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アメリカ行き往復航空券、大人1枚ください!

今日はアメリカメジャーリーグのオールスターですね。
レジェンドをとても大切にするメジャーリーグ。
今回の舞台はテキサス。
始球式にはノーラン・ライアン投手の姿が。
この球場で前回オールスターが開催されたのは1995年。
ナショナルリーグの先発投手はルーキーの野茂英雄投手。
奇しくも今回の先発もルーキー、スキーンズ投手でした。
いいピッチャーですね。

前回テキサスで開催されたそのオールスター。
私は当時大学3回生。
確か、自分の部屋で齧り付くように観ていました。
そんな日本人が多かったと思います。

日本人初出場。
デビュー以来の快進撃。
対するアメリカン・リーグの打者を抑えられるのか。
お祭的要素があるとはいえ、まだ真剣勝負の度合いが強かった時代。
野茂は見事に並み居る強打者を抑えました。

そしてその翌月、私は初めての海外一人旅に行きました。
そう。野茂英雄を観るためです。
前年に高校時代の親友と中国に船で行き、2週間ほど過ごしましたが、
海外一人旅は初めての経験。しかも1ヶ月。
チケットの取り方もわかりません。
大学の生協にJTBが入っていたので、そこでチケットを取ることにしました。

カウンターに座る男性に向かって、
「アメリカ行き往復航空券、大人1枚下さい!!」
と、私は言いました。
新幹線のチケットのように買えると思っていたのです。
しかも、いつでも定額だと。

カウンターの男性はたいそう驚いていました。
行き帰り、いつどこから乗り、いつどこで降りるのか。
席のグレードはどうするのか。
それを決めてからまた来て下さいと丁寧に説明してくれました。

私は地球の歩き方を買い、チケットの買い方等を読んで再訪しました。
もちろんエコノミー。
8月半ば過ぎに関空から乗り、ロス経由でサンフランシスコ着。
1ヶ月後の帰りも同経路で。

そう伝えてようやくチケットを予約できました。
ノースウエストだったと思います。
田舎者の大冒険でドキドキしましたが、それほど野茂英雄を観たかったのです。観なければいけないとも思いました。これは使命だと。

そういえば、初めての国際線。
乗車した途端にそこはアメリカ。英語の世界。
ただでさえ緊張するのに、私の席にはすでに乗客が。
ダブルブッキング。何、それ?
よくわからないまま、さらに前方の席に誘導されました。
そこはビジネスクラス。超ラッキー!!

冒頭の写真は、ようやく辿り着いたドジャースタジアム。
1995年8月31日。
ちょうど野茂英雄投手の27回目の誕生日でした。
たくさん三振を奪い、好投しましたが、
後続が打たれ勝利投手にはなれませんでした。

写真でも少しわかるようにスタンドはまだガラガラ。
というのも私は球場1番乗りでした。
ナイターでしたが正午にはすでに球場入りし、
まだのんびりした時代でもあったので、
勝手にグランドに入ったりして何度も怒られました。
いい時代でした。

その旅では他にサンフランシスコとオークランドでもメジャー・リーグを観ました。アムトラックという長距離列車のパスを買い、私としては大冒険でした。

オールスターの話に戻ります。
野茂英雄の初出場の他に印象的だったのは、
2001年のイチロー選手の初出場。
私はソウルの安宿で観ていました。
そしてその2ヶ月後、やっぱり日本人野手のデビューシーズンも見届けなければと、アメリカを2ヶ月間周遊しました。

イチロー選手はもちろん、新庄剛志選手も観に行きました。
プレイオフも含めて各地で16試合観ました。
ニューヨークでの惨禍が無ければもっと観に行けた予定でしたが、
それも旅のひとつ、人生です。
でも、ボストンの野茂英雄投手を観るタイミングが合わなかったのが悔やまれました。まだまだインターネットの黎明期。
ボルティモアまで野茂を追いかけましたが間に合わず。
シーズン最後の登板を終えた直後でした。
それでもこれ幸いと、カル・リプケンJrの最後から2番目のラストダンスを見届けられました。

オールスター。
メジャーリーグのオールスターはワクワクしますね。
日本のオールスターもかつては、私が小学生だった1980年代くらいまではとてもワクワクしたものですが、近年はほぼ観ていません。
江川投手がいくつ三振を獲るのか。
清原と桑田の対決はどうなるのか。
落合のホームランを観たい!
野球少年だった私はワクワクしたものです。


今の少年たちは大谷翔平選手のホームランを期待しているでしょう。
そして冒険できる年齢になったら是非、現地で観てほしい。
円安で大変だけど。
私が初めて行った1995年夏は円高で、1ドルが95円くらいでした。
全ての物が安く感じられ、貧乏学生でも充分楽しめました。
幸運な時代に学生時代が重なりました。

そういえば一度だけ日本のオールスターを球場で観たことがありました。
1994年神戸グリーンスタジアム。
パ・リーグの先発は野茂英雄。
肩を痛めていたけど無理して投げていたそうです。
私の好きだった川相昌弘選手に対する大ブーイングを覚えています。
少し悲しい思い出。

数年前、足繁く通ったジャイアンツ球場で、
スタンドで息子さんの最終試合を観戦する川相昌弘さんにあいさつする機会がありました。
知り合いでも何でもありません。
ただすれ違う際に「こんにちは」と挨拶しただけです。
その年にジャイアンツを退団した息子さんの最終打席は3塁打でした。
父親同様、気持ちを全面に出す熱いプレイスタイル。
スタンドから彼の写真をたくさん撮りました。
もちろん、フィルムカメラで。

オールスター。
スターは個性が際立ってこそのスターなんだと、
メジャーリーグのオールスターは教えてくれます。

今日の大谷翔平選手のホームラン、見事でしたね!







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