柏木タケシ

技術コンサルタント/工学博士。大企業と中小企業の両方での経験と知識を活かし「新商品で収…

柏木タケシ

技術コンサルタント/工学博士。大企業と中小企業の両方での経験と知識を活かし「新商品で収益アップを目指す中小経営者」をサポートします。 https://peraichi.com/landing_pages/view/kashiwagi-office

最近の記事

中小企業が戦うための3つの方策 ~3C分析との比較~

前回まで「中小企業が戦うための3つの方策」について解説してきました。その内容は「敵を知り、己を知り、戦場を知る」です。そこで気づいた方もいるかも知れませんが、それは「3C分析と同じじゃないのか?」という事です。 3C分析とは、マーケティング戦略における手法のひとつで、外部環境分析、すなわち市場 (Customer)と競合(Competitor)について行い、その結果を自社(Company)の戦略にフィードバックする、というものです。つまり「自社・市場・競合」を分析する、とい

    • 中小企業が戦うための3つの方策 ③敵を知る

      ここまで、中小企業が戦うための3つの方策、それが「敵を知り、己を知り、戦場を知る」のうち、①己を知る、②戦場を知る、から「何が製造可能か」「何が売れるか」について解説してきました。今回はその3回目、③敵を知る、につき解説していきます。 敵、即ち競合他社も戦略を持っています。圧倒的戦力を有する大企業は、調査から開発まで専門の部隊を持っていることが多いため、戦力面で劣る中小企業には正面突破は無理です。そこで成功している中小企業は、それを避ける独自戦略があります。 そして敵は常

      • 中小企業が戦うための3つの方策 ②戦場を知る

        中小経営者は、自社(経営資源)のことはある程度分かっていても、競合他社については分からないことも当然あります。そして市場、すなわちこれから打って出る戦場については、ある程度知ることができます。そこで私が提案しているのが、中小企業が戦うための3つの方策、それが「敵を知り、己を知り、戦場を知る」という事です。今回はその第2回、「戦場を知る」について解説したいと思います。 まず、何が作れるか、を知ったところで、何を作ったらいいの?という疑問が生じます。そこで多くの経営者は「いいモ

        • 中小製造業が戦うための3つの方策 ①己を知る

          「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という孫子の有名な言葉はご存じかと思います。戦う場合には、敵と味方の両方の情勢、つまり自分と相手の両方の優劣長短をよく知ることが大切である、といった意味の言葉です。これは勝負事全般に言えることですが、ビジネスにおいても重要な意味をもっています。 ところでビジネスの場合、自社(経営資源)のことはある程度分かっていても、競合他社については分からないことも当然あります。そして市場、すなわちこれから打って出る戦場については、ある程度知ることができま

        中小企業が戦うための3つの方策 ~3C分析との比較~

          五感に訴えるセールス:嗅覚の利用

          私はマーケティングやセールスの専門家ではありませんが、書籍等で勉強してきたこともあり、電車の車内広告などで「これから何か得られるものはないか?」と考えるようにしていますが、最近、こんなことがありました。 新宿駅の構内を歩いていたら、何やら良い香りがするので、その方向に向かっていくと当然、その香りはさらに強くなっていきます。そこで思い出したのが「これって、以前博多駅に行った時のクロワッサンの香りに似てない?」という事でした。そして店舗が見えてくると、行列が出来ているクロワッサ

          五感に訴えるセールス:嗅覚の利用

          主人公は顧客であって、あなたではない

          ビジネス書籍や、セミナーなどで、「ビジネスをやっている人の心構え」についての話は聞かれた方も多いかと思いますが、細部については若干異なるものの、根底はほぼ全て同じ原理・原則に基づいています。その中の一つとして「顧客を理解すること」の重要性が述べられているのですが、それを忘れてしまう人がいるとも言います。これはなぜなのでしょうか。 間違った例としてよく挙げられるのは、「自分が主人公になっている」という状態です。これは、「自分が扱っている商品がいかに優れているか」ばかりに目が

          主人公は顧客であって、あなたではない

          中小企業が特許を活用するには

          大企業と中小企業との間にある戦力的ハンデは(人材の質量の関係上)いくつかありますが、私の経験上よく見かけるのが、特許や商標のような知的財産の活用能力です。大企業であれば大抵、知的財産部があり、技術者と弁理士事務所の間の橋渡し的な役割として、研究開発成果の特許出願・権利化や関連他社特許調査と情報提供、といったサポート業務を行っていることが多いようです。 一方、中小企業でも特に、上記のような知的財産担当者がいない場合、特許や商標の対応は技術部門が行うのか?それとも営業部門?とい

          中小企業が特許を活用するには

          【業務紹介】地方企業のためのサポート

          私は技術コンサルタントとして、主に中小製造業のサポートをさせて頂いておりますが、中には大手製造業の方からも引き合いを頂いております。また、首都圏以外の企業、例えば札幌や福岡のような地方大都市圏の方ともお話をする機会があるのですが、このような意見を頂くことがあります。 「情報調査はどこでもネットでできるようになったが、やはりリアルの情報収集は東京までいかないと難しい。例えば、展示会は多くが東京や幕張で行われるので、行くのに時間や費用がかかる。そもそも、派遣できる人員がいない。

          【業務紹介】地方企業のためのサポート

          このままでいいのか?子供の夢と未来について考える

          ご存じの方も多いと思いますが、最近こんな記事がありました。 これを見たとき、「子供の夢って、夢じゃなくなったのか?」と思いました。 男女とも人気は「会社員」 なりたい職業調査、在宅で身近に - 産経ニュース (sankei.com) https://www.sankei.com/politics/news/210317/plt2103170029-n1.html ちなみに、同様に思ったのは、私だけではないようです。Twitterの反応を見ても、このアンケート結果に失望して

          このままでいいのか?子供の夢と未来について考える

          仏教思想とビジネス思考:意外?必然?な共通点

          最近、面白いことに気づきました。 ビジネス関連の書籍や動画、セミナー等から、多くのコンサルタントの方のビジネス思考を参考にさせて頂いていますが、それと並行して、趣味である「哲学・宗教・思想」に関する書籍や動画もよく見ています。 そこで気づいたのが、「ビジネスの成功法則」として多くの方が言われている内容と、「仏教の思想」は、実は根底にあるものが同じではないか?ということです。 これはどういうことでしょうか。 例えば、仏教用語で「布施」とあります。 これは、「自分が見返り

          仏教思想とビジネス思考:意外?必然?な共通点

          その商品、本当に効果がありますか?

           テレビや雑誌、ネットを見ていると、実に多くの商品が通信販売で売られています。特に美容・健康に関するものをよく見かけますが、その中には本当に効果があるの?というようなものも少なくありません。  最近の例だと「水素水」で、抗酸化作用・効果を謳っているが、実際に商品に含まれている水素含有量はごく少なく、高い金額を出しても効果はないようなものがありました。さらには、宝石を水に入れると波動によって水が改質され、健康に良いという商品もありましたが、私のような科学者からすればオカルトの

          その商品、本当に効果がありますか?

          新規事業を成功させる一つの秘密 (2):社内リソースと市場ニーズのマッチング

          (2021.10.6 再掲載)  まずは、顧客の悩み、現状のフラストレーションと解決したいことを調査します。事実、他社の商品を買ったものの不満も無くはない、ただ他に代替品がないので仕方なく使っているケースもあり得ます。但し、ここでの「商品」とは、はあくまで要求を満たすための手段に過ぎず、解決したい悩み、要望にフォーカスします。そのため商品(サービス含む)としては、全く別のものでも効果が同じなら比較・検討の対象となります。  次に、顧客が必要としている効果・効能(または要望

          新規事業を成功させる一つの秘密 (2):社内リソースと市場ニーズのマッチング

          新規事業を成功させる一つの秘密 (1):社内リソースとビジネス構築

          (2021.10.6 再掲載)  新規事業の立ち上げとしては、既存事業の展開や製品の改造、新製品の投入がありますが、人員や予算に限りのある中小製造業では、特に一からの製品開発はなかなか難しいものです。そこで既存の社内シーズの活用によって、最小限の労力で最大限の収益を得られる工夫が必要です。  そこで、調査にあたっては、「社内リソース」の切り口を変えて、「他の用途に使えないか」という見方で、まずはリソースの棚卸を行ってみます。  例えば、既存の製品の化学的特性や機能につい

          新規事業を成功させる一つの秘密 (1):社内リソースとビジネス構築

          技術系コンサルタントの柏木です。

          皆様はじめまして。柏木タケシと申します。現在、主に中小製造業のサポートをすべく活動しております。専門分野は化学・プラスチックですが、その他関連商品の調査・開発に関するご相談もお受けしています。 今後、こちらで情報発信していきたいと思いますので、今後とも宜しくお願いします。

          技術系コンサルタントの柏木です。