを「しぶろく」
6尺幅のものを「ろくろく」と呼んだりしますね。

よく使われる「さぶろく(3尺×6尺)」の平台は、一般的な畳一枚分と同じサイズになります。

この他にも、3尺×4尺「さんよん」や3尺×9尺「さんきゅう」と呼ばれる規格の平台もあります。

舞台で使われる数字のキリが悪いのは、尺貫法をメートル法に換算しているからなんですね。

尺貫法は、10進方だけではないし、メートル法に慣れている人にとってはキリの悪い数字ばかりで、
なんだかややこしい気がしてしまいますよね。


ただ、舞台ではとても重要なこの「1間感覚」
覚えておいて損はないので、是非とも身体に染み込ませてみてください。
畳でね。笑

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