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「それは本当にお客様本位?傾聴力を鍛えた『寄り添う』ということ」キャリアに悩むあたなたへ。転職7社、やりたいことをやって幸せになるためにボクがしてきたこと(19)

「お客様のために」を掲げる企業や人は多いですし、ボクも夢の国で培ったサービス業を長くやってきて、当然のことながら得意なことだと思っていました。でも、本当の意味でお客様に寄り添うということを、ウェディングプランナーになって初めて思い知らされ、それが今のボクの傾聴力にも繋がっていくことになります。

おもてなしとは

「お客様の立場に立ちましょう。」サービス業であっても、そうでなくても、当たり前のように言われること。でも実際は、それが出来ている人や企業は多くないんだ、ということをウェディングプランナーの仕事を通して初めて知りました。本質的に寄り添えている会社というのは、後にも先にもないんじゃないかというほど徹底していて、流行りで使われている「寄り添い」「おもてなし」といったことを叩き直されることになりました。

おもてなしが素晴らしい星のつくホテルは、本当に素晴らしいです。仕組化されて素晴らしいホテルもあれば、昔ながらの女将さんのような気配りで素晴らしい場合もあります。たまに高いお金を払ってもガッカリなサービスを受けることもなくはありませんが、それなりのお金を払い、お客側もそれなりの振る舞いが出来る人であれば、それなりのおもてなしを受けることが出来ます。

でもそれは、お金をたくさんいただければ出来ることでも、訓練を受ければ出来ることでもなく、本質的におもてなしを理解して体現しないと実現できることではありませんでした。そしてそこには本当の意味での寄り添いが必要でした。

例えば来客があるとき、部屋の準備は整っているか、空調は快適か、迷わずたどり着けるようなアシストは事前にできているか。それらはマニュアル化出来ることでもあります。しかし、YesNoをハッキリ言わない日本人が、到着してすぐに暑いのか寒いのか、コーヒーにしますか紅茶にしますかと尋ねなくても相手の欲しているものを提供できるか。おもてなしとは、相手の欲していることを言われなくても感じ取って対応することだとすると、なかなかマニュアルだけではカバーできることではありません。

笑って打合せをしているお客様が、本当は不安に思っていることはないかどうか、言葉の裏側は何を意味しているのか、間合いや沈黙、ちょっとした表情やしぐさで読み取る。おもてなしを追求すると、そういう高度な観察力と対応力を求められ、それが成功すると、相手の感動も大きなものになります。

寄り添いはテクニックで出来るものか

ある程度のところまでは、テクニックでも寄り添いは出来なくはありません。本能的にその場で人を気持ちよくさせられる人も世の中には沢山います。言葉の通じない子供や犬を喜ばせることが出来るのも、テクニックで出来なくもありません。

ただ、そういった寄り添いはいつかバレて、人はそういう人からいつか離れていきます。本心で自分のことを想ってくれていないと気付いてしまうからです。逆にビジネスの世界では、それを割り切って良しとする場面も多いかと思います。でもそれは人と人との情が通い合った(ように見せかけることは出来ても)わけではなく、長い付き合いにはなりません。

結婚式という、自分にとって生涯での一大イベントで、自分にとって大切な人だけをお招きするという、極限の緊張感の中で、多くの人はいつも以上に感度が上がります。そもそも、かなりの高額な買い物で、家や車のように残るものでもないので、敏感になるもの当然です。その中で、本当の意味で相手の立場に立ち、相手の見ている景色を一緒に見ることが出来ていないと、お客様の落胆も大きくなります。それくらい、お客様が熱心に向き合っているのが結婚式だからです。自分の大切なことや自分の大好きな人をおざなりにされた気持ちになってしまえば、任せたくないと思うのは当然です。それが結婚式の仕事で寄り添うという、とてもハードルの高い仕事だったのです。

誰もが知っている大手の結婚式場で、寄り添ってもらうことが出来ず、泣く泣くキャンセルして別の式場で幸せな結婚式を実現できた人を、ボクは沢山知っています。

感動を生み出す仕事

相手を想う気持ちがあれば、寄り添うということは自然に出来ることです。でも仕事としている以上、自分には自分の生活や大切なことがあり、お客様に対して好き嫌いもあります。プロとしては、自分の一番大切な人と接するかのように全てのお客様に接することが求められ、その寄り添いから感動が生まれるのです。大切な人に対して、愛情を持っている我が子に対して、テキトウになることはないはずですが、仕事としてやっている以上、ときにはお客様に対してテキトウが生まれてしまうこともあるのが人間です。それは仕方ないことかもしれませんが、お客様としてはやり直しのきかない結婚式で、泣きたくなるほど辛いことです。

そういった極限の中で、寄り添うことに徹底していた会社だったため、苦労に苦労を重ね、本当の意味での寄り添う、ということを習得していきました。お言葉をいただき学ばせていただいたことも多かったです。いまだに出来ているかと言えば、まだまだ修行が足りていないとも思っています。そしてそれは、傾聴の基本姿勢にも通ずることにもなっていくのです。

かなやんレベル22→23
・心からのおもてなし
・寄り添いから感動を生み出す仕事


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